2011.12.07
週刊将棋ステーション ゲストは近藤正和六段
週刊将棋ステーション ゲストは近藤正和六段でした
インタビューをまとめました
新潟県出身、現在40才 来期の竜王戦5組 順位戦C1
Q,奨励会時代
近藤「奨励会には新潟から3時間かけて通っていた
同期の中川、深浦、行方はそれぞれ地方から一人で上京してがんばっていた
根性ないのは私だけ、将棋にも現れてるもん(笑)
私の母親は(怖くて)私の将棋の勝敗なんか見れなかった、
両親が見るようになったのは私が四段になってからだった
高校卒業した時に三段だったが、三段には6年半いた 三段までも6年半、全部で13年奨励会にいた
一期目で12勝3敗で上がりそうだったときに、藤井さん、深浦さんに連敗して、
杉本さんとの上がりを賭けた直接対決に負けた
そのときに、『なーんで藤井さんや深浦さんなんかに負けたのか』なんて
思ったのがつまずきの始まりだね(笑) ちゃんと反省すれば良かったのにね
最後、残り二期で退会というときに、もう半分あきらめてたというのが正直な気持ち、
で、最後は好きなようににやって、ダメだったら、両親にも師匠にも申し訳ないから、
もう田舎にも帰らない、どこか遠い町で生きていこうと思ってやったら、
急に勝ちだした だから捨て身の攻撃が功を奏した(笑)
その頃は、こんなに(明るく)しゃべらなかったね(笑)」
Q,ゴキゲン中飛車のこと
近藤「私は初段まではずっと居飛車党だったんだけど、同世代の郷田、丸山、深浦、屋敷と
いったことろには相居飛車で全くかなわなかった
なんでかな、と思ったら、もともとの才能が違うと言ってしまえば話は早いんだけど、
あるとき相撲を見ててね、がっぷり4つでいったら、両マワシを取り合ったら、
強いほうが勝つに決まってるな、というのに気がついたんですよ
横綱に前頭の力士は勝てない
どういうのが勝つかというと、離れて勝負したり、先に上手を取って 頭をつける、というね
将棋で言えば作戦勝ちだね そういのをしなければ勝てないと気づいて、
スタイルをガラッと振り飛車に変えたんです まず振り飛車でゆさぶりをかけてから、というね
戦法で何が一番いいかな、と思ったら中飛車だった
その中飛車で、強い相手には勝てなかったんですけど、だいたいの相手には通用したんです
平成17年に勝率がすごい年があって、33勝3敗というときがあったんですけどね
仲間がね『いやコンちゃん、危ない』っていうんです 『普段5割ぐらいの勝率のコンちゃんが、
9割勝つなんて、交通事故とかに合うから、絶対に気をつけろ』ってね みんな言うんです(笑)
交通事故には細心の注意で気をつけながら、将棋は大胆にやってた(笑)
升田幸三賞を取った中座飛車、藤井システム、私のゴキゲン、それから三浦さんの三浦囲い、
これはみんな地方出身者なんですよね
東京のデータ中心派に対して、地方の人が色々独自に考えてたんですね
ゴキゲン中飛車が否定されるような一直線の変化は、私は避けてきた この戦法が長持ちするようにね
戦法の弱点がバレないようにやってきたんですよ(笑)
だから、超急戦は始めは私は全然使わなかった
でも指して見たら4戦4勝、もっと早くやれば良かった(笑)」
<他のプロからのエール>
佐藤和俊五段「後手番でこんなに長く使えている戦法は、あまりないので優秀な戦法」
戸辺誠六段「指していても見ていても楽しい戦法ですよね 単純そうに見えて深い戦法
ゴキゲンのさらなる可能性を近藤先生といっしょに探していきたい」
久保二冠「私はタイトル戦などで主力戦法として採用させてもらっている愛着のある戦法」
近藤「私はこのわが子のような戦法をタイトル戦に持っていけないけど、久保さんが持って行ってくれる」
Q,最近は居飛車を指しているようですが?
