羽生善治NHK杯vs渡辺 明竜王 決勝戦
解説 森内俊之

いよいよ決勝だ 私がすんごい緊張している しかし私が緊張しても無意味なのだった(^^;

第61回NHK杯、決勝は羽生善治vs渡辺明、羽生は現在、王位、棋聖を保持
そしてこのNHK杯は20連勝と4連覇、通算10回優勝がかかっているとのこと
対する渡辺は現在、竜王、王座を保持 NHK杯は初優勝がかかっている
はたして、最後にカップを手にしているのはどちらなのか?

事前のインタビュー
羽生「(実に淡々と)決勝の大舞台なので、張り切ってがんばりたい」
渡辺「決勝はひさしぶり(6年ぶり)、せっかくの機会なのでがんばりたい」
解説の森内名人「今、最も活躍している2人 現代将棋の最高峰が見れるんじゃないか」

羽生はここまで、戸辺、阿久津、郷田、ハタチンに勝ち決勝進出
羽生「印象に残ったのは戸辺戦、作戦的にうまく指されて、終始苦しく、大変な一局でした
 その局面になったのは仕方ないので、あとはどう最善を尽くすか、という感じで指してました」

渡辺はここまで、豊島、アベケン、菅井、久保に勝ち
渡辺「印象に残ったのは久保戦 終盤では自玉が詰んでいた
 一つのトーナメントで、こんなに後輩との対戦が続いたのは初めて、
 自分も中堅になったのかなと(笑)」

いよいよ対局開始 先手羽生で、相矢倉に進んだ って、進み方がすげー早い! 
ええーっていう感じ もう、2人とも事前に打ち合わせしていたのか、と思えるほど早い進行だった
どこまで解説なしで進むんだ、サイレント映画かこれは、というくらい(^^;

矢内「あっという間に」
森内「すごいスピードで進んでますね お互いに研究どおりなのは明らか、去年と同じですか?」
そうか、去年の準決勝、このカードで同一局面に進んだのか
しかし、森内でも覚えていないのを、矢内が覚えているはずもなく、
矢内「似ている展開だな、と(^^;」
矢内、どうにか逃げた(笑)

森内「去年は羽生が攻め潰して勝っていた」
今、棋譜を調べてみると、80手目まで去年と同一局面に進んでいるね
81手目、去年は▲3四桂だったが、今回は▲7一馬として局面が変わった
勝った羽生のほうが手を変えた、ということになる

2人の対戦成績が出た 羽生の15勝、渡辺の19勝ということだ
森内「王座戦での渡辺の3連勝が大きい 渡辺のすごいところは、
 (作戦的に)相手が待っているところに飛び込んで勝負するところ」
2手目△8四歩ってなかなかできないよね

さらに森内「渡辺は研究もすごいが、勝負勘とか見切りとか、勉強では身に着かないところに
 強みがある気がする」

さて、局面、もう中盤を通り越して終盤だ
渡辺が△3九飛、と下ろした手に、羽生はなんと、▲4八銀!
ここに銀を投入するのか! 将来の入玉を阻止する意味もあるのだろうが、打ちにくい銀だ
森内「▲4八銀! まさかという展開ですね」
矢内「先手の持ち駒の金銀は、後手玉に迫って使うものかと思ってました」
森内にも全く見えていなかったとのことだった

森内「▲4八銀で、後手の飛車を追い飛ばしておいて、(馬で左上の)桂香を補充してますね」
この一局、見ていた私にとっては、大局観が非常に難しい将棋になった
後手玉が上部に逃げたときに、捕まえる自信が私には全然ないのだ 難解、とても難解だ

手が続く 互角なのか? 竜を守りに利かせている後手がいいのか?
しかし、森内の一言が出た「やや羽生のペースか」 そうなのか(^^;
森内「渡辺は若干、苦しそうだが、うまくやれば、ついていけそうなんで、難しい局面」
ぐうー、緊迫感がハンパではない これが決勝戦特有の緊張だ
私が緊張してもしょうがないんだけど(^^;

