第20期 銀河戦
本戦Aブロック 2回戦
長岡裕也五段 vs 東 和男七段
対局日:対局日:2011/9/27
解説:高田尚平六段
聞き手:中村桃子女流1級
記録:野田澤彩乃女流1級

1回戦がA~Hブロックで終了、ここから2回戦だ
長岡vs東(あずま)、解説には高田・・・ 
今回の顔ぶれも実にマニアックだな~(笑) 銀河戦ならではでいいねえ

聞き手の中村桃子ちゃんも、普段なかなか見る機会がない フレッシュでいい
桃子ちゃん、体が細いなー 目とか口が大きいので、なんかアンバランスな感じ
宇宙人みたいな声も個性的だ 親しみがもてる

長岡は予選で近藤に勝ち 東は前局で佐藤義則に勝ち
23年度の成績は、長岡6勝5敗 東2勝5敗 
今期から、対局者同士の対戦成績の表示がなくなってしまった 残念だ

解説の高田「長岡は四段の頃は振り飛車党だったが、今は居飛車党 すごい熱心な研究家
 東は関西で理事を長く務めている けれんみのない居飛車党 戦型は相居飛車になるだろう」

戦型は高田の予想に反し、▲ゴキゲン中飛車vs△居飛車+玉頭位取りになった
なんと、序盤早々、東の駒組みに問題があったようで、下図以下、▲5五歩と合わせたところで、
もう長岡が有利に!▲5五歩に△同歩は▲同飛が▲7一角の筋と▲8五飛の筋を見せられて後手不利
▲5五歩を放置すると、▲5四歩△同銀直▲同飛!△同銀▲7一角で技が決まってしまう
後手、うまい受けが見当たらないではないか

後手:東
後手の持駒:角 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・v金 ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・v金 ・ ・v玉 ・|二
|v歩 ・v歩 ・v銀v銀 ・v歩 ・|三
| ・ ・ ・v歩v歩v歩 ・ ・v歩|四
| ・v歩 ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|五
| ・ ・ 歩 銀 ・ 歩 ・ ・ 歩|六
| 歩 歩 桂 歩 ・ ・ 歩 歩 ・|七
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ 銀 玉 ・|八
| 香 ・ ・ 金 飛 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 歩 
先手:長岡

▲5五歩 △3三角

うっそー、と言いたくなるくらいだ プロがこんなに早く作戦負けになるのか? こんなんでいいの?
高田「主導権は先手が握ってますね 後手はどうやるのかなあ わからない」

東は考慮時間を5回も投入し、△3三角という手をひねりだした(4四の地点を守った手) 
これ、24の早指しなら、5分も長考できないから、もう後手が一方的に負けていても不思議はなかった

この後手の居飛車の作戦だけど、▲5六歩に△5四歩とするのは、そもそも理にかなってないと思う
先手が中飛車で5筋を攻めようとしているところなのだから、 
私には居飛車の△5四歩は、お手伝いの悪手としか思えない 
居飛車側は他の対策のほうがいいと思う 本局の後手の序盤は「先手のお手伝い」になる典型例だった

今、ちょうどNHK講座で戸辺が先手中飛車をやっているけど、
それも△5四歩と受けている例をやっている
私は居飛車党だけど、△5四歩と受けない作戦を選ぶようにしている 

長岡の一方的な将棋になるのか、と思いきや、ここから東が見事な指し回しを見せた
最強の勝負手をどんどん繰り出してくるのだ 高田の予想を上回る好手連発だ 東、強い!
高田も感心しきりだ 高田「非常に実戦的な指し方ですね」

局面がどんどん複雑になり、東は自陣に手放した角もすごく巧妙に活用した
高田「先手が良さそうだけど、先手は玉が薄いからどっちが勝つかわからない」
うわー、泥試合だ これは面白い  
さらに手が進んで、高田「これは逆転したんじゃないかなあ 東が逆転しましたね 大熱戦」
ええー、この将棋を後手が勝つのか 東、やるぅ!! これは拍手ものだ ベテラン、強し!

と、思って、もう終了モードで見ていたら、何と、東、勝勢だったのに単純な受けを誤り、
一気に玉が危なくなった え~、何で?? 
そして、東、最後はなんと大トン死の一手詰み!!
う、うっそー なんという終わり方、見ていて呆然・・・ 111手で長岡の勝ち 

いや~、熱戦で見ていて楽しかったけど、うーん、お互いに逆転されすぎという感も大アリ(^^;
東、序盤はあっという間に作戦負け、中盤はすごく粘り強くどんどん盛り返す、
最後は簡単な受けを逃しトン死 ・・・強いんだか弱いんだか全然わかりゃあしない(笑)

この一局、高田の解説が面白かった 戦型から高田の予想がもうハズレたが、
その後も高田の予想した手がもうハズレにハズレた こんなにハズレるのはめったにないぞ(^^;
しかも、ハズレっぷりがいい 高田の予想手と全く違う発想の手を対局者がやるもんだから、
見てて楽しかった 

ことごとく予想した手が当たらず、高田「あら、全部ハズレるなあ」 「見事にハズレますね(笑)」
しかも、最後の最後も、誰が考えても絶対手というところでも、予想手が、まさかのハズレの連発
それもそのはず、東の最後の手は大悪手の一手詰み こんなの誰が予想してもハズレるわ(笑)

勝った長岡のほうも、研究家なのはいいんだけど、この序盤の作戦勝ちを勝ちに
直接結び付けられないのでは、上に上がるのは苦しいだろう、と思わずにはいられなかった
色々あって、とても内容が濃かった一局だった