1月に放送された囲碁将棋チャンネルの棋譜解説で、久保棋王が棋王戦トーナメントの中から
特選譜に選んでいた一局を紹介します
ちょいワル流の山崎とガラパゴス流の窪田、定跡にとらわれない両者がぶつかると、
こんな展開になるんですね 面白いです
序、中盤の両者の指し回し、自由でのびのび、発想と発想の対決、見ていて楽しいです
コメントの棋譜解説は久保棋王のものです


開始日時:2010/10/18
棋戦:第36期棋王戦 
先手:山崎隆之七段
後手:窪田義行六段

*(持ち時間は各4時間)
*久保「2人とも序盤から工夫する棋士なので、この両者の対局は面白いだろうと思って選びました」
▲2六歩 △3四歩 ▲7六歩 △4四歩
*窪田さんは角道を止める振り飛車をよく指してます
▲2五歩 △3三角 ▲6八玉 △3二銀 ▲7八玉 △7四歩
*先手の玉の移動が早いので、7筋で戦いを起こそうという手です 定跡ではない、力戦ですね
▲5六歩 △4三銀 ▲5八金右 △5四銀
*銀を一目散に出てきました △6五銀~△7六銀を狙っています
▲6八銀
*この一手に47分の長考です
*この手に代えて、▲6六歩なら無難なんですけど、後手の銀が出てきたら反発する狙いです
△6五銀
*お互い、気合いの入った序盤です
▲5七金
*▲7七銀だと、△5六銀から銀をバックされてしまいます 山崎は7六の歩を取らせるほうを選びました
△7六銀 ▲3六歩 △7五歩
*銀にヒモをつけました
▲2四歩
*大乱戦ですね
△同 歩 ▲5五角 △8四歩
*後手は△9二飛でなく、飛車角交換OKという指し方をしました
▲6六金 △8五歩 ▲7五金
*銀取りですね
△8六歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲7六金 △同 飛
*お互いに、まだ動いていない駒がいっぱいあるんですけど、すでに激しい戦いです
▲7七歩 △7三飛 ▲8八歩
*後手から8筋に歩を使われてはイヤなので、先手は先受けしました ▲8七歩だと後手が三歩持っているので、△8六歩▲同歩△8五歩▲同歩△8四歩の筋を警戒して、本譜は▲8八歩としました
△3二金
*(先手から見て)左方面は落ち着きましたので、守りました
▲3五歩 △同 歩 ▲3四銀
*歩がないので、銀で攻めていきました
△4二角 ▲4四角
*飛車角交換では得がないと見て、こちらに角を使ってきました
△7四飛 ▲1一角成 △3四飛 ▲2一馬
*山崎さんはこれでやれると見て踏み込んだのでしょう
△2二金打 ▲同 馬 △同 金 ▲4五香
*▲4六香でない意味は、本譜の進行を見ればわかります
△4四歩 ▲4六桂
*ここに桂が打てるんですね
△3三飛 ▲2四飛 △4五歩
*この手に代えて、△2三金だと、▲4四飛と手順に回られて、飛車と香の攻めで後手が困ります
▲2二飛成 △4六歩
*後手は桂が欲しかったんですよ
▲4四金
*攻めるならこの手です
△8六桂
*後手は桂を持って、これが打ちたかったんですね
▲8七玉 △3二飛
*タダなんですけどね
▲同 龍 △6五角 ▲7六歩 △3二角 ▲4三金打
*この手に代えて、▲3四歩だと、その瞬間が一手甘いんです
△4九飛 ▲5九飛 △同飛成
*これを▲同金だと、△7八銀の手が残ります
▲同 銀 △6四飛
*銀を引かせたので、この手が出てきました
▲5八銀
*▲3二金だと、△6七飛成~△6九竜があります
*
*先手の金2枚と、後手の角2枚はこう着状態です
△6二玉
*早逃げです
▲2二飛 △3一銀 ▲2七飛成
*ホントは先手としては攻めていきたいんですけど、▲3二飛成だと△同銀~△4四飛があるので自重しました
△1四角
*4七の地点を狙っています
▲4六歩
*次の窪田さんの一手が厳しかったですね~
△2六香
*これが厳しかったです ▲同竜だと、△6七飛成▲同銀△6九角成の順があるんです
▲5七龍 △2九香成
*また銀取りになっています
▲3二歩 △同 角 ▲3四歩 △4四飛
*後手は飛車より、3二の角のほうが使えると見ました
▲同 金 △8五金
*これが受けづらいです
▲6六飛 △7五歩
*3二の角の利きが止められません
▲3三歩成 △7六金 ▲同 飛 △同 角 ▲8六玉 △8五飛
▲7七玉 △6五桂 ▲6六玉 △5七桂成 ▲同 玉 △3七飛
▲4七桂 △3九飛成 ▲4二と △同 銀
*一回落ち着いて取りました
▲8六金
*ちょっとびっくりするんですけどね
△同 飛 ▲9五角 △8四金 ▲8六角 △1九成香 ▲5九角
*△4八銀を防いだ手です
△6四香
*(ギズモ補足:この手は次に△4八銀▲同角△6七香成以下の寄せを見ている)
▲6六歩 △7八銀
*まで114手で窪田六段の勝ち
*投了図以下は、後手玉は安泰、先手陣は▲同金に△5九竜で受けなしです
*序盤から両者の持ち味が出たいい将棋だったと思います
*両者の腕力が見れた面白い力戦でした