福崎「羽生さんは色んな可能性がある局面が好き、谷川さんは一直線で読む局面が好きですね」

局面、▲8六金で、久保の飛車にいよいよ詰めろがかかった
福崎「さて、ここで久保はどう指したでしょう! 想像を絶する手です」
お客「△9二玉?」
福崎「今、飛車が詰めろなんですよ~ 家に火事が迫っているのに、タイルの修繕をしてどうするの~(^^;」

福崎「久保の手は飛車を9筋にひとつ寄る、△9四飛! 見たことがない手ですね
この手は思い浮かびませんね 久保の恐ろしさを感じます」
この手はさすがに、誰も正解する人がいなかった 

解説の変化順で、王手角取り金取りという手が出て、
福崎「こうなったら『往生(おうじょう)しまっせ!』という話です」

お客「形勢はどうですか」
福崎「形勢、羽生が良さそうですが・・・」と解説はつづく が、やはりギャグ解説は止まらず、
「こうなったら久保の逆転勝ち」と、持ち駒をいっぺんに4枚盤上に貼り付ける福崎さん
もう止まらない

福崎「羽生は歩が一個しかないので、のちのち小銭がなくて、10円で済むところを千円払うハメになるかもしれません」
例えも実にうまいねえ

少し手が進んで、
福崎「▲6八玉? これは・・・ こういう逃げる手を指すようでは、先手良しとは思えませんね~
久保は△9六飛? これはひねり出しましたね なるほど!もしかしたら久保がいいかもしれません」

福崎「羽生はやわらかい手で受けましたよ ▲6六歩!これは豆腐で言うと、もめんかな、絹こしかな」
このギャグはあまり受けなかった(^^;

うんうん、しかし、ホント、この辺は一手指したほうがよく見える将棋だ
羽生が▲7八銀、と受けた手で、福崎「形勢は久保良し」 ここでもう一度休憩になった

15分ほどの休憩が明けると、
福崎「え~、▲7八銀で、久保の手がピタリと止まってます
控え室では、久保が攻めあぐねているとの評判です」
私「さっき、久保がいいと言ってましたよね?」
福崎「羽生がいいと思いますよ~」
お客、爆笑(^^;

ここからも、福崎さん、ギャグ解説の連発でした
福崎「2手指せるんだったら、こうやってこうやって、飛車を取れるから必勝なんだけどなあ」
もう何回目ですか、その、片方が一気に何手も指すっていうのは(^^;
思わずツッコんだ私
私「そんなんだったら、王手して、王を取ればいいんじゃ」
福崎「あ! そうですね~!」
福崎さん、律儀に、持ち駒の銀を王の頭にいきなり貼り付けて、王を取ってくれました
お客「(笑)」

もちろん、私以外のお客も、遠慮なく、いっぱい色々発言してました

局面、羽生の▲7八銀で止まってましたが、
福崎「ここで想像を絶する手が久保に出ました! △4一金! 根性の金引きですよ」
おおー、ここで自陣に手を戻すのか!
福崎「僕は実は、検討室で、この手を予想していたんだけどね
若手はみんな僕の意見には無表情でした」

福崎「久保はまた△5一玉~△6一金で、初手に戻そうとしてるんじゃないでしょうか!」
・・・大きな声で、そんな解説ですか(^^;

久保は、さらにすごい構想を見せる
なんと、自陣に銀を投入する△3二銀打ち!
福崎「たぶん、これは『冗談はよし子ちゃん』と言って打ったと思いますよ」
うおー、玉と反対側に左美濃の完成だ こんなのは見たことがない

福崎「久保はレゴシリーズでお城を作っている感じですね
これはどんどん序盤に戻ってますよ~ もうすぐ、羽生の馬も角に裏返りますよ~」

本当にすごい局面になってしまった、久保の根性炸裂で、また序盤からやり直しか?

福崎「羽生は3冠、久保は2冠、僕はポケットにミカンをもっていきました」
このギャグにはお客はあまり反応なし、たまに、受けないときもありますね
 
福崎「久保は金も打ち付けて、これは異次元の将棋ですね
久保は竜も自陣に引きつけて、自陣にディズニーランドを作ろうとしてるんじゃないでしょうか」

福崎「久保さんの持ち駒が、歩ばっかりですね 持ち駒をひとつ、と金にしておきましょうか」

まだまだこの調子で続きそうだったのだが・・・
羽生が果敢に攻めかかり、何手か進んだときだった
福崎「え? これは、もう終わったということですか? 突然終わったみたいですよ」

なんと、久保、一気に寄せられ、投了! 羽生の勝ちとなった 
羽生、まだまだ続くのかと思われた局面から、怒涛の寄せ!
これはさすがだった 普通の人なら、また序盤からやり直しか、と思う局面から、
あっという間に寄せてしまった

投了図以下の説明でも、まだギャグを飛ばす福崎さん
福崎「最後、頭角を打ったらダメですよ~ 頭金ですよ
久保のユニバーサルスタジオジャパンが完成する前に、羽生台風がきましたね」

久保の△3四銀の一手ばったりかと思いきや、△3四銀のかわりに、△6二金引きでも、▲6四角の王手から飛車を切って、久保陣は寄りということだった

福崎解説では、△9六飛がどうだったか、ということだった
だけど、それを指した瞬間は、「いい手」という解説だったんだどね(^^;
久保がどうこうより、羽生の、▲6八玉の早逃げ、そして最後の緩まない一気の寄せが勝因と思った
見所が多く、面白い一局だった 

福崎「今日は遅くまでありがとうございました」
お客「パチパチパチ」 笑いっぱなしだったお客から、盛大な拍手が起きた (終わり)