第19期 銀河戦
本戦Eブロック 6回戦
小林裕士六段 vs 阿部健治郎四段
対局日: 2011年1月7日
解説:佐藤紳哉六段
聞き手:中村桃子女流1級
記録:野田澤彩乃女流1級

先週の土曜に放送された銀河戦 好カードだ
デカコバは予選シードで本戦出場 アベケンはEブロックで5連勝中
22年度の成績は、デカコバ14勝8敗 アベケン27勝7敗 2人は初手合い

解説の紳哉「デカコバは体も大きいが将棋も大きい 細かいことはあまり気にしない
 早見え早指しでセンスがいい ほとんど将棋の勉強しないでプロになったという才能肌
 居飛車党 京都出身 34才 185cm97kg 

 アベケンは新人王 銀河戦は里見女流、坂口、小林宏、佐藤紳哉、中田功に勝って5連勝中
 若手らしいキビキビした将棋 研究熱心で細かいところまで手が行き届いている
 終盤も若手らしく手が見える 居飛車党 山形出身 22才 171cm58㎏」

紳哉「プロ棋士には『こばやしひろし』が2人いて、まぎらわしい
 私も佐藤慎一四段とよく間違われて困っています」

先手デカコバで、相矢倉の力戦模様になった ▲早囲いvs△矢倉だ
紳哉によると、デカコバは力戦の矢倉が好き、
アベケンは兄弟子の藤井とよく研究をいっしょにしているとのこと 
と言う事は、両者、得意の戦法だろう
矢倉の早囲いと言えば、藤井だもんね 早囲いを巡る攻防の将棋が流行っているね
藤井はこの戦法で、2回目の升田幸三賞を取れるかもしれない

がっちり囲い合う前に、デカコバは3筋から、アベケンは7筋からの攻め合いになった
紳哉「攻め合いですね」
アベケンの△8五桂が先手の7七の銀に当たっているが、デカコバはこれを手抜きだ
デカコバは△7六歩の取り込みを許す順を考えているのか・・・ 先手としては実に怖いところだ
感想戦では、△7七桂成▲同玉!△7六歩▲8八玉、という順を想定していたとのこと
▲7七同玉なんてあるのか! 紳哉はそんな順の解説は全然しなかった(笑)
アベケンもそれを見抜いて△7七桂成でなく他の手を指した、ということか レベルが高い!

難しい中盤が続く もう双方ともに、玉を直撃してくる攻めを食らっているので、
間違えたら、即、終わりだ
紳哉「アベケンが取る一手の所ですぐ取らないで考慮時間を使っているのは、形勢に自信がないから」
と言っていたが、デカコバも当然の一手の所で考慮時間を使う展開
紳哉「デカコバも自信がないということですね」
局後、両者ともに形勢に自信がなかった、とのことだった

デカコバが最後の考慮時間を使い、意表の一手を放った
後手の歩頭に桂打ちの犠打!
紳哉「あ~! そんな手がありましたか へぇ~ これを狙っていたんですね へぇ~
 なるほど いい手じゃないですか デカコバが魅せましたね」

この桂打ちに対して、紳哉「アベケンの対応が問われる」と言っていたが、アベケンは冷静に対応した
桂打ちで、一瞬、技が決まったかと思えたが、形勢はまだ全然難しいのだった

続くデカコバの飛車打ちの王手に対して、アベケンは玉を逃げずに△4一金と合駒だった
これを紳哉は「なぜ△2二玉と逃げなかったのか 大事に行こうと思ったんですかね?
 △4一金は疑問では」と解説
しかし、感想戦で、飛車打ちに△2二玉と逃げると▲5三銀という手があったので、
本譜の△4一金が正着、とのことだった 対局者の2人、またも紳哉を上回っていたね さすがだ(^^;

終盤になっているが、紳哉「形勢がわからない」
もう双方ともに30秒将棋、指運みたいになってきた
こうなるなら、もっと時間を残しておけば、と思うが、
ここに来るまでに不利になるわけにはいかなかったのだ
そういう空気がピリピリと感じられていた中盤だったのだ
ここから30秒将棋でどうなるか、見ていて面白い!

入玉を狙うデカコバ、追うアベケン ところが、デカコバが突如攻め合いに出たではないか!?
紳哉「見切ったんですかね??」 
が、これが敗着となった デカコバ、後手玉を寄せるつもりの手が、完全に一手パスになってしまった
自玉が一気に寄せられてしまった 108手でアベケンの勝ち!

紳哉「お互いに優勢な局面があったと思うが、最後にミスしたのはデカコバだった
 将棋は後でミスしたほうが大きくマイナスになるのでね 力のこもった熱戦だった」 

あ~、デカコバでもアベケンを止められなかったかあ でも内容はなかなかの一戦だったね
37手目から戦いが始まり、終局の108手まで延々難しかった
アベケン、デカコバのミスを緩まずとがめたのはさすがだ 入玉を阻止する手順が実にうまかった

中盤は空気が張り詰めていたし、終盤もハラハラした
紳哉の解説も良かったと思う 常識人の発想なので、聞いていてわかりやすかった
感想戦で、紳哉の解説を上回る読み筋が披露されていたので、
ちゃんと視聴者にも説明がついていたしね
紳哉、この2人には将棋の才能ではかなわない、か・・・?(^^;
ブログはいつも楽しく見させてもらってます かなり笑うこともしばしばです

感想戦ではデカコバに、はっきり有利になる順が見つかっていた
アベケン、難敵のデカコバを結果的にどうにか振り切って辛勝、という一局だった これで銀河戦6連勝だ