深浦康市 九段vs門倉啓太 四段 NHK杯 1回戦
解説 石田和雄

矢内、髪の毛、グリングリンに後ろで巻いて、凝っているな~ セットするのに何分かかるんだろう
お、今日は石田さんの解説かあ 面白くなるといいな

深浦は1991年四段、竜王戦1組、A級 予選はシードで、20回目のNHK杯本戦出場
門倉は2011年四段、竜王戦6組、C2 予選で、小倉、佐藤秀司、坂口に勝ち、NHK杯本戦は初出場

門倉、2000年に6級で奨励会に入会した、と紹介されていたから、奨励会に11年もいたのか

解説の石田「深浦は、本格的で確実な将棋 とっぴな手というのはあまり見ない
 攻めは鋭く、容易に腰を割らない 深浦に勝つまでには、一山二山、いっぱい山がある
 プロになる前に、九州の将棋大会で、私が指導してあげた
 そのとき、私はA級だった 深浦がプロの先生に接したのは、私が最初だと思う
 有望な子がいるから見てやってくれないか、と頼まれてね
 優秀でまじめな印象を受けた 当時、ここまで強くなるとは思わなかった(笑)

 門倉は勝又の紹介で私の弟子になった
 門倉は三段が長かった、石田一門がバタバタッとプロになったときに、それに刺激されて
 猛勉強した 1日7時間くらい、やったみたいですよ それで四段になった、すばらしいと思う」

調べたら、佐々木勇気四段、門倉啓太四段、高見泰地四段というのが、近年四段に昇段した、
石田門下の若手だね

事前のインタビュー
深浦「門倉は、斬新なアイデア、構想を持っているので、集中力を高めて、それに対応していきたい
 NHK杯は、前期は惜しいところで負けた(3回戦で菅井に負けている) 
 1回戦から一つ一つ、いい将棋を目指してがんばっていきたい」

門倉「NHK杯は、記録係を長年務めさせていただいた 対局者として出場できて本当にうれしいです
 初戦から実績のある強敵が相手なので、自分らしい面白い将棋が指せればなと思う」

石田「深浦の居飛車、門倉の振り飛車で、対抗形になると思う」

先手深浦で居飛車、後手門倉は角道を止めた三間飛車だ 深浦が穴熊を目指したとき、
門倉、小考の末、ビシッ!と玉頭銀にでた 左銀だけでなく、右銀も攻めに参加させる、という、
意欲的な作戦だ お~、ええぞええぞ、面白い作戦だ 三間飛車の藤井システムみたいだ 
駒音が高く、気合いが入っている門倉 いけ、いけ~

矢内「それではよろしくお願いします」
石田「あ~、どうもどうもどうも 銀をパパパーと出て、2枚銀でねえ~」
矢内「いきなり本陣を攻めてしまおうと」
石田「そうですよ そーそーそーそーそー 飛車が逆に、8筋に戻ってくる可能性がありますよ」
矢内「あ 居飛車に」
石田「えー、えー、えー、えー」
解説の石田さん、相変わらず、同じ言葉を連呼してくれる 面白い

石田「先手は、この手とこの手、両方指せればいいですけどね ピャピャッ!と」
矢内「どっちを指したいですか」
石田「どっちも指したい」
矢内「(笑)」

さて、門倉、2枚銀でガリガリ、一気に攻略、と行きたいところだったが、
深浦の巧みな守りで、銀が追い返されてしまったではないか あれれ、これはどういうことだ
もう、少しまずいのでは・・・ 深浦の、金2枚を3段目に上げる受け方、これはお見事!
石田「銀を引かされるようでは、この銀2枚出る戦法は、たいしたことなかったかなー」

雑談で、石田さん、インターネットで書き込みをしていて、「今週のつぶやき」というのを連載、
一日千件のアクセス!があるそうだ うへ~、すごいね~ 負けたわ(笑)

門倉の作戦、あまりうまくいっていないようだが、まだ勝負はこれからだ
石田「飛車をまた2筋に戻すかなあ わけがわからないから、最近の将棋はねえ
 居玉は避けよ、というのが格言の第一にきたもんですが」
と言っていたら、なんと、門倉、△3六歩と飛車交換を挑む、強行手段! 
▲穴熊vs△居玉で、居玉のほうから飛車交換を狙うという、すごい発想!
TVの前で、△3六歩を見たとき、私は「おお~、いったでこれ!」と大声を上げてしまった(^^;
石田「あ やっぱり! は~、ま、これはすごいね! こうまで将棋は変わってきたかと思います」

が、この門倉の強行策、深浦に冷静に対処され、飛車交換はならなかった
石田いわく、やったら動き回ってる門倉vs微動だにせず、受け流している深浦という図式だ
 
石田「門倉が、色々技をかけて、突っ張って、突っ張って、あの手この手を出しているが、
 深浦は相手の動きに合わせて、腰を低くして動じない」

画面に大写しになった両者、門倉が顔をゆがめているのに対し、深浦は全くのポーカーフェイスだ
石田「深浦の表情は、余裕シャクシャクなのか、余裕クシャクシャなのか」
矢内「(爆)」 矢内、爆笑してた(^^;

門倉、8筋に嫌味をつけ、飛車をぶったぎり、おお、何か手があるか!と思わせた
3五の銀をタダで取れ、石田に「これは面白くなったか」と言わせ、おおお、まさか、門倉、
この将棋がまだいけるのか? と一瞬、なったのだが・・・
銀をタダで取らせたのは、深浦の予定の行動だったのだった
決め手に▲3九飛、とドカン、と自陣飛車を放たれ、万事休す!
あらああ こりゃ、また、見事な決め手があったもんだなー
石田「あ なるほど これはしびれたんじゃないですか~」
矢内「見えにくかったですね」

深浦、最後は鮮やかな即詰みを見せてくれた 85手で深浦の勝ち 
さすがA級棋士、若手相手に、快勝と言える内容だった
石田「門倉が技を仕掛けまくったが、深浦は微動だにせず、貫禄勝ちでした」
 
感想戦では、門倉「この戦法は、藤井がやっていた戦法  
 ムチャクチャでも、攻め続けなければいけなかった 本譜は攻めが止まっちゃいましたね」

この戦法、やはり、後手のほうが手が広く、1手間違えたら攻めが失敗となるので、
指しこなすのが、相当難しいと思った 流行することはないだろう 
しかし、これで穴熊を攻め潰したときは、すごい楽しいだろうし、流行しないからこそ、
得意戦法にしておけば、秘密兵器になる作戦と思った 将棋はまだこんな戦法もある、面白いね 

門倉、負けたけど、門倉将棋の魅力は見せてくれた 大勢に注目されている一局で、作戦のチョイスが
良かったと思う 私ですら、この作戦、一局通して見たのは初めてだった
そして、横綱相撲だった深浦、こっちは万全だね 
飛車切りから攻められたとき、一瞬、危ないと思ったけど、読み筋だったんだね これぞA級の安定感だ
「安定感」という言葉は深浦のためにある、そんな一局だった

石田九段(奨励会時代から数えて)約50年の現役生活、お疲れ様でした!
愛知県の地元での、岡崎将棋祭り、まだ続けてくださいね~ よろしく頼みます 
私も現地からレポートしたいんで、マジで頼みます