丸山忠久九段vs島 朗九段   NHK杯 2回戦
解説 郷田真隆

うおっ! 矢内、派手なスカーフ姿でキター やったぁ 紫と白のシルクの大きなスカーフ、超いい! 
さて、今日は丸山vs島か 難解な予感(^^; 郷田の解説に期待だ

丸山は竜王戦1組で優勝し、挑戦者になった 順位戦はA級 1回戦シード NHK杯は21回目の出場
島は竜王戦2組、順位戦B2 1回戦は甲斐女流に勝ち NHK杯は28回目の出場

解説の郷田「丸山は各棋戦、安定した戦いぶり 島はずっと第一線で活躍している
 2回戦屈指の好カード」

事前のインタビュー
丸山「島はパンチ力の強いハードパンチャー 自分のペースをつかめたらいいと思う」

島「丸山はA級上位の安定勢力 つけいるスキがない、困った相手
 過去の対戦成績が悲惨の一語なので、そろそろ勝ちたい 対局中、過去を忘れられれば」

島は、昨年度の銀河戦Eブロックで、7人抜き中だった阿部健冶郎に、
急戦矢倉でわずか48手で勝っているから、ハードパンチャーというのもうなずける
(その後、中村修に勝ったあと、タニーにも62手で勝っている)

先手丸山で対局開始 丸山がけっこう大きな声で「お願いします!」と言ったのが意外だった
丸山、指し方は「音無し」だけど、挨拶は大きな声でするんだね
戦型、丸山の角換わりを、島が受けて立ったか さてさてどうなるか

2人の対戦成績が出た えーと? 丸山の16勝、島0勝 って、なんじゃこりゃ!? マジで!?
矢内「こんなことがあるんですね」
郷田「ちょっと信じられないですね 棋界の七不思議」
これは、今回は島さんを応援しないといけないな~

▲腰掛け銀vs△棒銀だ 郷田「この形は先手がいいとされているが、島は棒銀を得意としている」
序盤、一手一手、意味があるというのを、郷田はすごく詳細に解説してくれる
郷田の説明、わかりやすい! 互いに相手の指し手を見ての駒組みなんだね
しっかし、ここまで緻密に序盤を指しているんだね さすが、トッププロはレベルが高い

さて、丸山がいよいよ仕掛けた 島が棒銀を立て直そうとした瞬間だ 
▲5五銀とまっすぐ立って攻めるのか あんまり見たことがない攻め筋だ
島も△4四銀とぶっつけて強防! うわー そんな強気な受けがあるんだ 面白い

丸山の攻めを受けてばかりはいられないということで、島、攻め合いを選んだか
△8六歩~△6五歩で十字飛車狙い 丸山、どう受ける・・・

郷田「▲4五歩が飛車の横利きを通して味が良いが、△5五銀と打ってくるからどうか」
ここで丸山、考慮時間を4回も投入 勝負所っぽいもんね
そして、指した手は、▲2二歩! おお そこに目が行くか
激しい攻め合いになりそう ワクワクワク

島、△4八角としてみたものの、▲2八銀と守られてみると、角が動けない
△4八角と△3九銀が釘付け これは後手苦しい 島、どうする このままではハッキリ悪い
もう困ったか 角と銀が動けないんじゃ、勝負にならない あー 困った ダメか
そこで出た、島の渾身の勝負手、カツラが跳び上がった、△3三桂!
おおっ この桂で△4五桂狙いがある、そうかあ
郷田「勝負手ですね」 
やはり島も強い! 16連敗しているとは思えない これは一気に難解な局面になっただろう
今度は丸山が困る番だろう この一局、面白い!

しかし、ここで丸山が竜王戦挑戦者の本領を発揮した
盤上中央に、ドンと▲5五角! うわ なんだこれは? 全然見えなかった 
意味は・・・3七に受けに利かせて、さらに攻めては2二の金取りか  
郷田「これはいい手かもしれませんね」
うわー、私の見えない手の連発だ すごい 見てて楽しい 面白い これぞトッププロ同士の将棋だ

飛車が成りこめて、もう丸山の勝勢か あー これは決定的だろう
が、まだ島は玉の早逃げで粘った 粘れ、粘れ 島さん、なんとか17連敗を阻止できないか
ここで! また丸山に絶好手が出た 焦点の歩、▲6二歩!! うわー なんだこれは
郷田「大変いい手ですね」
こ、これが竜王挑戦者、A級棋士の手か! ぐおー み、魅せる!

この後、△4二歩▲1一馬となり、島は△5四桂と攻め合ったが、これがどうだったのか 
とにかく△6二玉と早逃げするべきではなかったか それでもう一勝負あったと思うけどね
▲6三金でがっちり縛られては、勝負ありとなってしまった 
島はもう1回、△2二歩という焦点の歩の手筋を見せて、ハッとさせてくれたけど、
ここからはもう及ばずだね あー、島、今回も力及ばず・・・

後は先手玉を追い回したけど、やはりダメだった
▲6三金の後も指したのは、島さんの視聴者用のサービスだろう
115手で丸山の勝ち ああー これで丸山の17連勝になっちゃった でも、好局だったよ
郷田「丸山の好調がよく出た会心譜だった」
丸山が総合力で上回ったね 

局後すぐ、島「▲5五角がいい手でしたね」
思い浮かばないよね 島のカツラを跳び上げた△3三桂も相当の勝負手だったのだけど・・・
島の敗因としては、やはり棒銀が7三で遊んじゃったことだろうか そこまでさかのぼりそうな感じがする

感想戦がないのが残念だった えっ、もう感想戦の時間ないの?という感じで、あっという間に感じた 
しかし、この一局、私の思考を上回る手の連発で、攻め合いでハラハラ、見ていて楽しかった
NHK杯、ひさしぶりに満足の一局だった 両者の力が出ていてとても良かった

郷田の事前の「2回戦屈指の好カード」の言葉どおり、面白かった!
矢内さんのスカーフも良かったし、楽しい時間だった(^^)