第19期 銀河戦
本戦Eブロック 4回戦
佐藤紳哉六段 vs 阿部健治郎四段
対局日: 2010年10月29日
解説:西尾 明五段
聞き手:貞升 南女流1級
記録:伊藤明日香女流初段

1月8日の土曜に放送された銀河戦
注目の若手、新人王アベケン登場 対するはこちらもブログや週刊将棋の記事で注目の、佐藤シンヤだ

アベケンは本戦3連勝中、シンヤは予選で及川を破って本戦進出
22年度の成績は、アベケン23勝5敗 シンヤ10勝7敗 2人は初手合い

解説の西尾「2人とも本格的な居飛車党 アベケンは勝ちまくっている、
 4連勝になれば決勝トーナメントにほぼ出れるので、大きな一番」

怒涛の勢いのアベケンと、ブログで面白い記事を書いているシンヤが
どんな将棋を見せてれるのか、ワクワクだ

先手アベケンで、5手目に角道を止める趣向を見せた
西尾「アベケンが矢倉に誘導しましたね 両者、矢倉を苦にしないです」

聞き手の貞升「シンヤの印象は?」
西尾「普段はおちゃらけたキャラクターですが、対局になると豹変します 
 対局姿はカッコイイですよね ・・・と言え、と、本人から言われました(笑)」
これには笑った でも、真剣に考えているシンヤの姿、本当になかなかいい

貞升「アベケンは落ち着いていますね」
西尾「アベケンは風格が漂(ただよ)ってますね」
そうだね 扇子を開いた姿が自然で、もうベテランの雰囲気があるほどだ

序盤、アベケンが、普通の矢倉ではなく、左美濃のまま攻撃態勢を取ろうとした
対して、シンヤも気合いよく、△3四銀!と立つ趣向
そして、大長考に沈んだシンヤ
西尾「シンヤは比較的、長考派なんです 顔が苦悶の表情を浮かべてますね」
シンヤの顔、般若(はんにゃ)みたいだ 見ていて面白い(^^;

シンヤは、5回も考慮時間を使って考えている
局後、シンヤ「何か戦いを起こしたかった」
が、結局、普通の手を指した 局面が落ち着いたかに見えた

ここで、アベケンも長考に沈んだ 長考合戦だ
なんと、アベケンの次の一手は、銀をぶつける▲2五銀!! これにはたまげた
先手はまだ居玉なのだ なのに戦いを起こすのか! これが若さの勢いか・・・
西尾「ああ~! 行きましたね~ 若いって感じがします」  
貞升「先手は居玉ですからね」
西尾「これは、お互い積極的ですね~」

▲居玉vs△4一玉型での、力戦だ これは面白い!
西尾「ヘタをすると、先手はボロボロになってしまう可能性がある」
西尾の解説、聞いていてとてもわかりやすい
疑問に思った変化を、全部やってくれるね
西尾「変化が複雑で、僕もテンションが上がってきました」  

戦いの最中、アベケンが自玉をひとつ逃げた手が好手、そして銀を打ち込み、アベケン優勢か?
西尾「アベケンの攻めが続きそう 先手を持ちたい」
が、シンヤにも好手の受けが出た 銀を合わせて受ける、△5二銀!
西尾「△5二銀、いい手ですね これは大変か」
局後、アベケン「△5二銀は全然見えなかった」

ところが、またアベケンに見えにくい好手、▲1六角の端角打ち!
こ、これは才能を示した一手! すごい
しかし、すごいのはアベケンだけではなかった シンヤはこの角打ちを読んでいた、というではないか
秒を読まれながらも正確に対応し、まだまだ難しそうだ 見ていて実に面白い!

その数手後、シンヤの手番で、西尾が「ここで攻め合いに歩を成るのは危険」と
解説していたときだった なんとシンヤは歩成の強行! おおっ!! これでいいのか??

が、結果的にはこれが敗着となった アベケンにドッカーン!!と飛車を切られ、
後手玉はたちまち寄ってしまった 81手でアベケンの勝ち
西尾「最後の飛車切りはさすが、たとえ見えてもなかなか指せるものではない 鋭い寄せだった
 足を止めて打ち合って、面白い将棋だった」

うん、この将棋、見ごたえ充分だった 期待どおりの熱戦だった
お互いにとても積極的だった 気合いと気合いがぶつかった、という印象だ
こういうのは見ていて気持ちいい 良かった!

局後の感想戦も充実していて、シンヤにもチャンスが充分あったとのこと
アベケンは、これで4連勝だ この将棋はホント、勢いを感じさせるものだった
居玉で戦いを起こすんだもんね  アベケン、間違いなく、将来のA級候補と思う