永瀬拓矢 五段vs神谷広志 七段 NHK杯 1回戦
解説 島朗

矢内、髪を後ろでグリングリンにしていて、ゴージャスだ 
解説の島さんも、髪型、いつもどおり、バシッと決まってるね! この髪型以外見たことがな(以下略)

永瀬19才、神谷51才の、年の差対決か 永瀬と言えば、前回のNHK杯で、2局連続千日手の末、
佐藤康光に勝ったのが印象的だったけどけど、今回はどうなるかな

永瀬は、安恵照剛八段門下 2009年 竜王戦5組、順位戦C2 総合成績優秀で予選免除
NHK杯は2回目の本戦出場
神谷は、(故)廣津久雄九段門下 1981年四段 竜王戦4組、順位戦B2
予選で横山、川上に勝ち 14回目の本戦出場

解説の島「永瀬は、長手数をいとわず、将棋の基礎体力がある 
 最先端の研究で振り飛車をひっぱっている、若手の代表格 最先端こそ最善と信じている

 神谷は、私と同期で30年前に四段になった 個性的なところが昔から変わっていなくて、
 定跡には背を向けて、自分の道を行っている 力強い受けが特徴
 永瀬の最先端のレールに神谷は乗らないだろうから、力戦必至、長手数必至」

事前のインタビュー
永瀬「私も神谷も、受け将棋なので、受けあう展開になると思う
 前期は2回戦で負けてしまったので、今期は2回戦以上を目標にがんばりたい」
このコメントを聞いていた島「永瀬は優等生の発言だが、実際はもっと快活で自信にあふれている」

神谷「永瀬とは公式戦で何回か戦っているが、若くて鋭いんでしょうけど、このトシになると、
 どんな将棋だったのか、どんな人だったのか、もう覚えていない
 2日後の5月22日は、私がかわいがっていたトラニャンが亡くなって2年、3回忌になるので、
 天国で見ているトラニャンのために、みっともない将棋は指せない」
このコメントを聞いていた島「神谷は個性的、常に本音でしゃべる」

先手永瀬で、相振りになった 両者ともに、三間飛車で美濃囲いだ
今回は、解説がわりと早く始まったと思う 毎回これくらいでお願いしたい
島「神谷は相振りはときどき指している もう前例がない、急所が難しい将棋になった」

雑談で、島「永瀬は将棋漬けの、若手の模範になる生活をしている
 加藤桃子が女流王座のタイトルを取れたのは、兄弟子の永瀬の功績が大きい
 永瀬は将棋には厳しい兄弟子、瀬川は優しい兄弟子 
 永瀬は努力していない後輩には厳しいと思う 私は永瀬の後輩でなくてよかったです」
矢内「ふふふ」

島「神谷は昔から正義感が強い 若い頃は、顔は今と同じで、軍服を着ていて、こわいんですよー」
矢内「ふふふ」
軍服を着た神谷さんが近づいてきたら、怖いだろうなー(^^;

さて、永瀬が▲6五ポンといくのかどうか、という話になっている もういくの?
いくとどうなる? ・・・と思ってたら、永瀬、▲6五ポン、いったーー

角交換から、いきなり角を打ち合って、香を取り合う、激しい将棋に!
もうお互い、敵陣に馬ができちゃった こんな展開がプロどうしであるのか 
島「こんな戦いになるとは、思いもしませんでした もう終盤ですね(笑)」

島「永瀬は、大山名人の将棋が好きで、よく並べているらしい」
永瀬が扇子を持っているが、そこに書かれてあった揮毫(きごう)は、「堅忍」だった 納得だ
島「神谷は、戦型分類しにくい力戦で、若手を受け潰すのが得意」
受け棋風の2人の対決だけど、今のところ一直線に攻め合ってるが、どうなるか

神谷は長考して△3三桂、形勢は永瀬がやや良しか、というとき、さらに▲7三歩の叩きがでた
また考慮時間を使う神谷
島「永瀬の▲7三歩を、いい手だったと認めている考慮時間の使い方
 神谷は永瀬のスピードを感じているのでは」

