第18期 銀河戦
決勝トーナメント 準決勝 第1局
羽生善治名人 vs 丸山忠久九段
対局日:2010年8月5日
解説:石田和雄九段
聞き手:甲斐智美女王・女流王位
記録:井道千尋女流初段

いよいよ準決勝まで来た
22年度の成績は、羽生17勝3敗 丸山9勝4敗 2人の対戦成績は羽生の34-17

解説の石田「羽生は不惑の年に近づいて、すごく調子がいい
 名人戦、棋聖戦をストレート勝ち すごいですね
 丸山は調子はまずまず、いつもコンスタントに勝っている 独特の受けに特徴がある
 先手が羽生なので、羽生の攻めに対して、丸山の受けになるだろう」

先手羽生で、戦型はなんと後手丸山の四間飛車になった 丸山は穴熊の作戦だ
石田「丸山の振り飛車というのは多いんですかね~」
聞き手の甲斐「丸山は本格的な居飛車党というイメージがありますからね」

丸山の穴熊に対し、羽生が大きな岐路を迎える 相穴にするか、銀冠にするかだ
ここで、羽生は3分ほど考え、銀冠を選んだ これで戦型は▲銀冠vs△振り穴になった 

羽生が▲6五歩、と角道を開けて開戦し、丸山の△4四銀を攻めて、調子よく見えたのだが・・・
石田「羽生の攻めは自然 羽生に指されると、これが最善だなーと思わせる信用はすごい」

うんうん、自分もそう思ってみていたし、これ、丸山、困ってるんじゃないの?
中盤に大差がついて終わっちゃうんじゃないの? と思われたのだが! 

丸山、6八に歩を垂らし、と金を作り嫌味な反撃、そしてその後の攻防が圧巻だった
羽生「そちらの銀をタダ取りします」
丸山「どうぞ取ってください もし取ったら飛車を転回して大さばきしますから」
羽生「じゃあ取りません 銀取りは後回しにして、角取りに歩を打ったら、あなた困ってるでしょう」
丸山「いえいえ、この瞬間を狙ってましたよ 狙われてる銀を突っ込みます
 銀でも角でも好きなほうを取ってみてください 困ったのはどっちですか」

盤上でこんな会話があり、丸山の駒が見事にさばけてしまった! うーわ、丸山、会心の指し回しだ
石田「丸山がちょっと苦しそうなところから、うまく指しましたね~」
甲斐「取られそうな銀の、ものすごい活用ですね」

後は、丸山の的確な攻めと、手堅い受けの「丸山流勝ち方講座」を見ているような展開になってしまった
あー、自分は居飛車党なんで、羽生の側を応援していたのだが・・・

甲斐「丸山のほうは全く遊び駒がないですね」
石田「強い人はイヤなことばっかりしてくるな~ ん~も~、穴熊、堅いわ
 私は最近、年を取りまして、プロと指すのがイヤになりましたよ」
甲斐「石田先生、そんなこと言わないで下さいよ(^^;」 

結果、丸山の快勝! 
丸山が優勢になってからも見ごたえはあった
丸山の勝ち方はホント、手堅いな~(^^;
一局を通して、2人の指し手はさすがにレベルが高かった
  
石田「序盤は羽生ペースだったが、銀のタダ捨てが羽生の読みにない手だっただろう
 と金を作らせたのもどうだったか 丸山流将棋の真骨頂が出た」

あー、羽生をもってしても、銀冠では振り穴に勝てなかったか
やっぱり相穴じゃないと、振り穴に対して互角に戦えないのか?
いや、でも、この一局は、中盤で丸山の銀捨ての大技が決まったから仕方ないか
丸山のほうも、中盤でひとつ間違えれば、大差で負けていたであろう将棋だったからね

局後のインタビュー
丸山「難しい将棋だったが、結果が幸いした 決勝はベストをつくしてがんばりたい」