永瀬拓矢四段vs広瀬章人七段   NHK杯 2回戦
解説 遠山雄亮

うおー、矢内、変わった衣装! なんだこれは、幼稚園の保母さんか? 
赤の水玉の、赤い服 髪は後ろにすっきりまとめてる NHKの朝の連続ドラマの主人公になれそうだ

解説は遠山か 遠山のブログは更新が頻繁(ひんぱん)なので、よく見ている
お、遠山、眼鏡を新調したね 新しいのもいいけど、前の黒ふちの眼鏡、似合っていたと思う

永瀬は1回戦で、千日手2局の末、康光から金星 NHK杯初出場 竜王戦6組、順位戦C2
広瀬は1回戦はシード NHK杯は6回目の出場 竜王戦4組 順位戦B2

解説の遠山「永瀬は勝負をあせらない、勝負に辛い 今期18連勝を記録した、今が旬の若手
 広瀬は王位を羽生にフルセットの末、奪われたが、ここ1~2年でトップ棋士の仲間入りをした
 充実している2人の対戦 2人は公式戦では初手合いだが、練習では良く指している」

事前のインタビュー 
永瀬「広瀬は序盤からスキがない、終盤も切れる 序盤から狙っていきたい
 広瀬には、三段の頃からお世話になっているので、恩返しできるようにがんばりたい」

広瀬「永瀬はプロになって1年ちょっと、勢いのある若手 彼は受け将棋、私は攻め将棋なので、
 そこを見て欲しい (永瀬は振り党なので)居飛車で行こうと思う」

雑談で、遠山「永瀬はプロになったとき、大山名人のような棋士になりたい、と言っていた
 広瀬の終盤力はプロの中でも輝きを放っている 大学にも通い、付き合いもいい もう弟子もいる」
調べたら、永瀬19才、広瀬24才 若い2人の対戦だね

さて、先手永瀬で対局開始 ▲7六歩、と思い切りビシッと指す手つき、元気があっていいねえ
▲ゴキゲン+美濃vs△居飛車+位取り模様に進んだ 
遠山「中飛車は私の得意戦法なので、永瀬が気を使ってくれたのかなあ(笑)
 解説しやすくて助かります 矢内さんも中飛車を指してますよね」
矢内「いやいや、素人で(^^;」

この一局とはあんまり関係ないけど、矢内は2009年に「矢内理絵子の振り飛車破り」という本を
出している 内容は端玉銀冠と、▲4五歩早仕掛けだ
その本の帯には、大きく「私はこれで戦います!!」と書いてある
ところが、この本を出して以降、矢内は棋風が明らかに変わって、端玉銀冠と▲4五歩早仕掛けは
ほとんど指さなくなってしまったのではないだろうか?(^^; 矢内の棋譜を全部見たわけではないけどね

序盤、早くもこの対局のハイライトを向かえた 永瀬が▲5五歩とぶつけた後、▲5四歩と取り込んだのだ
これで広瀬の銀が、手順に△同銀と出てくることになった
遠山「広瀬の穴熊を警戒して、穴熊に組ませないようにした手」
そうか、そういう裏事情があったのか

広瀬に△6五銀と出られては困るので、永瀬は▲6六歩 これで先手の角道が止まってしまった
ここがもう、本局の最大の勝負所だったのではないだろうか
なんと、この後、終局まで先手の角が使えることはなかった・・・
盤上に現れない裏側で、「広瀬の穴熊」が無言の圧力になっていたのだ 
やはり、絶対的な得意戦法がある、というのは強みだね

遠山「かなりじっくりした駒組みになった」
永瀬、広瀬にガッチリと手厚く構えられ、駒組み負けしているのでは?
少なくとも、先手番の得は全然なくなったように見える
遠山「広瀬が若干リードしていると思う」

広瀬は歩をぶつけて攻めてきた やはり、広瀬は自分のほうがいいと判断しているのだろう
遠山「広瀬の厚みの攻めを、永瀬がしのげるか」
しかし永瀬もさすがに力がある、強く受けている 勝負手と思える銀上がりの受け!
広瀬、角を切っての特攻で押せ押せ、後手を持っても怖いところだ

遠山「先手は左側の角と銀が遊びそう 7七の角は石ころ同然
 私が先手を持ったら、攻められていてイヤだけど、永瀬は苦にしない」
石ころ同然、という表現はいいね これから私も使わせてもらおう 
ここで永瀬が力を見せた、じっと ▲4六歩! △4五桂を消しただけの手だ これが指せるのは強い
広瀬も地味な手で返す、自陣の銀をじりっと上がって、力を溜めた
広瀬も並みではないなー ここの応酬は見ごたえがあった!

遠山は「広瀬が勝ちそう」と言っているが、永瀬は決め手を与えない
遠山「混沌としてきた 微妙なあんばい」
む、難しい どっちが勝ってるねーん 後手の厚みでのじっくりした攻めのため、見ていて疲れる(^^;

手が続くが、永瀬、やはりちょっと苦しいか おー でも後手玉に詰めろまでかけたか
さらに玉を早逃げでがんばるか ど、どうだ?
遠山「まだまだ難しい勝負であってくれ、という願いがこもった手つき」
永瀬の手つき、「念」が入ってるもんね(笑) 

広瀬、強気に玉を上に逃げてきた! うおー そうか、さっきまでは入玉できなかったけど、
今度は入玉が狙えるようになったのか! そして、待望の手番が広瀬に回ってきた
遠山「クライマックス」
広瀬、自玉を安泰にしながら、鮮やかな寄せ順を見せた 
最後の手、△7八角成だったけど、私には見えなかった 
私なら△8九角成、と突っ込んでしまうところだった(^^; 
ああー、広瀬、やはり終盤が強い さすがだね 136手で広瀬の勝ち

遠山「広瀬の攻め、永瀬の受けの持ち味が出た熱戦だった」
矢内「どこがポイントだったんだろう」

ポイントは、やはり永瀬が序盤で、広瀬の穴熊を警戒し、▲5四歩と取り込んだところなのではないか
△同銀とされ、△6五銀を防ぐために▲6六歩と角道を止めざるを得なかったことにあるんじゃないか
もうそこまでさかのぼりそう 後手に厚みを作られてからは、先手はノーチャンスだったのでは・・・
先手の角は「石ころ」だったもんね 
終盤ずっと「際どい勝負」に見えて、序盤の構想が勝敗を分けた そんな一局だったと思う
プロの将棋は厳しいね 勝つのが大変だ 

私はいつの間にか先手側を持って見ていたため、厚みの押しつぶしの攻めを喰らい、
見ていて疲れた一局でもあった(^^;