第19期 銀河戦
本戦Aブロック 6回戦
脇 謙二八段 vs 大平武洋五段
対局日: 2010年12月15日
解説:佐藤義則八段
聞き手:藤田 綾女流初段
記録:井道千尋女流初段

土曜に放送された銀河戦  聞き手の藤田綾ちゃん、薄紫の服でかわいいね

脇は予選で淡路に勝ち本戦進出、大平は本戦で小倉と村山を破り2連勝中
22年度の成績は、脇8勝8敗 大平10勝10敗 2人は初手合い

解説の義則「脇は攻め将棋、大平は体格も大きいが将棋のスケールも大きい 両者居飛車の本格派」

雑談で、義則「脇は今でも奨励会の幹事をやっていて、人望が厚い
 大平はゴルフ、野球をやっていて、連盟囲碁部の幹事」

先手脇で、相矢倉になった そして、脇システムへと進んだではないか 
脇は、ビシッ!と▲4六角を指した おお、本家の脇システムが見れるのか これは楽しみだ
局後、大平「脇システムで試してみたい手があったんで、本家を相手にやってみようと思った」
大平、いいねえ そうこなくっちゃね 
義則「出ましたね 脇システム」 藤田「先後同型ですね」

2人とも手が指し手が早い どんどん指していく
藤田「解説するヒマもなく進みますね(笑)」
義則「いや、すごいスピードで進みますね(笑)」
脇にしてみれば、「この形はオレの土俵」ということだろう
大平は「研究してきました」ということだ 面白い

脇の攻め、大平の受けという展開で進んだ 戦いが進むにつれ、大平がだんだん考え始めた
局面、大平がどうやって受けるのか、難しい 2筋突破がわかっていても受けづらい・・・
後手は持ち駒がたくさんあるだけに、逆にどう指すのか、選択肢がありすぎて迷うぞ
義則「後手は守っている駒が減っちゃっているんで、一つ守っても完璧っていうわけにはいかないし、
 攻め合いもない 後手は少し困ってますね」

が、大平、考慮時間を9回まで使い、△4九角という手をひねり出した おー、ここに打つものか
義則「攻めなのか受けなのか、わかりにく手ですね」と言っていたのだが、
見れば見るほど、この角がいい手に思えてきた
義則「時間を使っただけあっていい手ですね なかなかの手」 大平、さすがだ!
大平は、前局の村山戦で、村山の研究手を上回る手を実戦で指し、勝っているんだよね
今回もまず一つ、力を見せた

しかし脇も、ひるまずに2筋から強引に攻めて行った 両者の読みと読みのぶつかり合いだ
面白い どっちが読み勝っているんだ?
義則「双方、まだまだ簡単ではない」
大平、今度は△6九角という手をまたひねり出した さっきの△4九角といい、この△6九角といい、
相矢倉ではこういう手が出てくるね 私の感覚では全然思いつかない手だ

大平、角を成り帰って、上部脱出の入玉狙いだ
藤田「一気に上部が手厚くなりましたね」 これはもう、相入玉もある展開か?
だが脇はどんどん攻めて行った こんなに攻めて大丈夫か? 後手玉は、金銀5枚に馬付きだぞ(^^;
義則「脇が攻めてますけど、後手玉は入玉の可能性がある これは相当長くなりそうです」

ここから、寄せ切ろうとする脇vs入玉しようとする大平の、見ごたえある攻防が続くことになった
大平、自分の香の利き筋に香を打つ、△4八香打!
うおー! これは4筋に歩が二歩になるので打てないから、歩の代わりに香で代用した手だ
義則「は!(笑) すごい手が出ましたね 初めて見ました」
藤田「2段重ねの香ですね(笑)」
「下段の香に力あり」という格言の真逆を行く手だね すごい!

△4八香打で、先手の飛車の横利きが消え、もう脇の攻めもここまでかと思われた
ところが、脇はまだ寄せをあきらめない そして魅せた 
▲4九桂と取られるところに打ち、無理やり手がかりを作った
極めつけに、逃げ道封鎖の銀のタダ捨て▲3八銀!!!
3八は後手の金と馬が利いているところなのだ こ、こんなところに!!
うおおおお、これを取ったら後手玉はトン死か! これはもしかして寄ったか??
が、もう30秒将棋なのに、大平は何事もなかったかのように冷静に対応した 大平もすげー!!(^^; 

時間いっぱいまで使って苦悩して指す脇、ノータイムで淡々と指す大平、好対照な2人だ
そして、大平はついに入玉を確定させた 脇は戦意喪失し、投了! 166手で大平の勝ち
義則「まだ投了するのは早い、普通はもう少し指しますけどね 脇はガックリきたんでしょうね」

あー、脇さん、あきらめたかあ 相入玉の可能性があったんで、まだ指せば良かったのにね
先手側は大駒3枚あったからね (プロは相入玉になったら24点に満たないほうの負け)
投了図での点数を数えると、先手33点、後手21点で、先手が点数が多いんだけど(^^;
もっと指せば相入玉になった可能性が充分あったと思えたが・・・

でも、双方の力が良く出て、妙手もあり、面白い一局だった