第19期 銀河戦
決勝トーナメント 決勝戦
糸谷哲郎五段vs渡辺 明二冠
対局日: 2011年8月26日
解説:郷田真隆九段
聞き手:矢内理絵子女流四段
記録:野田澤彩乃女流1級

おお、聞き手が矢内ではないか 今日もきれいだね
薄いブルーの服の色が、同色のアイシャドーとマッチしている 

さて、いよいよ決勝戦だ 
決勝トーナメントで、糸谷は郷田、長沼、羽生に勝ち、渡辺は野田、丸山、稲葉に勝ち決勝戦進出
第19期銀河戦の覇者はどちらになるか 

郷田「糸谷は、羽生戦は会心譜だった 渡辺は危なげなく圧倒してきている」
私の見るところでは、糸谷は羽生戦がやや危なかった 
ギリギリで必至がかかったので勝ちだったからね
対して、渡辺の方は、郷田と同意見、全く危なげなく、磐石の勝ち方をしてきたと思う 

23年度の成績は、糸谷13勝6敗 渡辺11勝1敗 2人の対戦成績は1-1のイーブン
さあ、先手糸谷で決勝開始 ノーマル角換わりの、相腰掛け銀にスイスイ進んだ
糸谷が▲4五歩、渡辺も△6五歩と位を取り合う作戦
郷田「もうこれで実戦例はぐっと減る 力将棋ですね」

糸谷が角を▲4六角とすえて攻勢を取ったのに対し、渡辺は金銀4枚でガチガチに固めることに成功
郷田「駒組みは後手不満なし」
うーむ、糸谷、角を打っちゃったのに、仕掛けられないのか 早くも渡辺の作戦勝ち・・・?

が、糸谷、香損して一歩を入手、強引に仕掛けることに成功した
郷田によれば、この攻めは成立しているらしい 矢内は糸谷の攻め方に感心し、
矢内「あれだけ手が出なさそうな局面から・・・」
そうだよねえ 私も見てて、後手は手がつけられないほど固いと思ったのにね さすが糸谷!

渡辺も負けじと、得した香を糸谷陣にカチ込んで受けに回る展開
郷田「優劣は不明」
おお、いいねえ 決勝にふさわしい熱気が漂ってきた 糸谷も前傾姿勢で気合いが入ってる

糸谷の攻勢に押され、渡辺、受けるだけの歩打ちを余儀なくされた
郷田「これは! 形勢が悪いのを認めた手ですね」 
考慮時間も、残りが▲糸谷5回vs△渡辺0回、竜王ピンチ!

郷田「もうハッキリと糸谷が形勢良し」
それでも、渡辺は粘り、決め手を与えずに指している 
糸谷は攻めればいいのだが、手が広すぎ、最善を指しにくい展開のようだ
正直私のレベルでは、僅差にしか見えない(^^; 
すると、郷田「でも、逆転する可能性のある将棋」
え、やっぱりそうなの?
すると、また郷田「先手がどうやって攻めるのか、読みきれない」
えええ、結局どうやねん!?(笑)

渡辺玉、上部に逃げ出し、寄るかどうか際どい攻防
郷田は糸谷が勝っている、と言っているのだが、具体的な手が出てこない
実戦的には、かなりギリギリのようだ

糸谷、次の一手が明暗を分けるか、というところで、▲5九角と打つ、攻防の角が出た!
郷田「これは面白い角を打ちましたね~! 実戦的な好手ですね~!」
後手からの飛車打ちの王手にそなえつつ、後手玉の入玉も防ぐ妙角だ!
さすが糸谷、以前「寄せのときの桂の使い方がうまい」と書いたけど、角の使い方もうまい
桂も角も、糸谷の才能を発揮させる駒なんだろう 

ところが、渡辺もまだ決め手を与えない なんとも冷静に対応していく 
受ける側は一手間違えたら即終わりなんだけど、間違える雰囲気がない
そして当たり前だが、あきらめる空気がどこにもない 

糸谷、さらに金のタダ捨ての手も指したが、
渡辺は「読み筋」とばかりに、全く動揺しない 両者強い!

郷田はまだ糸谷が良し、とさかんに言っているのだが、具体的な手を言うことができない
ホントにこれ、先手がいいの? もう形勢、わかんなくなってるんじゃないの?
この最終盤に来て、具体的な手を全く示せないのに、「先手有利」っていう解説はおかしい

で、ついに郷田「これは逆転してるんじゃないかな?」
矢内「ゴール目前という感じだったんですけど・・・」
郷田「後手勝勢になってます 今の糸谷の手が最後の勝負手か」
矢内「糸谷、悔しそうですね」
郷田「必勝体勢に近かったんですけどね この将棋を逆転されると、やっぱり悔しいね」 
矢内「竜王の底力が出ましたね」
糸谷、ほぼ最後まで指し、142手まで力尽きた  渡辺の勝ちとなった 
渡辺、優勝! あー糸谷、負けたか 惜しかった・・・

郷田「糸谷が終始うまく指していたが、ホントにあと一歩(いっぽ)だった
 渡辺がとくだわらでふんばって、大逆転した 将棋は逆転のゲームと思わせられる、大熱戦だった」
うん、これは熱戦だった! 決勝にふさわしい好ゲームだった 終盤が特に面白かった
糸谷の才能豊かな攻め、渡辺の沈着冷静な受け、両者の力が出せていたね

ただ、郷田の解説がどうだったのか かなりの終盤まで糸谷が優勢と言い続けていたが、
実際はどうだったのか? 
感想戦で、終盤、先手側のハッキリした勝ち筋を探したが、
3人が10分検討しても明快な手が見つからなかった
糸谷、渡辺、郷田が10分検討して手が見つからないのでは、全然難しい局面だったんだ、やっぱりね

糸谷としては、NHK杯に続き3度目の準優勝だけど、今回のは力が出せていた、仕方ないね
次につなげられる負け方だったと思う この決勝戦、才能あふれる、堂々たる指しまわしを見せてくれた

優勝者インタビュー
渡辺「途中でかなり悪くして、ダメかなと思ったが、糸谷君が果敢に決めにきてくれたおかげで
 勝つことができた 今年は囲碁将棋チャンネルの講座に出演させていただいたので、
 なんとか格好をつけたいと思っていたのが、いいプレッシャーになったと思う」

先日の朝日新聞に、渡辺の記事が出ていたんだけど、それによると、
渡辺は普段、1日10時間ほど将棋の勉強に当てているそうだ そりゃ、強いわけだわ
勝つべくして勝ってるね 1日10時間、毎日続けられないよね 普通ね

渡辺の優勝で第19期は幕が下りた みなさま、お疲れ様でした!