第20期 銀河戦
本戦Aブロック 8回戦
戸辺 誠六段 vs 佐々木 慎五段
対局日: 2012年3月6日
解説:大平武洋五段
聞き手:山口恵梨子女流初段
記録:渡辺弥生女流1級

平成23年度の成績は、佐々木慎12勝16敗 戸辺誠22勝14敗
佐々木慎は、本戦で平藤、青野に勝ち 戸辺は予選は無しでシード

解説の大平「両者振り飛車党、佐々木は相手が振り飛車だと、居飛車、振り飛車の両方を指す
 戸辺は早石田とゴキゲンを使う 戸辺攻めという言葉があるくらい、めちゃくちゃ攻めの棋風」

先手佐々木慎で居飛車超速▲3七銀、戸辺はゴキゲン中飛車で低い陣形
双方、▲6八玉、△6二玉のまま、囲いもそこそこに、戦いが始まった まだ23手目だ

1手間違えたら、即終わり、という激しい戦い、どちらも間違えず、難しい形勢が延々続く
佐々木はバラバラな陣形をよくまとめ、戸辺は飛車、角、歩だけの細い攻めをつなげる
どちらも全くゆずらない! 
1手指したほうが良く見える、という、これぞ将棋の醍醐味だ 

解説の大平、延々詳しく変化をしゃべり続けてくれ、とても良かった 
複雑な戦いなのに、予想手がバシバシ当たって気持ちいいし、そして、ときに、
大平の予想を上回る手を指す佐々木慎と戸辺!
どちらにも、はっきりした疑問手は1手もなかったのではなかろうか
「このくらいでいいだろう」という手が、両者ひとつもなかった 
全部、読みに裏付けられた手の応酬だった 

佐々木慎、長い長い終盤で、▲8六歩~▲8五歩~▲8四歩はよくぞ指したものだ
もしかしてそれが敗因なのかもしれないが、善悪を超越していてすごいと思った 
戸辺も自陣に金を投入して、実によく粘ったなあ
両者とも、自玉が危なくなったときの見切り、これが卓越したものがあった

結果は128手という長手数で、戸辺がわずかに競り勝った 
ほんのわずかの差、どっちが勝ってもおかしくなかった
この一局、タイトル戦の棋譜といっても、全く遜色がないだろう

佐々木慎と戸辺、この将棋に関しては、タイトルホルダーなみの強さだったと思う
お互いに秒読みでここまで指せるんだね プロは怖い!

この将棋、感想戦が丸1日できるんじゃないだろうか それだけ濃かった
今期銀河戦で、私が見た中で、間違いなく一番の大熱戦だった
見終わって、自分の力と比べたときに、あまりの実力の差に思わずため息がでた
大平の解説もすごく良かった 今何が起こっているのか、よくわかった

はあ~、全くすごい一局だった すばらしい棋譜ができあがったね 面白かったよ
佐々木慎、戸辺、大平、3人に感謝したい ありがとう!