菅井竜也五段vs井上慶太九段 NHK杯 2回戦
解説 渡辺 明

矢内はブラウンのフワッとした服 シックでなかなかいい 
そして、解説に渡辺か! こりゃー豪勢だ 今週は期待の新鋭vsベテラン、どうなるかな

菅井は1回戦で行方に勝ち、竜王戦6組、順位戦C2、NHK杯は初出場 井上門下 
井上は順位戦B1で1回戦シード 竜王戦2組、NHK杯は20回目の出場
2人の対戦成績は井上の1-0 

渡辺「菅井はまだプロになりたてだが、久保に棋風が似ているということで、
 奨励会のときから名前はよく聞いていた 
 プロになってからもあっという間に活躍して、評判どおりの若手
 井上は居飛車正統派、じっくりした将棋 あまり攻め将棋ではない、振り飛車に対しては抑えていく将棋
 どちらが自分のペースに持ち込めるか」
 
事前のインタビュー
菅井「師匠(井上)には小学生のときから教わっているので、今日教えてもらえるのは楽しみ
 恩返しができるようにがんばりたい」

井上「(弟子の菅井とは)あんまりやりたくないんですけど、NHK杯では(師弟対決は)
 めずらしいと聞いているので、そういった意味ではうれしい
 菅井はまた強くなっているので、ちょっとでも抵抗したい」

さあ、楽しみだ 菅井はこの前の大和証券杯で、羽生、豊島、屋敷、村山に勝って、見事優勝している
その菅井に、師匠の井上はどう立ちはだかるのか?

先手菅井で、3手目▲7五歩で早石田、井上は△8四歩~△8五歩で正面から受けて立ったか!
井上から角交換で、早石田にありがちな▲7六飛+美濃vs△居飛車+船囲いの図式に収まった

渡辺「お互いに想定していた将棋と思う この形は菅井のほうが研究量は圧倒的に多い」
まあそうなんだけど、振り飛車党は相振りもやらなくちゃいけないもんね 
居飛車党でも振り飛車党でも、どっちでも苦労はあるよね

渡辺「後手としては千日手狙い 先手に無理攻めをしてもらって、それをとがめられるかの勝負」
さて、先手はどうやって局面を打開する? 私にはわからん、と思っていると、菅井は3分ほどの考慮で
▲6七角の自陣角! あー、そんな手があるのか 菅井、いかにも指しなれてますって感じだ

渡辺「(後手にとって)一気にイヤな局面になりましたね(笑) だからイヤなんですよ」
え~ もう後手困ってるの? この角、2三の地点にも利いているから、絶対働きそう 
え~ これ一発で勝負あり? そんなのあり?

井上さん、どうする、と思っていると、狙われた3四の歩を伸ばしたか 
でも、3四に空間が空くのはすごくイヤなんだよね もう菅井ペースのような・・・

渡辺「いきなり▲8五桂と捨てていっても、先手に楽しみが多い局面」
え~ ▲6七角、そして▲8五桂、その2手だけで、もうさばけて、振り飛車有利になっちゃうのか
将棋の中盤戦って、こんなに簡単? こりゃー 早石田、やめられないだろうね 

渡辺「▲8五桂なら、後手はどう粘るかというところです」
前々から私がずっと言っていることだけど、先手に▲8五桂と歩を取る権利を与えてしまうなら、
後手が△8五歩と伸ばしたのは何だったのか お手伝いとしか思えない・・・
3手目▲7五歩に対して、△8四歩~△8五歩は作戦としてそもそも損と思う

菅井は▲8五桂ではない手を選び、中央方面での戦いになった やはり菅井ペース、との渡辺の解説
渡辺「これは後手、局面をまとめられない気がします」
井上さん、持ち駒の銀を投入してからんだが、先手の左金と交換になってしまった
渡辺「(銀打ちは)不本意な手ですけど」

気がつけば、先手は角、銀、銀を手持ち、左桂は8五に居て取られない、飛車の攻撃参加も見込める、
美濃囲いは安泰、どう見てもさばけまくりだ 菅井がうまいのか、井上さんが甘いのか・・・
渡辺「なんだかんだで、ずいぶんさばけましたね」
あっちゃー、居飛車党の私としては、どう押さえこむか興味があったのだが、
これではどうにもこうにも、見事な菅井のさばきっぷり、大岡越前もびっくりではないかorz

渡辺「美濃囲いと船囲いの決定的な違い、船囲いは一度壊れると修繕がきかない、
 美濃は崩されても駒を打ってまた固くなる」
この解説が聞こえたかのように、菅井は自陣にベタベタと銀を貼り付け、ものすごく固い美濃になった
居飛車側からすれば、もう見るのもイヤ、という感じ(^^;

その後、急所の位置にあった後手の馬の行き場を問う、▲6七歩といううまい手が出て、
最後は8五の桂にまで、しっかり攻撃に参加されてしまい、順当に菅井が寄せた
111手で菅井の勝ちとなった 

結果的には1手違いではなく、2手差以上がついていた 早石田のお手本のような一局となってしまった
あー、もっとハラハラの熱戦を期待したのだがorz
渡辺「菅井が勝ちやすい展開で、終始リードを保った」

この早石田という戦法、攻めの駒と守りの駒の分業がはっきりしていて、それぞれが役割を果たしやすい
非常に優秀な戦法だ、とまた思えた将棋だった
▲6七角と打たれた時点で、もう居飛車側は自信がないだろう

感想戦では、井上「なんでそんな固めるの、あんた」と言っていたが、
玉は固いほうがいいに決まってるのだから、仕方がない(笑)

井上さん、△5八歩と垂らして攻め合いにいったけど、あそこでは△8五飛成として、
徹底防戦するほうが良かったか? もう受けまくる方針で・・・ うーん、だめかなあ
あー、せっかく渡辺が解説だったのだが、わざわざ渡辺を呼ぶ必要もなかったような内容で、残念だった 
ただ、早石田使いの人には参考になる将棋だったね 
私は居飛車党だから、自分が負けたような気になった(^^;