第18期 銀河戦
決勝トーナメント 決勝戦
佐藤康光九段 vs 丸山忠久九段
対局日: 2010年8月20日
解説:久保利明二冠
聞き手:矢内理絵子女流四段
記録:野田澤彩乃女流1級

いよいよ決勝戦 聞き手がなんと、矢内だ
髪の毛を後ろにドーンとボリュームたっぷりにまとめている 変わった髪形なっている
かわいい・・・ しかし、あまりに後ろに長くなっているので、後頭部が長く見え、
ドラゴンボールでいうところの、フリーザの変身の第2形態のようだ

20年度の成績は、丸山10勝5敗 康光13勝4敗 2人の対戦成績は康光の31-25
康光は和服での登場で、気合いが感じられる
解説の久保「序盤から研究手が出るんじゃないか、最初から目が離せない」

先手丸山で、後手康光の一手損角換わり 
▲早繰り銀vs△腰掛け銀になり、なんと先日のNHK杯の▲村山vs△糸谷と全く同じ展開になった
37手目の▲5五銀と打った局面が、全くの同一局面だ
糸谷はここで△6五歩としたが、ここで康光が局後に「前から考えていた」という手が出る

露骨に3七の地点を狙う、△1五角! 次に△3七銀の一点狙いだ
矢内「決断の一手ですね」
丸山は長考に沈んだ 局後、丸山「この一手は頭にはなかった」とのこと
丸山の応手は、催促の▲1六歩! 
久保「最強の応手ですね」 これで一気に終盤になった

久保「飛車を取った康光が有利に見えるが、考慮時間が残り1回になりましたね」
康光、と金と飛車だけの攻めでは、先手陣に対し特別に厳しい手がなく、
案外寄せがないのか、と思われた
久保もいったんは「先手陣が堅くなりましたね」と言っていたのだが?

逆に、後手陣に丸山がどう迫るか、となると、これがいい攻めが見当たらない
冒頭で久保が「一手損角換わりは後手はバランスが大事で、居玉が堅いことがある」
と言っていたとおりだ

そして、康光にじっと、と金を寄られて圧力をかけられてみると、
これが着実な手で、先手にうまい受けが見当たらない・・・
久保「▲3六角は先手玉に寄せが寄せがありますから、ダメです」と解説していたのだが、
久保「あれ、でも丸山は▲3六角と打っちゃってますね これは決まってる感じがありますね」
丸山、康光に一気に猛襲を食らった こ、これは厳しい・・・

画面に「困ったな~」と頭を掻く姿が映し出された
で、最後は△9五角が決め手で、丸山投了! 78手で康光の勝ち、康光優勝となった
△1五角の研究手、最後は△9五角で勝ったという、
康光にとっては左右のダブルの端角打ちが炸裂した、気持ちいい勝ち方だっただと思う

結局、康光の居玉は全く安泰で、矢内の「居玉ってこんなに堅いものなんですね」
の一言が印象的だった
久保「丸山に攻める番が回ってこなかった、△1五角が決まった、終盤も一気の寄せだった」

たしかに、一気の寄せが決まったが、その前に康光は、冷静に竜を逃げておく、自陣の桂を活用する、
といった手を指しているのだ この辺の間合いの計り方はさすがだった
康光の攻めの棋風と終盤力の強さがよく現れた、快勝譜だった

感想戦が15分間あったが、丸山にはっきりした敗着は見つからずだった
ただ、康光「△1五角は、狙いが単純すぎるのでもう1回はやる気はしないですね(笑)」とのこと

優勝のコメント 康光「本局は勝ててほっとしている、厳しい対局が続いた、
 とくに準決勝の中村太地戦は、自玉に詰みがあったので、非常に運があった
 決勝はうまく踏ん張れた 全体的にはよく指せた これからも銀河戦をよろしくお願いします」 

康光、A級から落ちたが、剛腕は全く衰えていない印象を受けた
特に、決勝トーナメント1回戦のクッシー戦は圧巻だったと思う

丸山はこの決勝戦で負けはしたが、準決勝での振り穴で羽生を倒した一局は素晴らしかった
この一局は、銀河クラブでの遠山いわく、「振り穴の神が舞い降りたかと思わせたさばき」
(余談になるが、銀河クラブでの遠山の解説はとてもわかりやすく、準決勝の2局が
どちらも相当な好局だったことを実に的確に教えてくれた 拍手ものの解説っぷりだった)

今期全体の銀河戦の印象は、やや大味な対局が多かった気がする
しかし、バラエティに富む対局者が出てくるのが銀河戦の醍醐味なので、
全体を振り返る意味はあまり無い気がするのも事実 
毎回聞き手も違うし、一局一局、違った気分で楽しめるのがいいところだと思う 
来期もまたこのブログで感想を書いていきたいですね