羽生善治三冠vs糸谷哲郎五段   NHK杯  決勝
解説 森内俊之

さあ、いよいよ決勝だ 昨年と同じ顔合わせ 糸谷のリベンジなるか?
アナウンサー「羽生は今までにNHK杯優勝8回、前人未踏の3連覇を目指す」
羽生「徐々に気持ちが高まってきた」
糸谷「今年も決勝に進むという大言を吐いてしまったので、達成できてほっとしてます
 去年のリベンジを果たしたい」

解説の森内「昨年と同じカードで、2人の充実ぶりが表れている」
矢内はまっ白なスーツ、春らしいね 髪を後ろにまとめていてキレイだ

羽生はここまで、伊藤真吾、勝又、康光、渡辺に勝って決勝進出
羽生「康光との相穴熊の将棋が、手数が長くて印象的でした 終盤が複雑な一局だったと思う
 金捨てでの玉の上部脱出が印象に残っている」
あったねえ 金のタダ捨ての中合い、まさに羽生マジックの一手!
森内「私が対局者で相手だったら、飛び上がってますね」
個人的には、勝又との一戦が一番危なかったと思っている 
あれは羽生が寄せを間違い、負けそうだった(^^;

糸谷はここまで、村山、堀口、郷田、丸山に勝って決勝進出
糸谷「村山との将棋は、序盤でリードしたけど、終盤で失着が出て相当追い込まれた」
個人的には、やっぱり先週の丸山戦だね 
わずか39手で考慮時間を9回余して勝ち、できるもんではないわ
糸谷「考慮時間がゼロの状態が得意ではないので、残すようにはしている」とのこと

羽生「張り切って、元気のある将棋を指せるように全力を尽くしたい」
糸谷「どんな形になっても自分の将棋が指せればと思います」

過去の歴代優勝者が出され、羽生と大山が8回、ヒフミンが7回、中原が6回優勝だそうだ
そして、対局開始! 先手羽生で、後手糸谷の一手損角換わりに進んだ
森内「一手損角換わりは今期のNHK杯、糸谷の原動力
 昨年の決勝は先後逆で、羽生が一手損角換わりを指した」

相早繰り銀で、急戦もあるか、と思われたが、羽生が7筋の位を押さえて自重した
森内「波乱の出だしではなくなりました」

2人の対戦成績が出され、羽生の2勝、糸谷の1勝とのこと 
昨年の8月には糸谷が横歩取りで羽生に勝っているそうだ へえー

糸谷の強さについて聞かれ、森内「将棋の感覚を変えてしまうような怖さを感じる
 今は糸谷は、指していて、手が見えてしょうがないんじゃないか」
羽生の強さについて聞かれ、森内「ここが強いっていうのがないのが本当の強さ、
 どこをとってもスキがない」

矢内「糸谷は同世代の豊島らの活躍も刺激になっているのでは」
森内「周りに強い人がいるのは、一番の上達の近道ですよね」
まさに羽生世代は最強の世代だもんね 

さて、羽生が右銀を▲5五銀~▲6六銀と繰り替え、▲3七角と打って、局面の打開を図ってきた
糸谷は即座に△3五歩と勝負! ここはその一手とは言え、指すのがめっちゃ早い(^^;
決勝というのに、両者、実に指し手の決断がいい
羽生は7筋で金銀を取り、糸谷は角を取るという、一気に激しい展開になった
もう形勢、どっちかがいいはずだが・・・
矢内「これは激しいことに」
森内「パッと見、先手が良くなる順がありそうだがわからない 糸谷のしのぎが見もの」

森内の解説では、単純な飛車の取り合いは糸谷が勝ちとのこと おお、糸谷、やったか??
羽生は飛車を取られないように細かく逃げている

70手目、森内は「後手としてはいったん飛車を△3四飛と逃げておき、
 ▲4五金とさせて飛車を捕獲させて、△2三角と打つ順でどうか」と言っている 
おお、△2三角、味がいいじゃん! それで行け、糸谷!
・・・が、糸谷は、と金を引いてすぐ飛車を取らせる順を選んだ
森内「と金を引き付ける糸谷らしい粘りの手 玉を上がって来ようとしているんでしょう
 糸谷の中段玉は生命力があるんですよね」

羽生が攻めをつなげるか、糸谷が受けきるか? 羽生の攻めもギリギリだぞ
森内「糸谷は持ち味を発揮してますね」
糸谷、と金を3四まで引きつけた これで受けきれているのか?

