山崎隆之七段vs藤井 猛九段   NHK杯  2回戦
解説 福崎文吾 

出てきた矢内の服を見てびっくり、な、なんじゃこりゃ~ ナースのコスプレみたい~ 
いつもの地味な服から一転だ うひょー(笑)
となりの福崎は、髪の毛が両サイドにボンバイエ状態で、まるで、お茶の水博士だ

山崎vs藤井、という、2回戦屈指の好カードだ 
終盤型の山崎vs序盤型の藤井の激突 ワクワクな一戦だ

福崎「山崎は山崎流という戦型がたくさんあって、パイオニア精神あふれる、能動的な棋士
 藤井も藤井システムを開発、気がついたときには藤井流にハマっている恐ろしさを感じさせる棋士」

事前のインタビュー
山崎「一回戦は負けたかな、と思って泣きそうになっていたが、勝ててうれしかった
 藤井が好調なので、力戦型のねじりあいになりそう」

藤井「最近の調子は、ここ数年の中では一番いい 最近は色んな戦型を指すようになった
 ついこの間、山崎と指したが、矢倉で負けたので、今日は振り飛車を指したい」

先手山崎で、▲居飛車持久戦vs△四間飛車+美濃に進む 
角道を止める四間飛車はひさしぶりに見た 

雑談で、福崎「飛車を振って勝つと爽快感があるんです
 振り飛車には、そんな手があったのか、とハッとさせる、ワクワク感がある
 居飛車で勝つのは、理詰めで、将棋の難しさを感じる」
うんうん、そうだね 福崎さん、的を得たいいことを言うね

さて、山崎の四間飛車対策やいかに? 山崎、▲5五角と飛び出した
矢内「△5四銀の変化は大丈夫なんでしょうか?」
福崎が解説に困っていると、矢内は角を端に飛び出す変化を自ら発見、ナイスフォローだ

山崎の作戦は、玉を▲7七玉~▲8七玉と囲う、天守閣美濃だった それも豪華に金銀4枚で囲う形だ
うーん、工夫してきたようだが、これ、大丈夫なの? 
たしかに、メチャ堅いけど、右側で手が作れなければ、姿焼きだけど・・・
なにしろ、相手は藤井だからね
さらに、玉を穴熊に囲った山崎 対して藤井は普通に銀冠に組み上げた

矢内「山崎はうまくやらないと、押さえ込まれそうな・・・」
考慮時間にすごい差がつき、残り▲1回vs△9回まで差が開いた 
うーん、もしかしたら、山崎、これは事前の作戦ではなくて、成り行きでこうなって、
ただ困っているような気がする 序盤で差をつけられる、いつもの山崎ペースだ(^^;

千日手含みか、と思いきや、3筋で藤井から動いてきた! 
そして、見えにくい手、振り飛車からの△2四歩~△2二飛! 見るからに好手順っぽい
福崎「潮が満ちていくように押していく、藤井の指しまわしは勉強になりますね」

こういう序盤のじりじりとした駒組み合戦は、藤井のもっとも得意とするところだもんね
そして、この△2四歩から見せたようなさばきは、
藤井の著書「四間飛車を指しこなす本」や「四間飛車の急所」に詳細に解説されているからね
飛車をさばき、圧倒的に指しやすくなったように見える振り飛車

福崎「しかし、山崎はわずかなスキでも突きますから」
山崎の勝負手に期待して見ていたら、▲5五歩が出た! な、なんだこれは? 意味のわからない手だ
ここから山崎の本領発揮か!? しかし、藤井、この手に対し△6五歩と強気の反撃!
福崎「△6五歩は、山崎の読みをはずした実戦的な手ですね」
案の定、時間を使わされた山崎、考慮時間が、▲0回vs△8回になってしまった
藤井が△6四角と絶好の位置に角をのぞき、山崎はじっと▲4六歩と打ってガマンかあ 
うう見ごたえがある 

盤面左側の折衝がいよいよ始まった 銀を取り合ったが、山崎が取ったのは後手の攻めの銀、
藤井が取ったのは先手の守りの銀だ 藤井有利か
福崎「藤井の作戦が図星の展開」

そして、痛打、飛車金両取りの△5八銀! ぐわあ 痛いいい
100手目、金のぶち込み、△7七金! 出たあ、ガジガジ流!!
詰めろ金取り、こ、これは厳しい 決め手だ・・・ 

と思われたが、実戦はここから延々、山崎は60手もがんばった 
福崎「藤井はまだ読みきってないでしょうね、 
 山崎、がんばってますよ~ 泣きそうになっていると思いますけどね」 
金銀の繰り替えが延々続き、もしかしたら、と思わせる雰囲気を作ったのはさすが山崎だ
それとも、「終盤のファンタジスタ」の藤井がこの妖しい雰囲気を作った?(^^;

長引いたが、藤井が寄せきり、結果、164手で藤井の勝ち
福崎「藤井が緩急自在で、ちょっとしたリードを守った 山崎も粘って力を見せた」

終盤の、延々続いた駒の繰り替え、「羽生を呼んで来い、もっとサッと寄せてるから!」と
誰もが心で思ったんじゃないだろうか(^^;
(ちなみに、自分も「激指定跡道場2」で検討モードを使って終盤を調べてみましたが、
 132手目の△8六歩のところでは△7七桂が明快だったようです
 でも、歩を使う攻めなので、△8六歩もいい手ですよね 逆転が生まれる余地がないですからね
 それくらいで、後は特に後手に疑問手は見つかりませんでした)

いやいや、期待にたがわぬ、面白い一戦だった 
△7七金と打ち込んで、事実上、勝ちを決定づけたところまで、藤井の指し回しは絶品!
まさに竜王3連覇の面目躍如、藤井システム全盛の頃を思わせる一局だった
「居飛車の4枚美濃に対しては、こう指せばいい」といういいお手本、定跡になりそうだ
藤井さすがの序中盤、これぞカネの取れるプロの芸!

山崎も、もっとボロ負けになるかと思いきや、5五の遊び銀を使い、最後は一手違いに持ち込み、
見せ場を作ったのはさすがと思う でも、もうちょっと作戦を考えたほうがいいのでは(^^;

感想戦がなかったのと、矢内の服装の全貌が見れなかったのが残念だった
藤井の序中盤力と山崎の終盤力、両者の持ち味が出て、すごく満足した一局だった