渡辺の決断は、△9五桂の攻め合いだった 対して羽生は、森内の予想どおり▲2六桂と攻め合った
あらー、森内の予想手が簡単に当たるようでは、もう羽生がだいぶいいのかな?
矢内「羽生は今期は、桂の使い方がうまい」 郷田戦でも桂が主役だったよね

しかし、ここで渡辺、竜王8連覇の手が出た 
自陣の負担だった飛車をスウーっと回る、△6二飛!
矢内「あ」 
森内「はあ~ これは魅せますね~!」 
矢内「ギリギリのタイミングで」
森内「馬に当てて手番をかせぐ、渡辺の強さが出た手ですね」
この△6二飛には、森内絶賛だった
その後も森内は両者の手に感心し、森内「さすがの折衝(せっしょう)という感じですね~!」
あの、森内さん、あなたも名人なんだから、さっきからあんまり賞賛ばっかりするというのも、
どうなんだろう この後、名人戦で、羽生と戦うわけで(^^;

羽生、自玉に詰みなしと見て、詰めろをかけて強く踏み込んだ 
手が震えているように見える 勝ちを確信、か?
あとは羽生玉が詰むかどうかの勝負、パッと見は詰まないが・・・
森内「詰まないだろうと思っても、竜王に王手されるだけでも、怖いですよね」
あの~、森内さん、あなたは名人なんだから、そんなこと言っちゃダメでは(笑)

そして、羽生玉、ギリギリ詰まず! 147手、羽生の勝ちとなった 羽生、4連覇達成!
最後の渡辺の角で王手のときに、羽生は金を合駒していたが、
あの辺りも読みがキッチリ入っているんだろうなあ 私ならもう読みを放棄してしまいそうだ
(激指の検討モードで調べてみたところ、金合い以外では全部詰みとの結果が!!)

この決勝、不動駒は8九の桂、9九の香、9七の歩の3枚だけだった
80手目まで前例どおりでスイスイ進み、入玉するかどうか、という147手の勝負、という内容
これが現代将棋の、一つの最高峰の戦い、ということだね 

ふうー、渡辺ですら、羽生をギリギリに追いつめるまでが精一杯だったか・・・ 
感想戦では、この一局、▲4八銀のところですでに先手が少し指しやすいのでは、
という結論だった あの銀が勝因か 感想戦では、羽生と渡辺、2人の間では「▲4八銀は当然の手」
という感じだった 森内には全く見えてなかったね(^^;

感想戦では、後手には、特に敗着らしいものはすぐにはわからずだった
この2人のレベルまでくると、「振り駒が敗着」ということも、少しはあるのかもしれない

今回、私は自分が緊張して見ていたから、わかったことがある
羽生は、この決勝の大舞台でも、まーったく緊張していない これはすごい!!
渡辺も特に緊張していなかったようだ やっぱり、決勝までくるこの2人は、並みの人間と違う!

NHK杯を通算10回目の優勝で、名誉NHK杯の称号を得た羽生「カップの重みを感じている」
準優勝に終わったが、熱戦を見せてくれた渡辺「全体的に苦しめだったので、しかたがないかと」

来期もまた、羽生が指す姿のオープニングかあ
5連覇はさすがにないだろう 羽生も好きだけど、他の棋士にそろそろ止めてほしいと思った

そして、矢内さん、聞き手役、3年間の任期終了だね 本当にお疲れさまでした!!
矢内の後は、誰が聞き手だろうか 誰を持ってしても、矢内と比べられるんで、次の聞き手役は
大変だと思う 次の聞き手役にも、美人で、かわいさもあって、的確な質問をしてくれる人、
よろしくね そんなの、矢内以外に居るかな(^^;

今期のベスト局は、2回戦の糸谷vs北島かなあ あるいは、2回戦の豊島vs渡辺、も良かった
1回戦が、熱戦が少なかったように思う 来期は1回戦でも楽しませてほしい
みなさま、お疲れさまでした! 来期もまたよろしく!!