ぐっ、神谷、苦戦か・・・ もういいところなしで、負けるのかな、と思っていたら・・・
神谷に、△5一金寄、という気づきにくい手が出た!
島「これはいい手では?」
検討してみると、この金寄り、かなりの妙手と判明! 永瀬の手がピタッと止まった
島「神谷流が出ましたね~ 形勢、にわかに大変になった気がする
 神谷も『まんざらでもない』という手つきだった これは秀逸な受けだったと思いますね~!」
矢内「玉から遠のく、という発想は、なかなかできないですもんね~!」
えーぞ、えーぞ、神谷さん! 私はなぜか、神谷さんの応援をしていた なぜだろう(^^;

この△5一金寄という手を境に、局面の流れは神谷に向いていった
3三の桂が△2五桂と使えて、後手の神谷、好調か!
島「永瀬も、神谷将棋を堪能(たんのう)してるんじゃないか」
一手一手難しいが、指されてみれば、そうか、と思う手がずっと続く
神谷、金銀3枚の壁で受けて、先手の竜を無力化することに成功している
永瀬のほうは、玉頭を攻められる手が残っていて、ピンチだ
これは、神谷がいけるのか? まだ難しいけど・・・

考慮時間は、先に永瀬が使い切った
永瀬、攻めのカナメの飛車が、詰まされてしまったではないか 
これはもう▲6三銀の攻め合いしかないだろう
矢内も「▲6三銀?」と言っている そうだろう、▲6三銀で勝負をかけるだろう、と思ってたら!
永瀬の手は、▲2八銀の受け! え~、ここで受けに回る手を考えていたの? これが永瀬の棋風か!
島「▲2八銀もいい手でしたね 一手指したほうがよく見える将棋」
うおお、面白い!

この▲2八銀で、また流れがガラッと変わった 神谷はこの受けが見えていなかったのは明らかだ
永瀬、取った角を▲6三角と打ち込んだ ▲6三銀じゃなくて▲6三角!
この手順を読んでいたのか、この終盤で銀と角が、かわることを見越していたんだね すごい!

神谷、攻め合いに活路を見いだそうとしたが、永瀬は今度は即詰みを見切っていた
詰めろから一気に後手玉を詰ました 後手は持ち駒に歩がなく、合駒が悪いというちょっと難しい詰みだ
67手で永瀬の勝ち おお~、永瀬、強かった これはかなり強くないとできない勝ち方!
▲2八銀という受けの好手を指したあと、すぐに攻めに転じて、相手を即詰みに討ち取るという、
頭の切り替えの速さ! 盤面全体が見えていないとできない勝ち方だ 強い・・・!

この一局、面白かった 両者の良いところが出て、見ごたえがあった!
神谷の△5一金寄、そして永瀬の▲2八銀、どっちもすばらしかった 
でも、どちらかというと永瀬の▲2八銀のほうがすごかったか・・・

矢内「すごく濃い感じがしたんですけど」
島「短手数ですけど、激しい将棋でした 形勢は2転3転してると思う」
矢内が「濃い」というとき、手でジェスチャーも入っていた(笑)

感想戦では、序盤は一番激しい変化に2人が飛び込んでいってくれた、ということだった
神谷「トシ取ると、気が短くなるんだ」
・・・「トシを取ると、気が長くなる」という人もいそうだが(^^;
島「△5一金寄はすばらしい手だったなあ」
神谷「それほどじゃねぇだろ(笑)」
でも、ここ、神谷さん、うれしそうに笑ってた うんうん、ここは魅せたもんね
トラニャンも、この負けなら仕方ニャい、ときっと言ってくれるだろう

そして永瀬は、感想戦で、終盤での自陣飛車(△7二飛)を指摘、またもすばらしいところを見せていた
神谷「この飛車打ちは気づかないね」
相手の角の利きに自陣飛車、並みの才能、並みの努力では見えない手だね
さすが、大山将棋を並べているだけある!

永瀬は2回戦では「千駄ヶ谷の受け師」こと、木村一基八段とだ これは楽しみな一戦になった
神谷と永瀬、受け将棋の2人のいいところが見れて、満足だった 面白かった!