第19期 銀河戦
本戦Dブロック 6回戦
宮田敦史六段 vs 小林健二九段
対局日: 2010年12月7日
解説:佐藤秀司七段
聞き手:中村真梨花女流二段
記録:野田澤彩乃女流1級

宮田は予選で熊坂に勝ち、コバケンは前局で石川に勝っている
22年度の成績は、宮田11勝8敗 コバケン8勝8敗 2人の対戦成績はコバケンの2-0

おお、聞き手は中村真梨花ちゃんだ 顔がまん丸だね まるでアンパンマ(以下略)
解説の秀司「宮田は居飛車が多いが、相振りを指すこともある 読みの深さとスピードは知られたところ
 これは詰将棋に限ったことでなく、指し将棋でも言える
 コバケンはスーパー四間飛車で有名、力戦振り飛車も指す
 今日は対抗形になるか、相振りかのどちらかと思う」

始まってみると、相居飛車だった(^^; 秀司「予想外ですね(笑)」
▲矢倉模様vs△菊水矢倉(別名しゃがみ矢倉)だ 菊水矢倉がコバケンの予定の作戦か
秀司「菊水矢倉は、腕力がないと指しこなせないです」

ノータイムで指し手を続けていく両者 
コバケン、右銀を△4四銀まで持ってきて、△4五歩と位を取った
宮田は▲4七金と上がっている この▲4七金は見たことがないが、どういう意味だろう、と思っていたら、
すぐにわかることになった
なんと、▲3七桂~▲4五桂と、後手の歩を取ってしまう攻め方があるのだ
この順が、後手は受けがないではないか! あ、あれ? これどうなってんの? コバケン、どうする??

40手目、△3一玉までの局面 ▲4五桂が受からず、後手困ったの図↓

後手:コバケン
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・v玉 ・v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・v角v金v銀 ・|二
|v歩v歩v歩v歩 ・v金v桂v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・v歩v銀v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| 歩 歩 銀 歩 ・ 金 桂 ・ 歩|七
| ・ ・ 金 角 ・ 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 玉 ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手:宮田
先手の持駒:歩二 


これ、宮田の研究手順だね コバケンとの対戦成績が0-2だから、宮田は用意してきたんだろう
▲4七金が見事に成功、これはハマっている、もう先手有利!
が、なぜか宮田はすぐに▲4五桂と行かず、▲5七銀から駒組みを続けた
秀司「▲4五桂は先手の権利、いつでも行けるということでしょう
 これ、困りますね~ 後手はどうするのかな」

ところが! これ、今、激指定跡道場2の検討モードで調べてみると、この図で即▲4五桂は、
以下△同銀▲4六歩△3六銀!▲同金△4四桂!という順で全くの互角、とのこと
うわー、こんな順があったのか だから宮田はここで▲4五桂を保留したのか
秀司は解説では全然そんなことは言ってくれなかった 秀司より激指のほうが頼りにな(以下略)

でも、▲4五桂がいつでも権利としてあり、▲4七金作戦は「菊水矢倉△4五歩位取り殺し」と
言ってもいい作戦だね まあ、めったに菊水矢倉を指す人はいないけど(^^;

本譜、宮田は銀を2枚中央に繰り出した後、頃や良し、と▲4五桂と跳ねて開戦になった
これは宮田の快勝譜だろう、コバケン完敗、作戦で勝敗が決まったね ・・・と思っていたのだが!
なんとなんと、ここからコバケン、桂が殺されてから、実にうまく手を作り、細い攻めをつなげていった

まさかまさかの展開だ コバケン、歩しか駒損していない こうなると、後手のほうが玉が固い
先手は金銀がバラバラだ なんと後手が優勢になった

が、コバケンも疑問手があったと思う 「思う」という表現なのは、秀司が的確に解説してくれないから、
こっちで勝手に判断するしかないのだ(^^;
でも、この将棋、2転3転して、誰が解説しても形勢判断が難しかっただろうけどね

ものすごい複雑な終盤に突入していった まさかこんな大熱戦になるとは、想像もつかない展開だ
▲4五桂で、もう先手必勝かと思ってたからね
コバケン、勝負手を放つとき、手をしならせて、ビシッ!と駒音が高い やる気満々だ

宮田は攻めが続かなくなり、コバケンが先手玉に詰めろをかける手が続き、コバケンの勝ちかと思われた
しかし宮田はあきらめない 一転して玉を中段に逃げ出した 攻めるコバケン、受ける宮田
見ごたえ充分、昨日見た広瀬vs糸谷に、ひけを取ってない! うーわ、これは熱戦だ

こういう将棋では解説が頼みのことが多いが、秀司はほとんど役に立っていない(笑)
だけどそれで別に腹が立つ、というわけではない 局面が、もう難解すぎるのだ
30秒の秒読みでは、どうにも読みきれないのは仕方ない
A級棋士でも連れてこない限り、この終盤の解説は無理だ
秀司「いや~ わかんない これは」

コバケンが勝っていたと思うが、先手玉を捕まえきれなかった 
後手には候補手が多すぎて、正解を指すのが難しかったね 
何度も言うけど、正着が秀司にも全然わかっていないし(^^;

結果、143手で宮田の勝ち 51手目に▲4五桂としてから、最後まで延々難しい将棋だったと思う
秀司「序盤は宮田が良かったと思うが、コバケンが細い攻めをうまくつなげた
 最後はどちらが勝つかわからなかった」

正直、今回の一局、全然期待してなかったのだが(^^; 大熱戦だった 実に面白かった
TVでは感想戦の時間が取れなかったけど、この後、少なくとも2時間は感想戦をやったんじゃないか、
と想像できる内容だった 中盤から終盤、内容がてんこ盛りだった

コバケンさん、去年の大盤解説会で、「私もまだまだがんばりますよ~」と言っていたとおり、
気合いたっぷりなところを見せてくれた いやいや、面白い将棋を堪能させてもらいました(^^) 

最後に一つだけ、中村真梨花ちゃんは、顔も丸いけど、体もそれ以上にm(以下略)