第18期 銀河戦
決勝トーナメント 準決勝 第2局
佐藤康光九段 vs 中村太地四段
対局日:2010年8月17日
解説:渡辺 明竜王
聞き手:藤田 綾女流初段
記録:渡辺弥生女流2級

太地の登場 康光を相手にどこまでやれるか
22年度の成績は、康光12勝4敗 太地10勝5敗 2人は初手合い

解説の渡辺「康光は、近年は作戦を練った独創的な変わった序盤をする
 太地は若手で早指しが強い、激しい攻め将棋 プロになった当初は振り飛車党だったが
 今は居飛車党、大きな舞台で気合が入ってるんじゃないか」

先手康光で、相矢倉調になった 太地が仕掛けた手が早すぎたようで、
康光に好位置に角を覗かれ、太地の飛車が端に追いやられ、窮屈になってしまった

序盤早々、太地が大苦戦に見えたのだが、すぐには戦いが起こらず、
ジリジリとした駒組み合戦になった
お互い長考派で、時間をふんだんに使うので、局面が進まず、はっきり言って、非常に眠かった(^^; 

番組開始から1時間ほどして、ようやく康光が攻撃開始
が、自分の目には、康光のこの攻めははっきり無理攻めに見える
渡辺「どういう攻めがあるかわからないですね・・・」

ところが! 実に巧妙な攻め手順で、康光の攻めがつながってしまった
本当に、歩が一歩も余らないギリギリの攻めだが、成立していたのだ
こんな攻めがつながるのか、と、見ていて感心しきりだ 
康光だから攻めが成立したのだろう、他の棋士ならこううまくいったかどうか

渡辺「もう太地が苦しいです」
しかし・・・? 苦戦だったはずの太地が開き直り、飛車を中央にもってきて、
ズドンと一段目に成ってみると、安泰だったはずの康光陣が、一気に危険に! 
渡辺「これ、けっこうわかりませんよ 逆転したかもしれない 飛車を成らせたのはまずかったかも」

その後は、渡辺ですらどうなっているかわからないようで、「なんだこれは、どうなってるんだ」を連発
うわー、太地、がんばってる ここまで、勝負手を連発していたからこその、怒涛の追い込みだ

一手違いの寄せ合いになり、詰むや詰まざるや、渡辺「詰むかどうかギリギリ」
康光も勝負手で玉を上段に逃げ出し、まさにハラハラドキドキだ

太地は持ち駒が大量にあり、長手数、王手で追いかけたが、秒読みでは詰ますことはできず
しかし太地はまた開き直り、「それなら、こっちの玉を詰ませてみろ」と手を渡した
うおー、これでこんどは太地の玉が詰むや詰まざるやだ

が、太地、がんばったが、最後は玉の逃げ方を誤り、トン死してしまった 
結果、117手で康光の勝ち うわー、これは大熱戦だった

観戦していて、序盤はものすごく眠い展開だったが、終盤は目が冴えまくった一局だった(^^;
終盤は実に面白かった やっぱり、王手の連続での詰むや詰まざるやは将棋の醍醐味だね

渡辺「終盤は両者すばらしかった 形勢が2転3転したと思う
 太地にとっては非常に惜しい一局、あと一歩というところだった」

うん、太地、本当に惜しかったね 負けたけど、実力は見せたね 準決勝にふさわしい一局だった 
中村太地という若手有望株が、また1人浮き上がってきた 
ホント、最近は若手に強いのがゴロゴロいるね

局後のインタビュー
康光「2転3転した将棋だった 私の玉に詰みがあったようなので、勝てたのはラッキーだった
 丸山さんとはひさしぶりに大舞台で戦うので、優勝目指してがんばりたい」