千葉幸生 六段vs鈴木大介 八段 NHK杯 1回戦
解説 北島忠雄

千葉、ひさしぶりに見た 千葉涼子のだんなさんだね 鈴木大介は早指しが強いがどうなるか

千葉は関根茂門下、2000年四段、竜王戦は5組、順位戦はC1
 予選で金沢、窪田、勝又に勝ち NHK杯は4回目の本戦出場

鈴木大介は大内門下、1994年四段、竜王戦は1組、順位戦はB1
 予選はシード NHK杯は15回目の本戦出場

解説の北島さん、穏やかな顔つきで、しゃべりもゆったりしていて、皇室関係の人みたいだ
北島「千葉はとてもまじめな人柄、でも面白いことを言ったりもする
 最近力をつけてきて、これからが楽しみな若手
 大介は気さくで、先輩からもかわいがられ、後輩からは慕われる 将棋も強いすばらしい人」

雑談で、北島「千葉は序盤の研究に熱心だが、大介も序盤はうまい 大介は新手を多く指している
 千葉はここ数年で力をつけた 目先の勝利より、自分の将棋を強くするということで、
 一貫して努力している 将棋に対する姿勢がきれい」
・・・北島さん、褒めるのがうまいなあ 北島さんが他人を悪く言うことってあるんだろうか(^^;

事前のインタビュー
千葉「大介は、20年くらい前に将棋を教わって、ずいぶんお世話になっている先輩です
 大介は早指しのとても強い先生なので、大介のペースに巻き込まれないように、
 自分のペースを守って戦いたい (NHK杯の抱負は)7年ぶりの出場なので、
 大きなことは言えない、目の前の一局に集中したい」

大介「千葉は研究熱心で、序盤が強い あまり序盤、離されすぎないように気をつけて、
 終盤勝負になればいいと思う NHK杯はここ数年、あまり勝っていないので、ひとつでも
 多く勝てるようにいい将棋を指したい」

先手千葉で、▲居飛車穴熊vs△四間飛車+高美濃囲いだ オーソドックスな戦型になった
北島「アマチュアの方にはこういった戦型のほうが、参考になっていいかもしれません」
しかし・・・! この将棋、参考になるというよりは、別の意味で見ごたえのある将棋に(^^;

北島「大介流の居飛穴対策、大介は自信をもっているはず 
 千葉はもとは振り飛車党だったが、居飛車も指すようになった」

序盤、千葉が、おそらく研究手という手を見せた ▲4八角、という、一見、変な手だ
しかし、これが指されてみると、大介の△5四銀型に対する、妙手なのでは、と思える手!
さすが、序盤研究でその名が通った千葉! この手は魅せたね
その狙いを即座に解説した北島さんも強い いいねいいね
そこへ、大介が小考の後、返すカタナで、まさかの△1三角のぶっつけ! これにはびっくりだ
北島さんも「あ~ ああ うわ~」とびっくり 北島さんが驚くと、なんだか面白い(笑)
千葉の事前の研究vs大介のその場の思いつき、という構図 いいねえ!

一気に中盤に突入、お互いに相手の手を逆用しようという応酬の連発、なかなか見ごたえがある
例によって、細い攻めをつなげようとする居飛穴側vs攻めを切らせようとする四間側、という展開
北島「大介は有利にできると思っているはず、しかし、一つでも穴があくと、
 一気に差をつけられてしまうという苦労が振り飛車側にはある」

中盤の大きな分岐点、大介が角を取って勝負に出るか、金を逃げて無難にガマンするかというところ
大介、勝負に出て、角を取った! うわ~、自陣の金がはがされて、怖い~ 居飛穴ペースでは?
北島「大介が選んだのは、受けに自信がないと踏み込めない順」

馬を作って、千葉の攻めを切らせたかに見えた大介だったが、6~7筋に嫌味をつけられ、
これがふりほどけなさそう、大介、ピンチか! 千葉の小駒だけの攻めだが、これがやっかいだ
ギリギリの細かい応酬で、千葉が食らいついて攻めが続くかに見えたのだが、
大介ががんばり、どうにかこうにか千葉の攻めを振りほどいた
 
いや~、これでようやく終わったか 穴熊の姿焼きが出来上がったね
今回は受けまくった大介の勝ちだったか さあ、千葉はいつ投了するだろうか・・・
と思ってみていると、まだ千葉は指し続けるではないか?

千葉、まだ、あきらめる気配がない!? なんとここから、第2の終盤に突入した 
「このくらいで千葉があきらめないことはわかっている」と言わんばかりに、入玉を目指す大介
入玉を決めようとする大介vs非常手段で穴熊の金銀を使って入玉を阻止せんとする千葉

延々続く、その応酬のすごいこと! こんな展開なのにバシバシと早指しで指せる大介もすごいが、
千葉も毎回もうダメか、投了かと思われるのに、秒を9まで読まれて、おそらく最善の食らいつき、
という手を指し続ける 一手一手、ちゃんと意味があるので、全く気が抜けない

将棋って、勝つまでどんだけ大変やねーん、とツッコミたくなるほど、どこまでも続く2人の激闘
うわーー すごい・・・ 形勢は大介がいいけど、疲れて手が見えなくなったら、たちまち逆転するぞ
北島「千葉が仕掛けるワナを、大介が1個づつ潰していく感じ」

私は見ていて、真剣師、という人達がいたのを思い出していた
大金を賭けた真剣勝負を指す真剣師たちの将棋が、きっと、こんな風だろうなあ
大介の受けまくる姿を見て、ハチワンダイバーの受け師さんを思い起こしたのは私だけではないだろう
最後の最後まで、絶対気が抜けない、延々続く、知力と気力と体力の総合力のぶつかりあい!
ふえーー、将棋って、すごい、すごすぎるゲーム・・・ 

矢内、難しい局面で3回ほどピタリと手を当てていた 北島さんも解説、的確だった
千葉、力を出し切っただろう それを上回った大介も見事だった 
大介が的確に、実に的確にずーっと対応し続け、千葉は本当に手がなくなるまで指し続けた
結果、なんとか大介、逃げ切り勝ちを決めた 総手数、184手! はあ~ これは激戦だった・・・

千葉が投了した瞬間、ため息をついた視聴者がどれほどいるだろうか(^^;
1勝を手にすることの大変さ、よく見させてもらいました 
はあ~・・・ 見ていたみなさまも、お疲れさまでした