深浦康市九段vs藤井 猛九段   NHK杯 2回戦
解説 森内俊之

矢内、スッキリした紺のジャケット 学校の先生みたい 
さて、今日は楽しみなカードだ 解説も森内名人が登場だ

深浦は竜王戦1組、順位戦B1 1回戦で石川に勝ち NHK杯は19回目の出場
藤井は竜王戦1組、順位戦B1 1回戦はシード NHK杯は18回目の出場
2人の対戦成績は、深浦の9勝、藤井の19勝とのこと 藤井がずいぶん勝ち越しているね

解説の森内「深浦は居飛車党で研究熱心、どんな展開も苦にしない 粘り強く寄せが鋭い
 藤井は序盤の革命家、次々に新しいアイデアを出してくる ポイントを積み上げるタイプの棋風で、
 持ち時間が長いほど強い 見所満載の一局」

事前のインタビュー
深浦「藤井は攻めが強い、序盤に工夫をしてくる 居飛車か振り飛車か、どちらで来るかわからない
 一局を通して気を抜かないようにしたい」

藤井「深浦は粘り強くて研究熱心 前期でもNHK杯で対戦したので、またかという思い(笑)
 NHK杯はたくさん勝ちたい、がんばりたいと思います!」

先手深浦で居飛車、後手藤井の作戦は角交換振り飛車だった 
藤井は囲いを△6二玉~△7二玉~△6二金と3手で終わらせ、左銀を早々に繰り出し、仕掛けていった
森内「後手としては怖い局面ですね~ 銀損したら将棋が終わってしまいます」
ドキドキ、藤井、大丈夫なのか

深浦は普通に対応しているように見えたのだが、結局銀は殺せずじまい 局面が落ち着いてみると、
結果として後手の銀が5五に居座り、威張る駒になってしまった 
森内「後手だけ一歩持ち、うまくいったんじゃないか 5五の銀が追えない 深浦困った」
私は居飛車党なんで、深浦の側を持ってみていたのだけど、
変なところは全然なかったぞ な、なぜだ? いつの間に後手が作戦勝ちしたのか?
森内「藤井の指し方がうますぎますね」
いや~、名人にこう言わせる藤井の序盤術、やはり逸品だ!

しかし、深浦は「勝負はまだまだこれから」と金銀4枚で固めた 藤井は玉側の桂を跳ねて攻めを見せる
深浦は攻めてこい、と挑発含みの駒繰り、藤井は△8五桂と跳ねて仕掛けた! 
この辺りの応酬、お互いの棋風を熟知しているどうしであることがうかがえる さあ、いざ勝負!

藤井が△4四角と急所に打ち、深浦が▲3五角と合わせた局面 
当然、△同角の一手、と思えたところ、藤井の奇手が出た
先手の歩頭に、△5五銀と引いた!! うおっ!! こ、こんな手が!!
森内「おおお~! これはすごい手ですね~!」
矢内「びっくりした」
ここは魅せたな~ 升田幸三の▲3五銀と引いた有名な手があったと思うが、それを思い起こさせた!

ところがところが、ここまで完璧に指していたと思われた藤井、これで藤井が良くなるはず、
これだけうまく指していたから、ハッキリ後手優勢・・・のはずだったが、
実際には局面があまり進行していないではないか  
森内「すごい長期戦になりましたね」
矢内「まだ道のりはけっこう長い・・・」
森内「はるかに長いですね」
ホントにまだ先が見えない もう番組開始から約1時間経ってるのに、本格的に駒がぶつからない

そして、考慮時間の残りが、▲深浦3回vs△藤井0回になっちゃった 
藤井、魔の秒読みの時間帯が来てしまった!

秒を読まれて、慌てて△4七角と打ち込んでしまった辺りから、おかしくなってしまったのかもしれない
深浦に▲3七桂~▲4五桂と活用され、馬を作られ、▲6八飛と振って攻めを見せられた藤井
後手陣は銀をはがされ、金もはがされ、薄くなっていく あれよあれよという間だ
森内「深浦が盛り返している 先手は全軍が躍動している 後手は駒得だが遊び駒が多い」

深浦がうまく攻めたこともあるだろうが、投了は突然訪れた
遠見の馬のラインで尻銀、尻金の攻めを食らった藤井、いきなりの投了!! 109手で深浦の勝ち 
え~ まだ△8二金で受かってるんじゃないの~? 
いや、そうか 銀のほうを取られて必至がかかるのか ああ~ 藤井・・・ 終盤が・・・orz 
森内「序盤、藤井がうまかったが、深浦がうまく追いついた 最後の寄せも素早かった」

終局直後、藤井「時間がないと、一局か」とつぶやいていた
少々序盤でリードしても、早指しだと「それも一局」程度にしかならないという意味合いだ
感想戦では、森内に「△5五銀、面白かったですね」と言われ、
藤井は「面白かっただけですね」と答えていた あ~ 藤井、悔しそうだった

序盤、藤井はあれだけうまく指していながら、それほど形勢に差をつけられず、
秒読みになってからの終盤で、一気に深浦に抜き去られた 
藤井を見ていると、「将棋は終盤が強いほうが勝つ」という言葉が、痛いほど突き刺さってくる
せめて、一手違いで負けたならともかく、最後は大差でボロ負け 
あ~、これには見ていた私もガックリ・・・(^^;

順位戦で5連敗して、かなりピンチな藤井 今調べたら、竜王戦でも連敗で降級、来期は2組ではないか
藤井は銀河戦では、相矢倉で左の銀を▲5七銀と活用する順を見せ、
「居玉のままの相矢倉が成立するかも」という驚愕の作戦を見せていた 藤井の将棋は面白い!  
しかし、終盤で逆転され、勝ちきれない・・・ トホホ
その序盤の才能と職人芸は誰もが認めるところ また調子を取り戻してほしい!

事前の森内の「藤井の序盤作戦、深浦の粘りと鋭い寄せ」という見所の予想が
ピッタリ当たった一局だった 
最後は差がついてしまい、盛り上がりに欠けて残念だったが、仕方がない
NHK杯は2回戦に入り、これからも魅力的なカードが続く 来週の森内vs山崎に期待!