松尾 歩七段vs北島忠雄六段   NHK杯  3回戦
解説 豊川孝弘

あー、矢内、今日もまたきれいだね 化粧のノリもいいみたい 水玉のネクタイがオシャレ
解説は豊川さんか これは楽しみだ 豊川はピンクのネクタイ、似合ってる

今回から3回戦ということで、トーナメント表が新しくなった
さすがに3回戦ともなると、豪華なメンバーが残っているなあ
今日の2人は、その中で、えっと、一番地味な組み合わせという感じ・・・(^^;

松尾は1回戦で中村太地、2回戦で杉本に勝ち 竜王戦1組、順位戦B1 NHK杯は8回目の出場
北島は1回戦で屋敷、2回戦で糸谷に勝ち 竜王戦3組、順位戦C1 NHK杯は4回目の出場

解説の豊川「松尾は基本は居飛車党、たまに振る 攻めっけが強い、踏み込みのいい将棋
 北島は攻守にバランスが取れている 中盤は腰が重い 人柄は穏やかだが、将棋は頑固
 この2人の対戦は、熱戦が多い 読みが合うのだろう」
ちなみに、両者の対戦成績は、4勝ずつのイーブンだった

事前のインタビュー
松尾「北島は攻守のバランスが取れている 糸谷戦では、踏み込みのいい内容だった
 私も負けずにがんばりたい 早指しでは勢いよく指すことを心がけている 全力を尽くす」

北島「松尾は人柄も将棋に対する姿勢もすばらしい棋士
 途中で差をつけられないようにして、見ている人にドキドキしていただける将棋が指せたらいい」

先手松尾で▲矢倉vs△矢倉中飛車という戦型になった
松尾が早囲いを見せて、誘ったのかもしれない
豊川「矢倉中飛車は最近めずらしいですね 後手は玉が固くならないのでね」
駒組みが続く 豊川の解説、とてもわかりやすい 声もいいから、聞いていてリラックスできる 

雑談で、豊川「北島は45才で3回戦のメンバーの中では最年長 北島が3回戦まで進んだのは初めて」
そうか、じゃあ、私は北島を応援しながら見ようっと 目立たないが、影の実力者と思うしね

豊川「NHK杯は注目度が高いですね NHK杯で一局負けると、十局くらい負けた気がする(笑)」
矢内「『今期は調子が悪いですね』って言われちゃう(笑)」

豊川「一歩千金っていいますけどね 僕たちにとっては、一歩万金?」
矢内「アハハ ハイ ハイ フフフ ハイ フフフ」
ここ、矢内、すんごい笑ってた この日の矢内、笑いのスイッチが入っていたみたい(^^;

さて、北島が銀をぶつけ、いよいよ戦いが始まった 
豊川「先手は▲6五歩と行くんですかね?」
で、松尾、▲6五歩、やったぞ おお、行った行った 激しくなりそうだ ワクワク
私は急戦矢倉という戦型がかなり好きだ 攻め合いは、見ていて楽しいからね 

形勢はどうだ? 後手は薄いが大丈夫か?
豊川「北島がいい感じでいっているかも」
矢内「どっちを持ってみたいですか?」
豊川「いい勝負、どっちも持ってみたい」
へぇー、こういう回答はめずらしいね 
豊川さんも、居飛車党の攻め将棋だから、こういう展開は大得意、というところか

北島の右桂が△6五桂と跳ねて、大活躍している 後手玉は薄いけど、わずかに後手がいいか?
長考に沈んでいる松尾 勝負どころだ
豊川「松尾の後ろに、左馬(ひだりうま)が見えますけどね ウマく指せますかね?」
矢内「フッフフフ フフフ フフフ(笑)」
・・・このダジャレが大ウケしていた こんな程度のダジャレで笑うのか? 
今日の矢内、ハードルが特別に低いなー(^^;

局面、いよいよ、お互いの玉が寄るかどうかのギリギリの終盤になってる どうなるどうなる
頭を抱えている北島が映し出された 北島に勝ってほしいが、どうか 
何しろ後手玉は薄いんで、間違えは許されない 
豊川「北島が事前に言っていたとおり、ハラハラドキドキになりましたね」
そのとおりだね お互いにこれといった悪手のない、好試合になってるね

後手玉に王手がかかり、
豊川「西村一義さんの格言で『迷ったときは取れ』というのがある だから取る!
 もし間違えたら、西村先生のせいにしちゃう」
矢内「フフフ ハハ」
これは私も笑った

さあ、ホントにギリギリだぞ 北島が勝ってるんだよな?
▲4二金と王手されたけど、後手はどう対応するか? 北島、△3三玉か これでいいのか?
豊川「あ!?」
あれ、あれ、豊川の様子がなんかおかしい
豊川「どうやら詰み・・・みたいです (詰み手順は)見ている方にお任せしましょう」
ええーー 詰みなのーーー どうやって? ええーーっと、ええーーと、
局面、手が進むけど、私にはまだわからん、まだわからん(^^;、
で、あーー、やっと私にも詰みがわかるようになった あああーーー 北島負けた・・・ 残念!! 
97手まで、松尾の勝ちとなった

どうだったんだ、トン死なのか、それとも必然の詰みなのか?
10分ほど感想戦があったが、これが実に内容が濃かった 
北島が、桂を渡した後に詰めろをかけたのが敗着かあ
そして、最後は△2二玉と逃げたら詰まなかったらしい、ということだった ああーー 
2つも勝ち筋があったのに、逃しちゃったのか あー、北島、惜しかった 

そして、終盤の忙しいときに、先手に▲3七桂なんていう手があったか!! 北島が指摘した手だ
この手を見つけられる北島、強い!
▲3七桂かあ 羽生とか渡辺なら、指していたかもしれないなあ 
▲3七桂みたいなカッコイイ手、実戦で見たかった 

でも、好局だった 面白かったよ 急戦矢倉の面白さがよく出ていた将棋だった
豊川が「2人は読みが合うので、熱戦になる」と言っていたとおりの内容だった

NHK杯、3回戦となり、これから豪華な顔ぶれが続く 期待が高まるね(^^)