手が進み、森内「先手はどう攻めたらいいかわからない」
矢内「▲4六桂は?」
羽生の着手は▲4六桂!
森内「あ さすが すばらしい 矢内さん正解ですね」
矢内「えへ」 矢内、口癖の「えへ」が出た かわいい(笑)
森内「まだ決まってはいないと思います」 

羽生、攻めが竜と持ち駒の金だけになり、手が注目されたが、羽生の手は▲3一金! そうやるものか
糸谷も△1四角と投入して粘る どっちがいいんだ・・・
と金を作ろうとする羽生に対し、糸谷は△5三銀~△6二銀打! 気づきにくい手だな~
森内「わけがわからなくなってます」
矢内「糸谷らしい怪しい粘りですね」

が、羽生の▲6四歩が来た! 糸谷、打った銀を狙われた
ついにこの歩が間に合ってしまう展開になってしまったか
糸谷からは攻め合いたいという意思が感じられるのだが、こうなってはどうにも羽生玉は固い
冷静な指し手を続ける羽生、間違う雰囲気が全く感じられない
後手からは攻めがない 羽生はとうとう、と金を作ることに成功
森内も思わず「羽生さん、強いですね」 ああ・・・ ダ、ダメだ・・・・

万策尽きた糸谷、123手で投了! 羽生の勝ち、羽生、NHK杯3連覇!
見ていて、「ああー」と大きな声を出してしまった 糸谷負けか! 残念! 
別にどっちに肩入れしているわけでもないつもりだったが、
自分は糸谷を応援していたんだな、とわかった(^^; あー、羽生の壁は厚かった・・・

森内「糸谷の迫力のある追い込みでどうなるのかわからなかったが、羽生が突き放して貫禄を見せた」
一局を通して、羽生の飛車と竜の使い方がうまかったと思えた一局だった
羽生は受けでは、飛車の細かい逃げ方で取らせず、攻めでは竜の細かい使い方で手を作った
一手一手丁寧に指し、わずかでも相手を上回る、という将棋だった
羽生が決定的にピンチ、という場面はなかったと思う

感想戦では、70手目の、と金を引いたところを糸谷がやろうとしたところで時間がきてしまった
糸谷「やっぱ、と金引きではダメか」と言っていた あそこは大きな分岐点だったからね
でも、糸谷が別の順を選んでいても、それはまた別の一局、羽生はそれに対応して指していたであろう

アナウンサー「3連覇、獲得9期の気持ちは?」
羽生「終わって、カップをいただいて、実感がわいてきた」
アナ「もう1回優勝すると、名誉NHK杯ですが?」
羽生「まあ、一生懸命やって、目指していければいいと思う」
名誉NHK杯なんてあるのか、取れる可能性があるのは、実質、羽生だけじゃないか(^^;

糸谷「次は重いカップを持てるようにがんばります」
準優勝で終わった糸谷だったが、前期に引き続き、今期も一番目立ったことは間違いない
そのノータイム指しで他のプロを恐怖に陥れているね またしても羽生には勝てなかったけど・・・

あー、しかし、個人的な感想としては、また羽生が優勝してしまったか、という感想だ
そりゃあ、羽生が強いのはいい でも、その強い羽生に勝つ、という大番狂わせがあるときが、
一番面白いんじゃないか、と思っている 今回のNHK杯では、勝又にそのチャンスがあったのだが・・・
羽生、NHK杯3連覇、獲得9期ですか やはり将棋界はこの人抜きでは語れないですね 
康光戦の▲9六金は、今後も語り継がれるのでしょう 参りました!

あと、矢内さん、今期も聞き手、良かったです 毎度毎度、違った髪型で楽しませてもらいました
ありがとうございました 来期度は3年間の任期の最後ですね 矢内さん、来年度もよろしく!