久保利明二冠vs森内俊之名人
解説 米長邦雄

矢内、今週もあいかわらず手堅く地味な服(^^; 
聞き手は今年度で最後だから、もう少し変化をつけて派手でもいいんでは?
解説には米長会長 ボンクラーズに完敗する前の米長だから、ショックはまだないだろう(笑)

今回は、久保棋王・王将と森内名人の対戦 3回戦一番の好カードだ
久保は竜王戦1組、順位戦A級 2回戦で遠山に勝ち NHK杯は16回目の出場
森内は竜王戦1組、現名人 2回戦で山崎に勝ち NHK杯は23回目の出場

米長「面白い組み合わせですね」 矢内「久保の印象は?」
米長「振り飛車の名手で、二冠で、淡路が師匠という印象」 矢内「(笑)」
米長「振り飛車党が増えたのは、久保の影響でしょう」

矢内「森内の印象は?」
米長「安定した実力の持ち主、勝ち将棋をさらに手堅く勝つ 堅実でくずれない、鉄板流」

事前のインタビュー
久保「森内は重厚な手厚い将棋だが、ときには鋭く踏み込んでくる
 見ていてハラハラするような将棋が指せればいい」
これを聞いた米長「自信がありそうですね 自信があるときには相手を褒める」

森内「久保はさばきに特徴がある 終盤の粘り強さもすごいものがある
 決断よく指して、面白い将棋になればと思う」
米長「森内が相手を『粘り強い』というのは面白いね」

さて、期待の一戦開始 久保は振るだろうが、森内はどうするか 堂々と居飛車か、あるいは相振り・・・
先手久保で▲7六歩に△8四歩 ええ~ これで石田流を阻止か 
これ、相手が久保だからこうやったのは明らかだ 
う~ん、堂々と△3四歩で受けて立つ指し方を私は希望だったんだけどね

しかし、久保は強情にも三間に振ったではないか 非常にめずらしい序盤だ
で、何? 森内の作戦、なんと△3二銀~△3一角で引き角戦法!
ええ~ こんなB級戦法を名人が指すのか~! 「戦法に貴賎はない」という格言すら生まれそうだ

この戦法、対久保専用の作戦であることは間違いない
18世永世名人で現役名人ともあろう森内がこの作戦 
よほど久保が苦手なのか、と思ったら、対戦成績が出た 久保15勝、森内13勝 
あらあ、久保が勝ち越してるのか! 森内に勝ち越すのは至難の業と思うが、久保すごいね

駒組みが進み、お互いに美濃に囲って、盤面右側は似た陣形
米長「飛車先を伸ばしている分だけ、居飛車側が得だろうという森内の主張」

雑談になり、米長「久保はえらい! 淡路に将棋を教わってタイトルを取れたから、えらい」
矢内「(笑)」
米長「いくら会長だからって、言っていいことと悪いことがある、と淡路に怒られた(^^;」

米長「最近のコンピュータは強いんだ そうだ、こうしちゃいられないんだ」
ははは 会長、まさかこの後日、プレマッチで、あんな悲劇に見舞われようとは・・・

会長「(久保の顔がアップになって)武田鉄矢って顔だ」 
矢内「フッフフッフ(笑)」
矢内、なぜかバカウケ そんなに笑うとこか?(^^; 
久保、首の回り、太くなってる ちょっと太ったね

さて、局面、森内が押してると見える 久保がさばくのに苦慮しているようだ
角交換は避けられない、どうする? 8筋の圧迫をどうにかできるか? 
米長「この次の久保の一手は、みんなが感心するような手が出ると思う
 非常に落ち着いた一手が出るはず」
ところがなんと、久保の次の一手は、飛車をブチ切る強手!
会長~、思い切りはずれてる ここ、解説が欲しかった 米長の予想は何だったのだろう

角桂と、飛車銀の交換で、後手がだいぶ駒得しているように思うが、久保は大丈夫なのか?
久保、飛車を切ったあとに考慮時間を連続して使ってるが・・・
米長「武田鉄矢が怒ってる顔」 矢内「(笑)(笑)」
矢内、またバカウケ(^^;

で、もう立ち止まれない久保、端をからめて攻めていく ▲1五歩に△同歩か 取るものなのか
米長「なかなか△同歩は指せないですよ」
森内、口に手を当てて、顔が泣きそうになっている
米長「(森内、自分が)これは優勢になった、と思ってる顔」

久保の懸命の食らいつきに、優勢な森内が金銀5枚を組み直しながら守る 
こういう展開は森内の十八番だからなあ 森内、まず逃さないだろう 
久保も必死に攻めてるけど、ダメだろう あら、▲5三香の打ち込みに、△6三金とかわしたのか! 
森内、秒を9まで読まれて指したぞ まだ読みきってない!? ええ? 
なんだかんだで攻めが続いてる? 久保、しぶといな 実にしぶとい

まあ、後手には攻防の角打ちがどこかであるから、あ△6四角を打ったか これで後手の勝ち筋だろう
え、▲5五歩で止める手が手筋か! えー どうなってるの すごく複雑な終盤だ
ところが、米長、口数が少ない しゃべる量が足りてない もっと解説が欲しい 
手でも形勢でもいいから、解説をお願い・・・ かなり競ってる終盤だ

米長「逆転ですね」
えええー 森内、受け止められなかったのか 駒得して受けに回って後手良しだったはずなんだけど、
久保がどんどん勝負手を放ってきて、逆転したのか

最後はピッタリの即詰みで、久保の勝ちになった 109手で久保の勝ち
もっと長い手数に感じた あ、収録時間もいっぱいで、感想戦なしか 
あー、10分でいいから感想戦を聞きたかった 

米長「相手の手に乗って森内が優勢になったが、5筋のもみ合いで森内に誤算があった
 普段の森内なら考えられないような負け方」
矢内「久保がうまく手をつないぎましたね」
米長「そうでしたね」

ちょっと悪いと思われるところから、久保の手作り、勝負手の連発はさすがだった
▲5三香、▲4四歩、▲5五歩、▲7四桂、どれも私には見えなかった 
というか、それじゃ、終盤全部、私には見えてないな(笑)

久保、森内を相手にねじり合いを制し、力勝ちという内容だった さすが二冠!
森内、久保に対する苦手意識が出てしまったか、と思えた 

この一局、一番気になったのは、米長会長の中盤以降の口数の少なさだった
解説があまり出来てなかった 米長会長、「衰え」をはっきり感じさせてしまう解説だった
もちろん、もう引退してるのだし、68才なのだから、弱くなっていて当然、普通なら全然かまわないのだ
だけど、米長会長はコンピュータとの大一番を控えてるのだ
つい先日、ボンクラーズとのプレマッチで大敗したのは、偶然ではない、と思えてしまう解説だった
調べたら、米長会長は、2003年12月に引退したとのこと 引退して8年か・・・

2007年3月に、渡辺竜王ですら、当時のボナンザに苦しめられたのだ あれから約5年も経つ
米長会長には、今回のコンピュータ戦は正直、荷が重かったか
年が明けて1月14日には本番があるが、米長会長、なんとかいい将棋を見せてほしい