第19期 銀河戦
本戦Gブロック 最終戦
久保利明二冠 vs 行方尚史八段
対局日: 2011年4月19日
解説:鈴木大介八段
聞き手:本田小百合女流二段
記録:伊藤明日香女流初段

土曜に放送された銀河戦
22年度の成績は、久保23勝18敗 行方17勝17敗 2人の対戦成績は行方の10-7
行方が勝ち越しているんだね これに勝ったほうが最終勝ち抜き者になる一局

解説の大介「久保は振り飛車の第一人者 A級、タイトルホルダーの中で生粋(きっすい)の
 振り飛車党は彼だけ
 行方はバランスの取れた居飛車党 序盤を工夫するタイプ 対振り飛車の名手
 久保が先手なので、石田流にするだろう 行方の対策が見もの」

先手久保で▲7六歩に、行方は△8四歩 あらら、行方、そうやったか 一番簡単な石田流対策だね(笑)
▲ゴキゲン中飛車+穴熊vs△居飛車+左美濃になった

大介「お互い、相手の棋譜を調べて、どういう技をやっているか覚えている」
まだ駒がぶつかっていないのに、手順をスラスラと何通りも並べる大介 この解説の詳しさはすごい!
水面下の変化を存分に言ってくれている さすがB1にいる純粋振り飛車党だ
大介「ここまででワンセットの手順です」 平気で10手以上進めている すげ~ 拍手ものだ

久保が5筋から仕掛けたが、4筋も組み合わせて、一気に攻めかかるかどうか、というところ
大介「これは単なる一歩交換でしょう 一気の攻めは無理筋だからやらないでしょう」
と言っていたところ、久保、その一気の攻め筋を敢行! お~行ったぞ 面白い

大介「久保には何か用意があるということなので、行方としては怖いですね」
手が進み、大介「形勢は難しいが、行方のほうを持って指してみたい」

行方に、連打の歩を飛車の頭に打たれて困ったか、に見えた久保だったのだが、
飛車取りを放置して角をさばく手があった!? あ、そ、そんな手が!

角も飛車もぶった切って攻める久保、行方は受けなければいけないが、いい受け方がない
後手は歩切れが痛い どの駒で守っても、その駒を攻められるという展開だ
典型的な穴熊の食いつきの攻め、う、受けきれない・・・!?
大介「行方のほうがいいかと思っていたけど、この局面になると久保の攻めを受けきる自信が全くない」

久保、す、すげー 細い糸のような攻めをつなげる高精度な読み、正確な大局観、すばらしい!
大介「最近の強い人は、細い攻めをつなげることが多い 久保もその域に入ってきたか」 
さらに、一見、重いベタ金を打って攻める久保に、
大介「これは『筋悪の筋』という手 こういう手を見つけられる人が強い」

さらにさらに、最後の寄せでも久保は魅せた 攻めの金を後手玉から遠ざけて動かすという、
実に思いつきにくい逆モーションの手、これで後手玉は受けなし! おお~!!
83手までで久保の勝ちとなった
大介「序盤から久保が攻勢に出て、非常にうまく攻めをつないだ 強かったですねえ~」
大介の「強かったですねえ~」は、実感がこもっていた 
まさにそのとおり、久保のすばらしい会心譜だったと思う

いや~、久保の充実ぶりが存分に現れていたね 
流れるような手順で攻め倒し、押し切り勝ち、強いわ~
後手の行方としても、疑問手らしい手はなかったんだよね それを完璧に打ちのめした久保
さすが、二冠を防衛した王者!

この一局、大介のすばらしい序中盤の解説、負けはしたが特に疑問手を指さなかった行方、
そして主役の久保の見事な指しまわし、この3つが重なって、非常に見ごたえある番組になっていた
毎回こんな内容の将棋が見れたら、と思う一局だった 良かった! 

これでこのGブロックからは、久保が最終勝ち抜き者、そして長沼が2連勝ながら最多連勝者となって
決勝トーナメント進出となった 久保は実にいいねー 魅せるね 久保、優勝候補の最有力と思う!