第19期 銀河戦
決勝トーナメント 1回戦 第5局
羽生善治二冠 vs 阿部健治郎四段
対局日: 2011年6月28日
解説:屋敷伸之九段
聞き手:中村真梨花女流二段
記録:野田澤彩乃女流1級

20日の土曜に放送された一局 もうだいぶ前になってしまった(^^;
アベケンvs羽生、楽しみな好カードだ

アベケンは里見女流、坂口、小林宏、佐藤紳哉、コーヤン、デカコバ、神谷に勝ち7連勝で、
羽生は杉本に勝ち、決勝トーナメント進出
23年度の成績は、アベケン2勝3敗 羽生11勝6敗 2人は初手合い

解説の屋敷「アベケンは居飛車党、序盤はよく研究している、終盤は鋭い
 羽生は居飛車中心に何でもやる 両者ともに、矢倉と横歩取りが得意、激しい将棋が好き」

先手アベケンの相掛かりを、羽生が受けて立った
屋敷「羽生は若い人が相手だと、堂々と受けて立つという感じがありますね」

アベケン、一手一手時間を使って指して、序盤はスローペースで進む 近頃めずらしいね
▲棒銀vs△腰掛け銀なのだが、アベケンの棒銀は早繰り銀から▲4五銀~▲3六銀~▲2五銀と
変化させたものだ こういう指し方もあるのか へー

アベケン、じっくり考えている 緊張感が伝わってくる序盤だ 相手が羽生だもんね
そして長考の末、1筋から仕掛けた! おおー行ったか いよいよ戦いだ 面白い

羽生はどう受ける? もういきなり困ってるのか? と思いきや、守りは手抜きで△7三桂と跳ねた!
次の△6五桂の反撃を見せて対抗か 指されてみると、これで単純な攻め合いは後手充分か
くう~ やはり羽生強い! いいよいいよー
屋敷「△7三桂、これ一発でアベケンの出方が難しくなった さすが羽生」

アベケン、飛車を取られる順に踏み込み、どうにか手をつないだ 中盤の攻め合い、ドキドキする 
実に楽しい お互いに飛、角、銀をさばいて終盤に突入した

屋敷が「次の手、羽生は銀で桂を取り、いったん手を戻しておくでしょう」と言ったのだが、
羽生の選択は△6五桂の攻め合い! ええー これはどうなのか まずいんじゃないの?
事実、ここから羽生は苦戦に陥ることになってしまった あ、あれ~??
激指定跡道場2の検討モードで調べてみると、形勢が-29の互角から、△6五桂としたことで
+485の先手有利に変わっている やはりポイントはここだ

豊富な持ち駒でアベケンの手番がきた
屋敷「ここは時間があればいっぱい考えたい」 しかしアベケンは30秒将棋 ・・・どうする?
そこで、歩頭に桂打ちの一手が出た! 桂のタダ捨て! おおー! それがあるか!
羽生が跳ねた桂が、アベケンの持ち駒になったので発生した手だ!! うわ、絶妙手!
屋敷「お なんか出ましたね やはり 鋭い手が 羽生ピンチ」

羽生の駒台に、桂が3枚並んだ これは凶兆だ 持ち駒に3枚も桂があるのは、形勢が悪いことが多い
3枚も持ってても、使えない場合が多い 「持ち駒に 3桂あって 使い道なし」とはよく言ったものだ
桂は何か他の駒と交換したはずなので、使えない桂を持っているのは、実質、駒損ということになる

これはアベケン、やったか・・・ が、しかし、秒に追われたアベケン、間違ってしまったようだ
あー が、その直後、アベケンにまた桂のタダ捨ての好手が出た!
屋敷「いや これは すさまじい手ですね どうなっちゃうんでしょう」

もうわけのわからない形勢に! ドキドキドキ 最後は羽生玉が詰むや詰まざるや
屋敷「パッと見、詰みなんですけど 玉がぐるぐる行って・・・」
結果、羽生玉、詰まず! 羽生がどうにか玉を逃げ切った 108手で羽生の辛勝だった

あー アベケン、勝ちを逃したか いい駒が揃ってたので、勝つ権利はありそうだった
しかし、ずっと30秒将棋だったので、難解すぎて、正確に指すのは無理だったね あー惜しかった
でも将棋自体は楽しかった やはり相居飛車の、薄い玉での切り合いは楽しい 見てて面白い

感想戦もすごく盛り上がり、15分があっという間に過ぎた
面白い変化がいっぱい、どうやったら先手が勝ちだったかをやっていた
やはり調べればアベケンの勝ち筋だったか 本局のように詰むや詰まざるやだと、感想戦も楽しいね
感想戦でも、アベケンはうまい発想の桂打ちを指摘、羽生を感心させていた

この一局、とても面白かったんだけど、不満もある
羽生には完璧に指して欲しかった △6五桂の攻め合いの判断はダメだった
相掛かりで薄い玉形での、攻めるか守るかの判断の誤りは、一気に致命傷になるね
羽生にはパーフェクトであってほしいのだ 他の人とは期待値が違うのだ
羽生、判断ミスをしないでほしい(^^;
 
局後のインタビュー
羽生「アベケンは序盤から工夫するタイプで、見たことのない力戦になり、お互いに構想が難しかった
 今日は明らかに負け将棋だったので、次はもうちょっといい将棋をがんばって指したい」