第19期 銀河戦
本戦Fブロック 1回戦
菅井竜也四段 vs 清水市代女流王将
対局日: 2010年9月15日
解説:豊島将之五段
聞き手:上田初美女流二段
記録:井道千尋女流初段

あから2010と対戦した清水登場 対するは大型新人の呼び声が高い18才の菅井
22年度の成績は、菅井11勝4敗 清水9勝5敗 2人は初手合い

解説の豊島「菅井とはよく将棋を指したりしゃべったりします 
 振り飛車党で、久保二冠に近い棋風、軽いさばきが持ち味
 清水は対局姿勢がすばらしいと思います 本格的な居飛車党
 菅井の攻め将棋に対して、清水はバランス型」

雑談で、豊島「菅井はすごくまじめで、岡山から来ているが、研究会が10時からだとすると、
 8時半頃にはもう来て待っている 久保二冠に認められていて久保と研究会をよくやっている」
上田「以前、ネット将棋を指していて、1日25局をノルマにしていたと聞いた」
豊島「それはすごいですね 1局30分として、12時間かかりますね」

さて、先手菅井で、▲角道を開けた中飛車+穴熊vs△居飛車+銀冠模様に進んだ
豊島「菅井の穴熊はめずらしい」
上田「清水は相手が穴熊だと、いつも銀冠にします」
ええー、菅井、女流相手に穴熊かあ 本気だなあ、と思って見ていた

銀冠模様だが、清水がまだ囲わないうちに戦いが始まった
清水が飛車先の歩を交換して、菅井が▲8八飛と回って受けるという、盤上左側は典型的な形(下図)↓

後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・v金 ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・v金 ・v玉v銀 ・|二
|v歩 ・v歩v歩 ・v歩 ・v歩v歩|三
| ・ 歩 ・v角v歩v銀v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・v歩 歩 角 歩 銀 歩 ・ ・|六
| 歩 ・ ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 歩|七
| ・ 飛 ・ ・ ・ ・ ・ 銀 香|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ 金 桂 玉|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし

まだまだここから一局だな~、と思っていたら、なんとここで菅井、
6九の金を▲7八金と上がったではないか!
で、ここから▲7七金~▲8六金といく構想! どえー、こんなのがあるのか?
解説の豊島もびっくりだ 清水も感想戦で「驚いた」とのこと

こんなのがうまくいくのか? と思っていたが、豊島は「清水が困ったかも」と言っている・・・
上田「清水から何も手がないのを見越しているんですね」
考慮時間も、▲10回vs△3回に差が開いてしまった わーお、これはボロボロか

のんびり8筋を破られ、清水苦戦だが、先手の飛車先に歩を叩く勝負手を繰り出すなどして、
なんとか粘っている・・・
だが負けは負け、清水が「さあ詰ましてくれ」とやったところで、
菅井の着手はなんと▲2八銀打! ▲3七銀打! さらに▲3九金の打ちつけ! もう鉄壁!!
ぐえ~、これは反則やで~ 女流相手に、そこまでするか(^^;

(豊島の指摘の83手目、▲3七銀打ではなく▲5四桂がおススメだとのことなんですが、
 ソフトを使って調べたら、たしかに▲5四桂は詰めろなんですが、
 直後の△4八馬が詰めろ逃れの詰めろなので、
 後手玉を即詰みに討ち取るキレイな勝ち方はなかったようです
 実戦の菅井の指し方が正解だったんですね)

上田「心が折れますね 最初より穴熊が固くなってますもんね」
ぶへー、これだから穴熊はイヤだ(^^;
で、結果は菅井の完勝! 投了図、菅井の穴熊はガッチガチ(笑)

豊島「菅井の▲7八金から棒金で攻めた構想が柔軟ですばらしかった、その後は手堅くまとめた」
んー、清水、また男子プロ相手に負けたか ところどころに力は見せたんだけどね
相手が強いのか、清水があんまり強くないのか、どっちだろう たぶん両方なんだろうね

感想戦で清水「▲7八金があんなに速い攻めとは思わなかった」
その後の検討でも、▲7八金からの棒金をとがめる手は発見されなかった
次の一手みたいな構想だったね あとは自然に負けたか・・・ ドッタンコ

コンピュータの、あから2010に言いたい! 清水に勝ったからって、いい気にならないように!
男子プロは清水より数段強いぞ! そういう意味では、菅井が完勝してよかったとも言える一局だった