新春フレッシュ対局
広瀬章人王位 vs 里見香奈女流三冠
対局日: 2010年12月1日
解説:戸辺 誠六段
聞き手:中村桃子女流1級
記録:齋木 豊二段

囲碁将棋チャンネルで、1月1日に放送された特別番組
昨年活躍した広瀬、そして里見の対局

里見がきれいな桃色の振袖で登場
司会の戸辺「素敵ですね テンションが上がってきました」
広瀬も鮮やかな紫の和服で登場
広瀬「和服はタイトル戦で着慣れた、着ていて気持ちがいい」
戸辺「どこかのお殿様が来たのか思った」
里見と広瀬、両者和服がとても似合っている 広瀬はホントに戸辺の言うとおり、若殿様みたいだ

対局前のインタビュー
里見「広瀬王位と対局する機会はなかなかないので、全力でぶつかりたい」
広瀬「里見さんはまだまだ伸びる可能性があるので、今のうちに勝っておこうかなと」

振り駒なしで先手は里見、持ち時間は里見25分 広瀬5分 切れたら30秒
ただし、1分単位で10回の考慮時間がある、というもの

▲里見の中飛車に、△広瀬は居飛車、対抗形になった
序盤から、広瀬が新構想を見せた △6四銀と速攻をみせ、里見に▲6六銀と受けさせてから、
なんと船囲いを穴熊に組み替えたではないか! △4二銀としたのに、△3一銀~△2二銀だ
かなりの手損だが、こんな指し方があるのか・・・ その間に里見は銀冠を築いた

広瀬が△9五角と飛び出し、一気に飛車、角、総交換になった
もう終盤だ この将棋、中盤がなかったね(^^;
戸辺「形勢は難しい」
飛車を打ち合ったが、先手側、どう指すのがいいのか、戸辺にもわからない
ここで、里見の強さが発揮された ▲3九金引~▲3八金寄!として、囲いの組み直し!
こ、これは気がつかない発想だ 強い!
戸辺「指しなれていますね この終盤で2手も手待ちできるのは、並みの使い手ではない」

広瀬が攻め、寄せ切るか、里見が受け切るか、という攻防が延々続くことになった
里見、全然疑問手を指さない マジで強い!
戸辺「これは広瀬、間違いなくあせってますよ」

まさか、広瀬に勝てるのか? そんな空気さえ流れ出した
里見は、と金で広瀬の穴熊の金を一枚はがし、駒得だ
戸辺「これはやったかもしれません」
おおー 広瀬の攻めが切れ模様、マジでやったか!?

が、ここで広瀬に絶妙手が出た 先手の銀の利きの位置に飛車を打ちこむ、渾身の勝負手!
こ、こんな手は絶対に見えない 戸辺もびっくりだ
戸辺「どうなっているんでしょう」
形勢がまた不明に・・・ 里見も強いが、広瀬もこれは本気だ 面白い!

そして、どちらも緩まず、互いに金を打ち替える、千日手模様になった
同一手順が何度か繰り返され、もう戸辺は「これは千日手」と解説していたときだった、
広瀬が打開! 里見、30秒では対応できず、寄せられてしまった、130手で広瀬の勝ち
戸辺「お互いに力を出し切った、大熱戦だった」

うんうん、これは両者の力が存分に出た、名勝負だった あ~、面白かった
里見、強いわ すごいわ 女流で三冠になるのもうなずける
NHK杯の小林裕士戦では、あまりいいところなく負けたが、
本局ではその強さをいかんなく見せてくれた 広瀬の底力を引き出していた

広瀬としては、危ない一局だった だけど、飛車打ちの絶妙手、あれはタイトルホルダーの一手だね
魅せたね さすがだった

局後、里見「勝負形になってうれしかった」
広瀬「こちらが悪い局面もあったと思う 疲れました」

対局後、2人にインタビューがあった
今年の抱負は?との問いに、里見「もっと強くなりたい」 広瀬「防衛したい」
サイン色紙の揮毫(きごう)は、里見は「清明」 広瀬は「鋭敏」と書いていた

里見「清らかに明るく、ということをいつも心がけている」
広瀬「鋭く寄せるのが私の理想の将棋」

すごかったのは、里見の字だ めっちゃうまい!! こ、これは一級品だ すげえー
広瀬もけっこううまかった

非公式戦だったのが惜しいね 里見の強さを存分に見れて、とても良かった
おせじではなく、女でここまで将棋が強くなることが可能なのか、と思わされた
それくらいの一局だったと思う