佐藤康光九段vs久保利明二冠  NHK杯 3回戦
解説 中村修

おおっ、矢内、今週もきれい! 白の服が似合ってるね
毎週矢内をきれいと言っている気がするが、毎週そう思うんだから仕方がない

中村修(以下、修)「楽しみですね 3回戦で当たるのがもったいない好カード
 康光も40才を迎え、連盟の代表としての仕事なども増えてきているが、
 その中で将棋もがんばっている 相変わらず独創的で魅力的な将棋
 久保は昨年タイトルを2つ取って、関西の顔になった 伸び伸び指していて、独創的で面白い将棋」

事前のインタビュー
康光「久保はさばきのアーティストの異名を持っていて、芸術的なさばきも目立つが、
 中終盤の切れ味、手厚さが充実している
 (自身の)2回戦の将棋がいまいちな内容だったので、今回はいい将棋を見せたい」

久保「康光とは局数を多く指しているので、お互いに手の内をわかった中での戦いになる
 最終的には自分の力を出し切りたい 激しい戦いになると思う
 全体的に『振り飛車の流れ』といういうのを見ていただきたい」

先手康光で、▲4六銀急戦vs△ゴキゲンになった 久保が早くも△5六歩と突き、戦いに突入
修「さばきのスイッチが入った」との解説
対して、康光も▲3五歩の強手! 久保、ノータイムで△同歩!
久保の研究範囲であることは明白だ 早くも久保ペースなのか?

ここで、2人の対戦成績が出た 康光21勝、久保21勝で、全くの互角か
お互いに5段目に馬を作りあう、という展開だ
修「康光は最強の手を指すイメージ これは力将棋ですね 両者の才能がモロに出る将棋です」 
うんうん、この後どうなるのか、ワクワクだ

修「どう指すか、見当がつかないですね 次の一手、康光の才能が出ますよ
 日本中の人が見てますからね」
矢内「中村九段でしたら?」
修「▲4四歩は筋が悪いんだろうなー」
と言っていたら、康光の手は▲4四歩! 修、大当たり!
修「うれしいなー(笑)」

修先生の解説、わかりやすいわ さすが、B1に復帰しただけのことはあるね
康光が金を盛り上げ、修「さあ~ 押さえ込みに行きましたよ」 
対して、久保は香を上がって、穴熊か! 修「久保らしいですね」
修「康光が押さえ込むか、久保がそれをかわして技を決めるか」

考慮時間に差がつき、残り▲4回vs△10回になってしまった
先手のほうに選択肢が多く、苦労しそうな将棋だ・・・
ここで、康光の手は▲8四歩! 修「うわ うお いや~ え」 
いきなり開戦かと思われたが、結局これは歩の交換だった
康光の狙いは、地下鉄飛車にして、8筋から攻めるという構想だ さあ、これがうまくいくのか?

久保は穴熊を完成させ、さらに馬付きだ
修「これで4二の金も寄せてくると、NHK連続テレビ小説・・・ 知ってます?」
矢内「あ 知ってます 『てっぱん』」 修「っていう形になりますね」
てっぱん、ウチの母も見てる(^^; その影響で、家でのお好み焼きの回数が増えた

先手の大模様vs後手の穴熊、という図式だ 長い序盤だ
矢内「戦いが起きるまで、大変な長い将棋になってますね」
どこから戦いが起こるんだ、先に仕掛けたほうが不利になりそう、
これ、もし自分が先手を持っていたら、千日手もやむを得ずか、と思っていた

しかし、康光が動いた ▲8五銀! 強手だ
修「そこから行きますか~」 
ここで、久保に実に不可解な手が出てしまう △5二金と寄ったのだ
え? 2筋が空いてしまうが、これでいいのか? 久保二冠の指した手だから、大丈夫なんだろう、と
思っていたら、康光にあっけなく2筋から竜を作られてしまった これが久保の読み筋・・・?
こんなの、自分ですら1秒で読める順だが、形勢は??
修「先手がいいです 竜が大きいです」
え~ まさか、2筋がノーマークになるのをうっかり?? 久保をして、こんなミス??
あ、ありえない・・・ ウソでしょ??

その後は、康光の厳しい攻めを見るばかりとなった 久保、サンドバッグ状態!
修「やっぱり康光らしい指し方、最短で勝ちにいっている」
修「どうも、攻めが急所に入ってきた気がしますね」
修「久保さんの華麗なさばきが見れない展開になっちゃいましたね」
修「(画面に映る)久保さん、元気がないですね」
矢内「康光の見事な攻めの組み立てですね」

結果、久保の穴熊がボッコボコに潰され、157手で康光の勝ち
竜を作ってからは、康光の独り舞台だった 久保、さばきのカケラもなし!

修「(中盤の陣形の構想を)お互いにどう組み立てるかだったが、▲8五銀というのがいい手だったか
 △5二金と寄ったのがどうだったか・・・ うっかりではないと思うんですけどね
 康光の強いところ、大局観の良さが出た」

この一局、期待が高かったために、残念極まる内容になってしまった
久保、全く精彩を欠いた内容・・・orz  △5二金はやっぱりうっかりなのだろうか  
事前に、久保がインタビューで言っていた、「全体的に『振り飛車の流れ』を見ていただきたい」と
いう言葉が、虚しく思い出された・・・
本局はもう早く忘れるしかないね(^^; 残念な一局だった
まあ、康光の強いところは見れたね  
久保も人間、たまにはこういう一局もあるということか 合掌