南芳一 九段vs行方尚史 八段 NHK杯 1回戦
解説 福崎文吾

さー、今日のNHK杯は、と え~っと、南vs行方・・・ え~っと、地味・・・かな・・・
でも解説が福崎文吾さんだ ちなみに「ふくざき」、ではなく「ふくさき」だ 

南は木下晃門下 1981年四段、竜王戦4組 順位戦B2
予選で、澤田、コバケンに勝ち本戦進出 25回目の出場

行方は大山康晴門下 1993年四段 竜王戦2組 順位戦B1
予選はシード 15回目の出場

解説の福崎「南は普段から非常に温厚、ずっと正座しかできないそうです
 あぐらができないそうです(笑) NHK杯は準優勝の実績がある
 早指しが強くて手が見える、独特の強さ 大局観がすばらしい
 
 行方はファイター、居飛車一刀流、攻め主体でエネルギッシュ
 剣道で言えば、上段の構えから振り下ろして、一気に攻め切る棋風」

事前のインタビュー
南「NHK杯はひさびさの出場で、非常に楽しみにしています
 行方は強敵、行方とはひさしぶりに指す、一局一局、自分の力を出せるようにがんばりたい」

行方「南先生は私が修行時代に二冠を持っていた第一人者 当たるのが楽しみ
 南は若かった頃を比べて、今は独自の戦法で戦っている
 それにとまどうことのないように、特に時間の配分に気をつけたい
 NHK杯はここ数年、私は全く勝っていないので、何はともあれ1勝、
 そして年明けくらいまでトーナメント表に残っていたい」

先手南で、▲7六歩△3四歩▲1六歩! いきなり小考する行方
へ~、これは何だろう まさか藤井システムではないだろう
後手番になりたい、ということか? この予想は的中した 南は右玉の作戦だった
先手でも右玉かあ でも、1筋の位を取ったから、主張はあるね

番組開始から20分経ってようやく解説開始 
NHKさんにお願いしたいが、もっと早くに大盤にカメラを移して解説を始めてほしい 頼みます

▲南の右玉vs△行方のミレニアムという戦型になった
右玉に対してミレニアムはセオリーだね 
(それから、右玉に対しては、居飛車側から角交換はしないほうがいいというのもセオリー
右玉側は打ち込みのスキがないからね これは覚えておいて損はない 
角換わりで右玉が多いのは、角交換になったからこそ、右玉が有力という意味がある)

福崎「『南の右玉』という本が出てますので、この対局は大事ですよー
 右玉は、禅問答のような、謎かけのような戦法」
そうだね 右玉、今、何がどうなっているのか、私はわからないときが多い
これだけたくさん将棋を観戦してるのになあ(^^;

雑談で、福崎「南さんは、見た感じと違って、冗談がうまくて、私はよく笑わせてもらってる」
福崎「私は矢内さんのファンなんですよ~」
福崎「僕は以前、NHK杯に出たときは、すごく緊張して心臓の音がドキドキとうるさくて、
 秒読みが聞こえなかったことがありました」
矢内「ふふふふ」

そういえば、私がまだ大阪に住んでいたとき、市の将棋大会があったのだが、
そこで南さんが開会の挨拶をする場面があった 南さんの前に挨拶した囲碁のプロが世間話をして、
話が長かったのに対し、南さんは、「今日はみなさん、楽しくがんばりましょう」の一言だった
すばらしい挨拶だった あれには笑わせてもらった

さて、雑談はいいとして、これ、いつになったら戦いが始まるの?
もう50分以上経つけど・・・ あの~、正直、眠たいんですけど・・・
本格的に戦いが始まったのは、番組開始から55分ほど経ったときだった 
福崎「ここからですね」 おーい、今までの時間は何だったんだ 序盤、長い~

南が4筋を狙った手、行方はどう受けるか、というところ 8四の角を△6二角! なるほどな~
対して南は▲1四歩で端攻めか ほほ~ そうやるものか 
ミレニアム、横からの攻めにはめっぽう強そうだからね 端で勝負か
福崎「形勢は微妙 一手指したほうがよく見える」
そういう形勢か 自分ではわかんない 解説が頼みだな、これは(^^;

南の左側の攻めを手厚く受けた行方、行方ペースか?
南、▲7九飛として、▲1九飛と大転回させたが、行方に香を打たれて、
歩切れのため合駒ができず、逃げざるを得ない また▲7九飛と帰ってくることになった
うわー、これはツライ 出戻り飛車とはこのことだ
南、3手ムダにしたかっこうだ ここが勝負の分かれ道だったのかもしれない

でも、まだ後手を持って、どうするかも私には全く見えない 漠然とした局面だ 
もうずっと前から30秒将棋の行方、慌てるんじゃないかな、と思っていると、
なんと1三の銀を△2二銀と悠然とバックして引き締めた!
おおお、こ、これはすごい手! この一局で一番感心した手だった
これは、明日の「将棋タウン」のホームページの「NHK杯に見る受けの手筋」に採用されそうな手だ!
(余談ですが、将棋タウン様の「NHK杯に見る受けの手筋」、私は毎週楽しみにしてます)

この△2二銀には福崎も感動したようで、
福崎「格調高いですね~! 経験を経た指し方」
そうだね、プロの中で揉まれてきました、という手だね すばらしい

だけど、まだ後手を持って、どうすればいいのか全然わかんない 
今打ったばかりの、△4六桂が取られそうだぞ どうするのか?
行方の答えは、角を取って、その角を△8八角!だった おお~、これが飛車金両取りかあ
さ・す・が! 福崎「非常にうまい指し方ですねえ」

結局、△4六桂は取られることなく、攻めに絶大に利き、行方が完璧に寄せきった
行方の快勝! これは行方、強かったね 南も、もう仕方ないだろう
福崎「行方の、お手本のような指し方だった 受けるべきところは受け、まとめ方がうまかった」

本局の、こういう行方のような指し方、どうやって身につけるものなんだろうなあ
右玉の将棋、今どこが局面の急所なのか、私はわからないケースが非常~に多い 
実は今回もそうで、結果的に行方の攻めが続いたから、行方が強いとわかったわけで、
対局を見てる最中は、何がどうなってるのか・・・(^^;
もう仕方がないかな 将棋にそういう不思議な戦法が、ひとつくらいあってもいいよね

今回の見所は、行方の△2二銀だったと思う これは見習いたい手だった