第20期 銀河戦
本戦Aブロック 3回戦
菅井竜也五段 vs 長岡裕也五段
対局日: 2011年11月1日
解説:村中秀史六段
聞き手:矢内理絵子女流四段
記録:野田澤彩乃女流1級

竜王戦第5局をやっているが、銀河戦もいつもどおり放送されているのだ
おっ、今日は菅井の登場か 前期銀河戦では、6人抜きした菅井 今期はどうか、楽しみだ

菅井は前期決勝トーナメント進出により、予選シード 長岡は前局で東に勝ち
23年度の成績は、菅井21勝8敗 長岡8勝7敗

解説の村中「菅井は関西の売り出し中の若手 久保を彷彿とさせるさばき、大和証券杯で優勝した
 長岡は若手の中でも屈指の序盤の研究家」

先手菅井で、3手目▲7五歩、長岡の注目の4手目は△8八角成の角交換だった
そこからまだ定跡があるようで、▲菅井の中飛車vs△長岡の居飛車という戦型
へー、早石田の定跡で、4手目角交換から、中飛車になる変化があるんだね

聞き手の矢内「どんどん進んでますね」
村中「両者、さも当然というように(笑)」
ここ、序盤、完全に解説をスルーされてしまった ちょっとでも解説してほしかったところだ

36手目、長岡、チャンスと見たか、いきなりドカーンと角を打ち込んできた!
おおー、そんな手が! 盲点になってた 村中も全然見えてなかったね
菅井はどうするか 角を取れば角銀交換になるが、8筋を破られて竜を作られちゃう
が、菅井、迷うことなく角を取った え、それでいいの?
村中「普通なら居飛車が成功ですけど」

ここから本局、一転して局面はすごい持久戦になったが、菅井の構想力がすばらしかった
後手の竜を追い返した菅井、角2枚をナマ角で打ち、じりっ、じりっとリードを広げていく

漠然とした局面がずっと続き、構想の勝負なのだが、菅井は実にうまい
久保が指したら、きっとこんな風じゃないか、と思える手の連発だ 
村中「菅井の手、気づきにくいですね~」
ホント、どうやったらこんな発想できるんだ、という手を指し続けてる
教科書に載ってない類(たぐい)の手の連発だ
カチカチ頭では全然思いつかない手を指し続ける菅井、何なんだ、この発想力は・・・ 

長い長い駒組み合戦だ 「両雄、相譲らず」と言いたいが、やっぱり菅井のほうが形勢がいいね
矢内「菅井、うまく手を作るものですね」
村中「ええ 簡単に押さえ込まれそうか、と思ったんですけど」 
考慮時間に差がついた 残りが、菅井▲9回vs長岡△0回になっちゃった!

95手目まで、両者、ずーっと駒組みしていたのだが、
秒に追われ、ついに、長岡がガマンしきれず、1端から攻めていったのだが、これが敗因となった
菅井は的確に応じていく それも、ほとんどノータイムだ こ、これはすごい・・・
村中「菅井は早いですねー 相当形勢に自信あるんでしょうね これは長岡、気が滅入りますね」
後手は駒損が拡大してしまい、最後は差がつき投了となった

147手で、菅井の勝ち 完勝だった 考慮時間を3回余す余裕っぷり、菅井、すごく強い!!
村中「急戦が収まって、力比べになったが、菅井は冷静な指しまわしで、慌てるそぶりが全くなかった」

さすが、大和証券杯で、羽生、豊島、屋敷、村山に勝って、優勝しただけのことはある!!
菅井のすごさが存分に発揮されていた一局だった ブラボーだ 見ごたえがあった! パチパチパチ

今、24ではボンクラーズが3300点くらいを叩き出している
しかし、人類にはまだ菅井がいるぞ、菅井ならなんとかしてくれるかも、と思わせるに充分な強さだった
小学生の頃から24で指しまくっていたという菅井、
今後、プロの代表としてCOMと指してもいいんじゃないだろうか 菅井なら大丈夫だろう!
まずは米長会長にがんばってほしいけどね

本局のような調子なら、菅井はA級に放り込んでも通用すると断言できる 
菅井の次の相手はブロガー遠山だ これは楽しみだなあ 
遠山は菅井を相手にどこまでやれるのか 注目だ