第19期 銀河戦
本戦Bブロック 3回戦
佐藤和俊五段 vs 野田敬三六段
対局日:2010年9月29日
解説:高田尚平六段
聞き手:山口恵梨子女流初段
記録:野田澤彩乃女流1級

木曜に放送された銀河戦
22年度の成績は、野田6勝5敗 和俊5勝6敗 2人は初手合い
野田は本戦で2連勝中、和俊は予選でタナトラに勝って本戦進出

解説の高田「野田は基本的に居飛車党、形にとらわれず自分で将棋をつくっていく
  和俊は振り飛車党、ゴキゲン、石田流、相振りを指す」

高田さん、品のある顔つきや穏やかな声で、皇室関係の人のように見える

雑談で、高田「野田は山歩きが好きで、神吉がつけたあだ名が『ジャングル野田』
 関西奨励会の幹事を長年やっていた
 和俊は外見はクールに見えるが、将棋に対しては熱いものをもっている
 プロ棋士の全公式戦の棋譜を、女流も含め、目を通している」

先手野田で、後手和俊のゴキゲン、▲居飛車+船囲いvs△5筋位取り+美濃という戦型
野田の▲7七銀~▲6六銀の進出で、後手は5五の歩が受からないではないか?
聞き手の山口「どうするんでしょうか?」
高田「どうするんだったかな~(^^;」

興味深く見ていると、和俊は5五の歩を取らせている間に、左銀をどんどん進出させる作戦に出た
なるほどね~ 高田「和俊らしい、動きのある将棋」

野田は右の銀も中央に上がり、2枚銀で押さえ込みを狙った
先手陣は玉が薄い こういう薄い玉形は、見ていてハラハラして楽しい
高田「野田が押さえ込むか、和俊がさばくか」

野田が▲3五歩と後手の角頭を攻めた手に対し、和俊は角を見捨てて攻め込んだ!
は、激しい将棋だ 面白い
高田「どうなんでしょうか これで後手の攻めがつながっているんでしょうか」
後手の攻めはちょっと細いように思うが、先手が実戦で正確に受けきるのは大変だと思ってみていた

ここから、野田の指しまわしがすばらしかった
△6六歩のタタキに、強く▲同玉! 玉がモロに露出だ 
高田「うわ~ ▲同玉ですかあ 道なき道を行くジャングル野田が出ましたね」

さらに、▲7八玉と狭いほうに逃げる、実に指しにくい手! 8八には角がいて、壁なのだ
高田「うわ~ 狭いほうに! 大胆ですね~」

さらにさらに、野田の受けの妙技が止まらない
▲7六銀、という、盤上この一手、と思える手厚い銀打ち、これには本当に感心した
この一手は、指されてみるとピカピカに光っている の、野田、強い!

山口「野田は一貫して最強の受けを指していますね」
高田「和俊、困ったんじゃないかな~ 野田の最強かつ、非常に冷静な受けが続いてます」 

その後も、まったくブレなかった野田、安定した指しまわしを続け、
最後は攻め合いでキッチリ寄せきった 野田、会心の勝利! つ、つえーーー!

高田「和俊が軽快に動いたが、野田の大胆な受けがすばらしかった
 終始、野田の強い受けが目立って、野田の真骨頂が出た快勝譜だった」

この一局、野田の快勝譜を通り越して、会心譜だったと思う マジで、とても強い勝ち方だった
受けの妙技を存分に魅せたね
実は、自分はこの一局、見る前は全然期待していなかったのだ(^^;
それが、こんなハイレベルな野田の指しまわしが見れるとは・・・ 伏兵野田、あなどれない!

終局直後、野田も満足だったのだろう、すごくうれしそうな顔だった
事前に期待していなかった分、見ていたこちらとしても、とても得した気分だ
いや~、野田、ホントに強かったよ 
「最強の受け」を連発して勝つ、という将棋はなかなか見れるもんじゃないからね 実に面白かった!