渡辺 明竜王vs阿部健治郎五段 NHK杯 3回戦
解説 木村一基

今日は渡辺竜王王座と、有望な新人アベケンの対局かあ どんなかな
そして解説が、解説名人のあだ名をもつ木村 楽しみだ

おおっ、矢内、髪型がまた変わってる! 
真正面から見た矢内、ちびまる子ヘアーになってる~ ははは
服は、紫のハイネックのインナーにブローチが映えてる 黒のジャケットでビシッと決まってるね
お、木村、髪が整ってる これ、矢内のような長い髪とは別の意味で、まとめるのに苦労がありそうだ

渡辺は2000年に四段昇段、順位戦A級、竜王8連覇中 王座も獲得し、今二冠 
 2回戦で豊島に勝ち NHK杯は10回目の出場

アベケンは2009年に四段昇段、順位戦C2、竜王戦5組 2010年度の新人王
 1回戦で有森、2回戦で高橋に勝ち NHK杯は初出場

解説の木村「渡辺は今すごく充実している 脂(あぶら)がのっている、いい状態
 アベケンは関東では屈指の研究家で、勉強熱心 終盤も動じることがない
 アベケンが勝っても全然おかしくない、とプロ間では評価されている」

事前のインタビュー
渡辺「アベケンはまだ四段になって間もないが、新人王をとり、非常に有望な若手
 (見所は)新鋭の挑戦を、私がどう受け止めるか、じゃないですか(笑)」
これを聞いた木村「自信を持っていないと言えないことを、自信を持って言ってますね」
矢内「王者の風格が・・・」 木村「出てますねー」

アベケン「渡辺は竜王を8連覇で防衛したばかりで、絶好調という感じ
 竜王はスキのない将棋なんですが、チャンスを作っていきたいです」
これを聞いた木村「気合いが入ってると思います 
 アベケンは天童市のある山形県出身なので、地元の人も応援している」
木村「戦型予想は、横歩取り 序盤のうちから、細かいところで意地の張り合いになるんじゃないか」

先手渡辺で、予想どおり横歩取りになった 
後手のアベケンの作戦は、△8五飛の中座飛車 守りは△4一玉型の中原囲いだ
木村「アベケンは開始前、『先手が欲しい』と言っていた」
矢内「振り駒の後、表情が変わった棋士を初めて見ました(笑)」

木村「平成22年に2人は対局しているが、それも横歩取り(結果は渡辺の勝ち)
 だから、アベケンは横歩取りでリベンジしたいのだろう」

開始から猛スピードで手が進んでいたが、渡辺が少し手順を変えた、とのことで、アベケンが止まった
ここら辺、すごい細かい駆け引きがあった、との感想戦だった まあ、私は当然、ついていけないが(^^;
渡辺が▲5八玉と立ったとき、アベケン、いきなり△8六歩と合わせて、仕掛けていったではないか!
お~、もう仕掛けたぞ こんなに早く? これは成立してるのか?
木村「突き詰めれば、もうどっちかがいいはず」

▲3四歩△同飛▲5六角となり、アベケン、長考に沈んだ
解説名人の木村、実にわかりやすく話してくれる 予想手もバンバン当たる
木村「鋭い手をいかに繰り出すかが、早指しのコツ 渡辺の▲3四歩は鋭い
 渡辺は貫禄がついた、堂々としてますね
 後手は3三の桂が攻めの司令塔 アベケンも若いのに落ち着いている」

木村は、この形になったらダメ、この形ならまだ難しい、というのを例を挙げて説明してくれ、
実際にそのとおりに局面が進んで行く 実にいい あー、今日の解説、木村で良かったー
木村「現代将棋は、相手の言い分を聞くことが少なくなった 相手が積極的に指してきたら、
 自分はより積極的に、という局面が増えた」

渡辺が映し出され、なんか、すんごい堂々として見えた
百獣の王ライオンが、ドンと構えて座ってる、そんな風に見えた(^^;
これには木村も「渡辺は余裕の表情ですね 『今のオレには弱みはない』という、そんな表情でしたね」

こういう話をしている間、アベケンはずーっと考えてる
かなりの長考してないか、これ? え、アベケンの考慮時間、8回あったのに、もう残り1回!
アベケン、連続7回も使う大長考!
木村「アベケン、困っていそう ちょっと悪いくらいでも、そこからすぐ大差がついちゃう将棋」

だが、アベケンもただの新人ではなかった 困っていそうな表情を全く表に見せず、
△8七歩▲同銀を利かしてから、飛車を△3七飛成と、ドカーンと切った! すごい勝負手だ!
木村「少し渡辺のほうがいいが、勝負はまだまだ」
私も、これはまだわからんぞ、と思って見ていた
 
しかし、ここから渡辺が魅せてくれた
▲2三歩~▲3四歩で銀得した後、これが竜王の手だ、という手順が出た
▲2九飛~▲7九飛、の、飛車を逃がす、見事な発想!
そ、そうかあ ▲2九飛~▲7九飛で、飛車を逃がすのが決め手か!

これ、気がつかなかったなあ 私は「▲2九飛は△3八銀までで形勢難解」と読みを打ち切ってしまった
そうかあ その後▲同金△同馬に▲7九飛と逃げて、本譜みたいに玉を逃げすれば、優勢が確定か!
さ、さすが、これが竜王8連覇の実力! 

渡辺の優勢が確定したところで、アベケンは戦意喪失し、投了となった わずか63手で渡辺の完勝!
中押し勝ちだったね 渡辺、強い、全くつけいるスキなし!
アベケンが事前に「竜王はスキがない」と言ったとおりだ

いや~、渡辺、ホントに強かったなあ さすがだ まったく、強い!
2回戦の豊島戦、あれは終盤のねじり合いになったときの竜王の強さが出た好局だった
この3回戦のアベケン戦、これは早々に優勢になったときの、相手を突き放す強さが出た一局だった

感想戦でも、渡辺はテキパキとあらゆる変化に応じていた 実に強い
本局、木村の解説もすばらしかったこともあり、短手数で大差で終わった将棋だったけど、
番組として面白い内容だったと思う

感想戦の時間がたっぷりあり、最後の10分ほどは、かなりの序盤の研究会と化していた
あれはあれで貴重だった アベケンも渡辺も、IQを計ったら高い数値なんだろうなー、と思った(^^;
横歩取り、何が起こっているか理解できない将棋も多いんだけど、
本局は流れが単純だったこともあり、私にも理解できて、よかった
▲2九飛~▲7九飛、そして玉の早逃げ、あれが竜王の発想なんだなー!

渡辺の心の声、「一介の若手有望株と、竜王8連覇で二冠のオレをいっしょにされちゃあ困る」
というセリフが棋譜から聞こえてくる、そんな一局だったと思う
それくらい言っても、全然許される、そんな内容だった
まぐれで竜王を8連覇できるわけはないよね 渡辺の強さを目の当たりにできて、面白かった(^^)