小林裕士 七段vs中村太地 六段 NHK杯 1回戦
解説 飯島栄治

日曜に放送されたNHK杯 矢内、首に大きなスカーフを巻いていて、似合ってるね
実力者デカコバと、若手バリバリの中村太地か なかなか好カードだ
(小林裕士は、同姓同名の小林宏と区別するため、このブログではあだ名でデカコバと呼んでいる
 体がデカイところからつけられたネーミング)

デカコバは田中魁秀門下 1997年四段、竜王戦は2組、順位戦はC1
予選で山本真也、島本、阿部隆に勝ち7回目の本戦出場

太地は米長門下、2006年四段、竜王戦5組、順位戦はC1
総合成績優秀により、予選は免除 本戦は2回目の出場
太地は4月26日に棋聖戦の挑戦者決定戦に勝ち、羽生棋聖への挑戦権を得て六段に昇段したとのこと

解説の飯島「デカコバは関西所属で、豪快な棋風 早指し、力戦が得意
 研究というよりも実戦主義、自分で将棋を作っていくタイプ
 太地は今一番勢いがある、前期すばらしい成績、タイトル獲得に向けて、今ががんばりどころ」

太地はなんと、前期、40勝7敗で、勝率8割5分1厘というすごい成績だったとのこと
C2でも全勝で昇級したしね 棋聖戦の挑戦者か まさに、今ノッってるね 
ボンクラーズvs米長会長のときに、ボンクラーズの指し手を盤上に指す役目も引き受けていたね
米長会長のお気に入り、愛弟子なんだね

事前のインタビュー
デカコバ「太地は本格正統派の居飛車党、戦型は横歩取りになると思う
 NHK杯の目標は、攻められて負けるパターンが多いので、得意の攻める将棋でいきたい」

太地「デカコバの印象は、攻めが鋭く、終盤が強い 攻め潰されないようにがんばりたい
 NHK杯は一局でも多く指せるようにがんばりたい」

先手デカコバで、本人が予想したとおりの横歩取りになった △8五飛戦法だ
太地はいつもの中原囲い、デカコバがどうするかだったが、▲7七角から、後手と似たような、
金銀4枚の堅陣に玉を囲った
飯島「デカコバは、固さ負けしない作戦」
解説の飯島、ポイントを的確に押さえて指し手の意味を詳しく解説してくれ、とてもわかりやすい

雑談で、矢内「みなさん、予選を抜けるのが大変だ、ってよくおっしゃいますね」
飯島「心の底からよくわかります(笑)」
予選は6~7人のトーナメントで1位にならないといけないんだから、大変なんだろう

飯島「お互い身動きが取りにくい」ということだったが、デカコバが動いた
▲5五角と打ち、9一の香取りだ 対して太地、なんと△5四飛、の催促!
局後、デカコバ「この飛車回りをうっかりした」
ここ、私も見ていて、△5四飛は全く予想していなかった 9一の香取りなんだから、
どう受けるのかと考えていたのに、どうぞ、早く取ってくれという手だ
なんと、これでもう後手が良くなっていた、との局後の感想戦だった

後手、銀を上に逃げるか下に逃げるか、という局面で、飯島の予想は上だったが、太地は下に逃げた
飯島「高勝率の太地が指したんだから、下が正解だと思いますよ(笑)」

飯島「形勢は、どちらかというと後手がやれそう」と言っているが、まだ決め手は見つからない
そこで太地、ズバッと馬切り一閃! 飯島は驚いていたが、私は見えてました ふふふ(^^;

飯島「太地が一本とったかも 後手の攻めが続きそう」
太地、好手と思える手の連発で、バンバン攻めてくる 
それまで当たり続けていた飯島の予想がはずれだし、太地が解説を上回る手の連発だ
飯島「予想手が当たらなくなってきました(^^;」

太地に、△6九金という、一段目に金を打つ、コンピュータが指しそうな手がでた!
これが寄せの決め手になったんだから、太地、すごい こんな手、よく見えるものだ
太地の手は、全く緩まず、流れるような手順でデカコバ玉を寄せた 80手で太地、デカコバに完勝!

うわー、これは強いわ 実力者のデカコバに何もさせなかった 太地の玉は全く手付かずだ
どうぞ香を取れの△5四飛の催促、一段目にベタ金の△6九金 
普通は見えるもんじゃない、これは実に強い勝ち方だ うーん、強い・・・!
飯島「太地の感性がすごかった一局」

デカコバ、今回も攻められて負けになってしまった(^^;
太地にはムダな手が何もなかったんじゃないだろうか 最短での勝ちだったと思う 
飯島が言っていたが「太地の指し方はムダをはぶいて勝っている」と
いうのが本局にもピッタリ当てはまったね

感想戦で、デカコバ「後手の攻めを余せているかと思ったが、全然余せてなかった
 ▲5五角に△5四飛をうっかりした」
太地は感想戦でもすべての変化にテキパキと答え、その強さを裏づけしていた 
これなら勝率8割5分も、うなづける・・・ 

中村太地、今までそんなに目立った存在でもなかったと思うが、一気に頭角を現したね
本局は見事だった 棋聖戦では羽生が相手、ぜひ力を存分に発揮してほしい!