第20期 銀河戦
本戦Fブロック 2回戦
大石直嗣四段 vs 甲斐智美女流王位
対局日: 2011年9月2日
解説:小林 宏七段
聞き手:貞升 南女流1級
記録:野田澤彩乃女流1級

土曜に放送された一局
甲斐女流王位は、前局で滝に勝ち 大石は予選でデカコバ(小林裕士)に勝ち
あらー、デカコバ、この大石とやらに負けちゃったのか 
デカコバの将棋を私は毎年、楽しみにしてるんだけどね

23年度の成績は、甲斐9勝10敗 大石12勝6敗
解説の小林宏「甲斐は、前局の滝との一局では、非常に落ち着いていた 早指しは得意なのではないか
 大石はモリノブ門下の、関西期待の若手 棋士になって2年目」

先手甲斐で、▲7六歩△3四歩▲7五歩△8四歩 大石が甲斐の早石田を受けてたった
小林宏「早石田は、昔は升田先生くらいしかやらなかった戦法
 最近は角を持ち合う将棋が多くなりましたね」

さて、角交換で、駒組みが一段落してみると、局面、膠着(こうちゃく)状態だ
先手早石田、いつもこうなるね(^^;
小林宏「先手から手を作らないと、千日手になる戦型」

甲斐は▲4六角と打ち、打開した さあーどうなるか 左方面で一気の大決戦は必至、と思われたところ、
大石、長考の末、△2四角! なんだこの手は、▲同角△同歩なら後手の手得というわけか
また角を持ち合い、戦いが先延ばしになってしまった
小林宏「実戦ならではの順、研究ではこういう手順は出ないでしょう」

甲斐、駒組みを進めるが、もうあんまり動かすところもない 
ここくらいか、と思える歩(▲4六歩)を突き出してみたのだが、
それが△6九角の打ち込みで狙われるハメに! 下図↓


後手の持駒:角 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・v金v金 ・v玉 ・|二
| ・ ・v歩v銀 ・v歩 ・v歩 ・|三
|v歩 ・ ・v歩v歩v銀v歩 ・v歩|四
| ・v歩 歩 ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 飛 ・ ・ ・ 歩 ・ 歩|六
| ・ 歩 桂 歩 歩 歩 銀 ・ ・|七
| ・ ・ 金 ・ ・ ・ 銀 玉 ・|八
| 香 ・ ・ ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 

▲4六歩 △3三桂 ▲2七銀 △6九角

実戦では、上図からの▲4六歩が敗着、△3三桂と跳ばれ、
後手の△2五桂~△6九角の筋を受ける手が、甲斐さんには発見できなかった
激指定跡道場2に訊いてみたところ、▲4六歩△3三桂には▲5九金でどうにかまだ互角、
ということだった(-150ほど)
▲4六歩のところでは、▲6六歩としておけば全く互角とのことだ


ありゃりゃりゃ、馬作りが受からないではないか 無条件で馬を作られた
しかも、馬を先手陣に潜り込まれて、形を乱されることに・・・  この馬に追われ追われて、
先手の左金、なんと9八に行かされちゃった! ▲9八金って、うわー、こんな金、見たことがない
小林宏「後手はっきり良し」

考慮時間も、残り▲0回vs△8回になり、もう盤上、甲斐のボロ負けムードが漂った
甲斐、端攻めでどうにか反撃したが、まあボロ負けは避けられないだろう、と思っていたのだが・・・
なんか、大石が受け間違えたようで? 甲斐、後手玉を追い込んでる???
甲斐が攻めてるけど、どうなってる?
小林宏「けっこう難解な終盤になってきた さすが女流王位ですね 逆転してる気もしてきました」
ええー ▲9八金を強いられたのに、甲斐が逆転したの?? 

が、大石に玉の早逃げを指されてみると、結局、甲斐の反撃は及ばなかった
甲斐、手のうちようがなく、116手までで投了となった 投了図は、結局大差だった

小林宏「かなり苦しかった将棋を甲斐が猛然と追い込んだが、大石がかろうじて逃げ切った」

これ、視聴者は小林宏の解説に惑わされただけで、実際は終始後手リードで、
甲斐が逆転してるってことはなかったと思う
大石は、勝ちを見切って端を対応したのでは、と終わってから思った
まあー、先手に勝ち目はないよね 何しろ、▲9八金だもんね 金落ち将棋だよ・・・

解説の精度がどうか、だったと思う 甲斐の、まさかの逆転勝ちを期待してしまったよ
残念だけど、仕方がない いつも思うが、女流vs新鋭四段では、やはり女流に勝ち目が薄い
女流にはロートルプロを当てて欲しい 大石にしたって、12勝6敗の高勝率だもんね
甲斐さんと、解説の小林宏さんとなら、いい勝負と思った(^^;