糸谷哲郎五段vs丸山忠久九段 NHK杯 準決勝
解説 谷川浩司

東日本大震災の影響で、休みになっていたNHK杯が再開された
私は引越しがようやく終わり、愛知で見る初めてのNHK杯だ さて、どんな将棋になるか
糸谷vs丸山かあ やはり、角換わりの難しい将棋になるのか?

矢内は相変わらずきれい、髪がロン毛でウェーブをかけている また今回も髪型、凝っているね
どんどんお姉さんになっていく感がある 早いとこ、結kk(以下略) 
解説は、なんとタニー! うわあ  タニーが出てきただけで、うわあ、となる
やはりタニーには華がある! スターなんだね

糸谷は、村山、シーザー、郷田に勝って準決勝進出 丸山は、豊川、松尾、三浦に勝って準決勝進出
タニー「糸谷は前期NHK杯で準優勝なので、今回も順調というところ、
 丸山は今年度、大事なところで星を落としているので、気合いが入るでしょう」

事前のインタビュー
糸谷「決勝に羽生先生が進まれているので、リベンジを果たせるように、決勝進出したい」

丸山「糸谷は早指しが得意、決断力もいいので、勢いに押されないようにがんばりたい」

対局開始の挨拶をする両者
糸谷「よろしくお願いいたします」 丸山「お願いします!」
丸山、大きな声で気合いが入っているね うんうん、さあ、どうなるか

先手糸谷で、丸山は横歩取りに誘導だ 糸谷、いつもながら手がはええー、
と思っていたら、いきなり手が止まって、考え始めたぞ 糸谷、横歩を取るかどうかで、長考だ
タニー「後手の横歩取りの指し方が、△5二玉型と△8四飛型が新しく出てきた
 先手も対策が大変」
そういうことか で、糸谷は▲2八飛と自重! 丸山が△7六飛で横歩を取った

矢内「後手の横歩取りになりましたね」
タニー「先手は一歩損したけれど、手得を活かしていく将棋」
後手の横歩取りとはめずらしい 手将棋になりそうだ 
前回の▲羽生vs△渡辺が、完全な研究将棋だったのと比べると、今回は正反対になりそうだ ワクワク

この2人の対戦成績は、糸谷の1-0ということだ 平成22年の棋王戦の一局のみ、か
タニー「(糸谷は今22才だが)20代の前半での大きなチャンスを物にしなければいけない」
まあ、タニーはなにしろ、21才で名人を取っているからね この記録はすごすぎだよね(^^;
タニー「糸谷は大学院へ進むんですね めずらしいですね」

さてさて、もう局面がのっぴきならないことになってないか?
▲8五歩、とフタ歩をしたら、先手が後手の飛車を捕獲できそうだぞ
タニー「▲8五歩と打ちましたね ただでは済まないということになりましたけど」
本譜の進行も▲8五歩だ! こ、これは面白い! もう、盤面にド注目だ

タニーの解説によれば、後手からも△2七歩、△5四角などの反撃があり、どうか、というところか
うんうん、タニー、いいよいいよ 面白いよ 実戦はどうなる? 

丸山の強引な8筋突破の△2七歩~△8七歩~△8九角に、
タニー「この瞬間が後手としては怖いですね~」

で、糸谷の着手は▲9五角!? な、なんだこれは??
タニー「これはちょっと・・・ 後手がピンチかも・・・」
この一手、タニーですら見えていなかった 私なんかもう全くダメ(^^;
ええ?? 丸山はどうなの? 見落とし? うっかりか!?
だとしたら、取り返しがつかないことになりかねないぞ 何しろ、もう大乱戦で引き返せないからね

タニー「後手が踏み込んでいったんですけど、▲9五角の返し技があって・・・」
矢内「面白い角ですね」
タニー「気がつきにくい手ですね」

丸山考慮時間を使ったが、指したのは、もうこれしかないか、という仕方のない特攻だった
糸谷、ノータイムで飛車を取り、▲6五桂跳ね、すんごい味のいい一手!! これが後手の玉頭直撃!
タニー「この桂跳ねは相当きびしいですけど、なんとか凌げれば後手にもチャンスがめぐってくる」

丸山、玉頭をどう受けるかな、と思っていたら、なんと自陣に△4二金打ち!
これが手堅いかあ そうかあ まだ難しいのか、と思いきや、糸谷、ノータイムで
▲2八飛打ち!! 飛車の2段重ね!! な、なんじゃこりゃ??
タニー「これがあると思ったんですよね」
矢内「はぁ~! はぁ~ すごい・・・」

これが決め手か!! 飛車の2段重ね、気持ちいい!! 矢内呆然!
これは・・・ 後手陣、崩壊している! 投了しかないか? もうダメ? どうだ?
丸山「負けました」
読み上げの藤田女流「まで、39手をもちまして、糸谷五段の勝ちでございます」

でええええー、39手!! 超短手数!! 
糸谷、NHK杯の準決勝という大舞台で、A級棋士を相手に、39手で勝ち!!
糸谷がまた一つ、伝説を作った! わ-おうう!

明日のスポーツ新聞の見出しはこんな感じだね 
「糸谷、新たな伝説!」 「A級棋士を39手で撃破!」 「決勝は2年連続で同カード、羽生vs糸谷!」

すんげー、糸谷、やってくれるぜ! ▲9五角と▲2八飛打! 
大駒をここまでうまく使えれば、横歩取りは楽しいだろうね~ いや~、見ていても面白かった!

タニー「丸山は▲9五角をうっかりしたと思う」
矢内「横歩取りの怖さがよくわかる将棋でしたね」

丸山ほどの棋力をもってしても、39手で負けてしまうんだね 
横歩取りは、大差がつくのを恐れていては指せない戦法、ということだね 
これは私のような「横歩取りは定跡をいちいち調べるのがめんどう」と思っているアマチュアには
受ける将棋だったわ 

力戦で、大技が決まって一気に勝ち、という、実に楽しい将棋だった
ボクシングでいうと、1ラウンドKOだ
こういうの、たまにあるといいわ これもまた将棋って感じで、いい!

39手はすごい! たぶんNHK杯史上最短だろう、しかも、後手玉がちゃんと寄っているんだからね
番組開始から53分で終局してしまったため、40分以上も感想戦の時間があった
でも、もうめんどうなんで見なかったです(^^; 
明日の将棋タウンさんの「NHK杯に見る受けの手筋」を楽しみにしてます
さあ、いよいよ決勝だ 羽生vs糸谷、糸谷のリベンジなるか? 好局を期待!!