第19期 銀河戦
本戦Fブロック 8回戦
中川大輔八段 vs 畠山成幸七段
対局日:2011年1月18日
解説:藤井 猛九段
聞き手:室谷由紀女流1級
記録:伊藤明日香女流初段

お、聞き手が室谷さんだ まだプロになったばかりの子だ フレッシュだ 
セリフが完全に棒読みなところが、初々(ういうい)しくていいね

ナルゴンは前局で菅井に勝ち 中川は予選で田中四段に勝ち
22年度の成績は、ナルゴン9勝9敗 中川15勝8敗 2人の対戦成績は中川の5-2
なんか、ナルゴンの対局数が少ない・・・

解説の藤井「ナルゴンは居、振り、両方指す 攻めに鋭さがある実戦的な棋風
 中川は見た目も迫力があるが、将棋も男らしい気合い重視の居飛車党」

先手ナルゴンで、▲ノーマル四間飛車vs△5筋位取りの居飛車という、なんともレトロな戦型になった
藤井「四間飛車じゃないですか! これは私はうるさいですよ(笑)」

藤井「私と中川は研究仲間、中川は他のみんながやっている形を嫌うので、居飛穴にはしないだろう」
と言っていたら、それが当たり、5筋位取りになった 居飛車側、この戦法でどれだけいけるのか?

藤井「私はプロ20年目くらいですが、15年ほどは四間飛車をずっとやってた 長いですね(笑)」
序盤、中川から仕掛け、戦いが起こったが、軽妙なトークで、テキパキ解説していく藤井
さすがこの戦法の第一人者、実に頼もしいね(^^)

藤井が「これは振り飛車ペースになるから、居飛車側はやらないでしょう」と言っていた筋に、
中川がモロに飛び込んでいったではないか それも、時間をほとんど使ってない
藤井「これはさすがに振り飛車がいい 中川は元気が良すぎたんじゃないですかね~」 
そうだよね、飛車、角がさばけ、美濃がそっくり残ってるもんね
駒のさばき合いで、▲美濃vs△船囲いなら、どう見ても美濃の方が固いが・・・

▲2六香という手が入り、藤井「これは朝飯抜いても打ての香です」 そんな表現があるのか(^^;
もうこのままナルゴンが押し切るか、と思われたのだが、中川、実にうまく指した 
中川は勝負手を連発、本譜以外の手なら、すんなりナルゴンの勝ちだったであろう
藤井「あれ、これまだ相当難しいですね 普通、居飛車側がこの玉形でこんなに攻めたら、
 バランスが取れないものなんですが、さすが中川流」と感心させていた

中川のノータイム指しの気合いに押されたのか、藤井によればナルゴンが間違えたらしい
形勢は中川に傾いた? 中川、もう寄せにいっている
藤井「これで中川勝ちだったら、強すぎますね」

しかし! この対局、ここからが本番だった
画面に、すんごい姿勢で考え込むナルゴン、前かがみでお尻を突き出して、
陸上のクラウチングスタートでもこんなにお尻を突き出さないぞ、というくらいだ(笑) 

複雑な終盤になったようで、藤井の解説の精度は落ちる一方(^^;
藤井「んーと 詰みなのかな 詰みそうですね あ 詰まないかな 詰むのか 気持ちは詰んで欲しい」
序~中盤の解説が抜群にうまかっただけに、その落差は聞いていて笑えるほど(笑)

藤井、最後のほうは一手詰みを見落として解説、聞き手の室谷さんにも助けられ、という状態
(98手目、△9七玉か△9九玉かで藤井は「両方ありますね どっちだろう どっちもある」と解説
しかし、△9七玉は▲8五歩の一手詰(^^;) んー、でも、なぜか許せるところが藤井のいいところだ 

局面は、なんと後手の中川の玉が9九まで突っ込んでくる、という事態になってしまった
ナルゴンの寄せ方、どうだったのか まあ、私ごときには全然わからない終盤なんだけど、
これが最善ではないよな、とだけは見ていて思っていた
藤井「後手玉は捕まっていたはずですけどね~」

が、再びナルゴンが落ち着いて2枚の馬を活用して、中川の9九の玉を詰ませることに成功した
125手でナルゴンの勝ち 
んー、まあ、大熱戦だったんだけど、個人的にはあんまり・・・ 
ナルゴンはさんざん後手玉を追い掛け回して9九まで追って、
金銀を貼り付けまくって無理やり数で詰めたわけで、美しくはなかった(^^;

感想戦の検討では、猛烈に難しい寄せ合いだったことが判明
これじゃ藤井ならずとも解説は難しかったね ナルゴンと中川、すごい読みの深さを披露していた

それにしても藤井は、序、中盤の卓越した解説に比べ、終盤は全く凡人になってしまうね
「終盤は藤井に訊くな」という格言が出来てもおかしくないなー(笑)
藤井の解説のときは、中押しで終わる将棋がいいと思いました、正直(^^;