近藤「40才になったんで、もう1回子供の頃、奨励会に入った頃を思い出して居飛車をやっている
中飛車にはもう慣れすぎちゃって、全然勉強しないで指しちゃうことがあるんでね(笑)
あーこの形はこれかーみたいな感じで、あまり読まなくなったんでね
まあ、こんなこと言ってて、またすぐ中飛車を指すかもしれないけどね」
インタビューをまとめました
新潟県出身、現在40才 来期の竜王戦5組 順位戦C1
Q,奨励会時代
近藤「奨励会には新潟から3時間かけて通っていた
同期の中川、深浦、行方はそれぞれ地方から一人で上京してがんばっていた
根性ないのは私だけ、将棋にも現れてるもん(笑)
私の母親は(怖くて)私の将棋の勝敗なんか見れなかった、
両親が見るようになったのは私が四段になってからだった
高校卒業した時に三段だったが、三段には6年半いた 三段までも6年半、全部で13年奨励会にいた
一期目で12勝3敗で上がりそうだったときに、藤井さん、深浦さんに連敗して、
杉本さんとの上がりを賭けた直接対決に負けた
そのときに、『なーんで藤井さんや深浦さんなんかに負けたのか』なんて
思ったのがつまずきの始まりだね(笑) ちゃんと反省すれば良かったのにね
最後、残り二期で退会というときに、もう半分あきらめてたというのが正直な気持ち、
で、最後は好きなようににやって、ダメだったら、両親にも師匠にも申し訳ないから、
もう田舎にも帰らない、どこか遠い町で生きていこうと思ってやったら、
急に勝ちだした だから捨て身の攻撃が功を奏した(笑)
その頃は、こんなに(明るく)しゃべらなかったね(笑)」
Q,ゴキゲン中飛車のこと
近藤「私は初段まではずっと居飛車党だったんだけど、同世代の郷田、丸山、深浦、屋敷と
いったことろには相居飛車で全くかなわなかった
なんでかな、と思ったら、もともとの才能が違うと言ってしまえば話は早いんだけど、
あるとき相撲を見ててね、がっぷり4つでいったら、両マワシを取り合ったら、
強いほうが勝つに決まってるな、というのに気がついたんですよ
横綱に前頭の力士は勝てない
どういうのが勝つかというと、離れて勝負したり、先に上手を取って 頭をつける、というね
将棋で言えば作戦勝ちだね そういのをしなければ勝てないと気づいて、
スタイルをガラッと振り飛車に変えたんです まず振り飛車でゆさぶりをかけてから、というね
戦法で何が一番いいかな、と思ったら中飛車だった
その中飛車で、強い相手には勝てなかったんですけど、だいたいの相手には通用したんです
平成17年に勝率がすごい年があって、33勝3敗というときがあったんですけどね
仲間がね『いやコンちゃん、危ない』っていうんです 『普段5割ぐらいの勝率のコンちゃんが、
9割勝つなんて、交通事故とかに合うから、絶対に気をつけろ』ってね みんな言うんです(笑)
交通事故には細心の注意で気をつけながら、将棋は大胆にやってた(笑)
升田幸三賞を取った中座飛車、藤井システム、私のゴキゲン、それから三浦さんの三浦囲い、
これはみんな地方出身者なんですよね
東京のデータ中心派に対して、地方の人が色々独自に考えてたんですね
ゴキゲン中飛車が否定されるような一直線の変化は、私は避けてきた この戦法が長持ちするようにね
戦法の弱点がバレないようにやってきたんですよ(笑)
だから、超急戦は始めは私は全然使わなかった
でも指して見たら4戦4勝、もっと早くやれば良かった(笑)」
<他のプロからのエール>
佐藤和俊五段「後手番でこんなに長く使えている戦法は、あまりないので優秀な戦法」
戸辺誠六段「指していても見ていても楽しい戦法ですよね 単純そうに見えて深い戦法
ゴキゲンのさらなる可能性を近藤先生といっしょに探していきたい」
久保二冠「私はタイトル戦などで主力戦法として採用させてもらっている愛着のある戦法」
近藤「私はこのわが子のような戦法をタイトル戦に持っていけないけど、久保さんが持って行ってくれる」
Q,最近は居飛車を指しているようですが?
近藤「40才になったんで、もう1回子供の頃、奨励会に入った頃を思い出して居飛車をやっている
中飛車にはもう慣れすぎちゃって、全然勉強しないで指しちゃうことがあるんでね(笑)
あーこの形はこれかーみたいな感じで、あまり読まなくなったんでね
まあ、こんなこと言ってて、またすぐ中飛車を指すかもしれないけどね」
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