近藤正和六段vs勝又清和六段   NHK杯  2回戦
解説 飯塚祐紀(ひろき)

矢内、今週は髪の毛をすっきりと後ろにまとめている 編み込みをしてポニーテールか
ここのところ、髪型に凝っているね

解説の飯塚「近藤はゴキゲン中飛車の使い手、ゴキゲンは現代の主流戦法の一つ
 勝又は居飛車党で攻め6分で受け4分、中盤、金銀を盛り上げていく 
 お互いに穴熊を使わない棋士 
 対戦成績も3-3、2人ともC級1組、竜王戦も4組でライバル」

そういえば、名前も「まさかず」と「きよかず」で似ているね

事前のインタビュー
近藤「1回戦は及川との対戦だったが、私の好きな展開で、最後は逃げ切れた
 勝又とは奨励会が同期で何度も対戦経験がある 今日もゴキゲン中飛車で行く
 乱戦に持ち込んで逃げ切りたい NHK杯は2回戦止まりなので初の3回戦進出をしたい」

勝又「1回戦の西尾戦はミスの多い将棋で、勝てたのは幸運だった
 近藤とは奨励会が同期で、手の内を知り尽くしている 彼の中飛車に真っ向から立ち向かいたい」

勝又は、まだねんざが治らないとのことで、座布団を2枚重ねている
これ、何枚まで重ねていいんだろうか? 笑点みたいに10枚くらい重ねたら、さすがに怒られるだろう

先手近藤で、やはりゴキゲン中飛車 勝又は船囲いの急戦調で対抗
飯塚「近藤はゴキゲンの創始者、今や中飛車を見ない日はない、
 逆に矢倉を見ない日はたくさんある(笑)
 勝又はデータマンだが、データ将棋はあまり好きではない」

近藤が5筋の歩を交換した手の解説で、
飯塚「5筋の歩は、位ではなく、飛車先の歩と考えればいい 『歩交換3つの得あり』ですからね
 1歩を手持ちにできる、飛車が直通する、あともうひとつのメリットは・・・よくわからない(笑)」
・・・それは、『歩の居た位置に、銀が出ることができる』ですね、飯塚先生(^^;

近藤に関しての雑談になった
飯塚「近藤は旅が好きでね~、『振り飛車の飛車と同じでウロウロするのが好き』だそう
 近藤が外国人に将棋を教えるときは、『センタールーク(中飛車)で7割勝てる』と言っている
 中飛車は、近藤に言わせると『経験の魔球』、毎回違った局面をその場で対応していく戦法、
 野球のナックルボールと同じで、『投げたら、後はボールに聞いてくれ』という戦法」
・・・矢内は、ナックルボールの例えをわかっただろうか?(^^;

さて、局面は、勝又が飛車先を突かずという工夫をしている
対して、近藤は元気よく▲4五銀と玉頭銀に出て、△3三銀と受けさせることに成功した
これ、居飛車側から見ると、2二の角が使いにくく、形が悪いんだよな~、
勝又、大丈夫か、と思って見ていた

近藤が▲7二歩、と垂らした時点で、勝又の考慮時間が残り1回! 時間、使いすぎじゃないのか、
勝又、大丈夫か、と思って見ていた 
自分は居飛車党なので、序盤はどうしても勝又の側に肩入れして見てしまうのだった(^^;

ちょっと千日手模様になりかけたが、双方にそんな気はなかったとのことで、すぐ打開された
勝又、銀のドリブルで、先手の角頭に成銀を作ることに成功!
飯塚「▲7二歩の垂れ歩に、勝又がうまく切り返した」
あ、あれ? これ、先手、困ってるんじゃないの? 角取りが厳しすぎるのでは・・・
近藤は考慮時間をまだ8回も残しているけど、もうオワ(終わってる)じゃないのか?

近藤、角を取られたが、▲5四歩~▲5三銀の叩き込みでなんとか勝負!
これでまだ実戦的に難しいか、と思われたところに、勝又の好手が出た
2二の角をひとつ引く、△3一角! うわ、これは遊び角を活用して、玉の逃げ道も広げる、
一石二鳥の絶好の一手!! あー、これは参考になるわ
飯塚も思わず「あ~、なるほど!」
この一手で、プロ同士のレベルでは、勝負はあったね

近藤もその後も飛車を自陣に引くなどしてがんばったが、勝又は的確な攻めで迫る
歩を使った攻めが、特に見事だった △5七歩の飛車先に叩きの歩、△7七歩の焦点の歩、
△5八歩と飛車の横利きを遮断する歩、まさに手筋の歩の見本市だった
矢内「先ほどから勝又の歩がビシビシと急所に来ますね」

勝又は優勢になってからは、ノーミスだったんじゃないだろうか
美濃囲いを崩壊させ、最後は一気に即詰みに討ち取った 終盤は独壇場だったね
結果、92手で、勝又の快勝に終わった

飯塚「美濃囲いは玉が浮いていて、水の中に浮かんでいる豆腐みたいなもの
 1回王手をかけると、グシャッと潰れて、いい手になることが多い」
矢内「面白い例えですね フフフ」 ここの解説はよかったね

飯塚「近藤がリードしようと▲7二歩で揺さぶったが、勝又の切り返しが鮮やかだった」
終局後、いつもはゴキゲンな近ちゃんが、めずらしく落ち込んでいた
まあ、完敗だったからしかたないか
感想戦では、近藤「千日手しかなかったのかな~、でもわかってても先手で千日手にしたらダメだよね」

実は、今回の対局は、メンツ的にあんまり期待していなかった(^^;
でも、予想に反して面白かった 勝又の飛車先突かずの作戦、歩の手筋、そして△3一角、
自分にとって直接的に参考になる手筋が多かった 満足した一局だった