第20期 銀河戦
本戦Bブロック 10回戦
屋敷伸之九段 vs 橋本崇載八段
対局日: 2012年5月17日
解説:青野照市九段
聞き手:久津知子女流初段
記録:伊藤明日香女流初段

土曜に放送された銀河戦 ハッシーの登場だ 相手は屋敷、好カードだ
ハッシー、頭が茶髪、服はそれに合わせてブラウンのスーツ
聞き手の久津「ハッシー、髪型はこれで(前より)普通にしたって感じですね(笑)」
青野さん、派手な黄色のネクタイだ なかなか似合っている

平成23年度の成績は、屋敷18勝13敗 ハッシー29勝10敗
屋敷は予選シード、ハッシーは前局で北浜に勝ち

解説の青野「屋敷は昨年、A級に上がって勝ち越して、充実している
 居飛車、振り飛車、両方指すが、どちらかというと居飛車党 軽い速い将棋が好き
 ハッシーは今期からA級、有望な若手 最近は振り飛車が多い印象 バランスが取れた終盤型」

先手屋敷で居飛車、後手ハッシーは角道を止めた三間飛車だ へー、実にめずらしい 
青野「最近ではほとんど見たことがない、新鮮な感じ」

雑談で、久津「屋敷さんは、4つ記録を持っている 10代で、タイトル挑戦、奪取、防衛、失冠、
 全部最年少記録 本人に言ったら、失冠のところで笑ってました」

さらに、久津「以前、屋敷さんに詰将棋を見せたら、30秒くらいで、『あ、19手詰めだね』と
 言われたことがある 本当にびっくりした」
屋敷と言えば、一日10分しか将棋の勉強をしない、と言ったことがあるとかいう話があったけど、
30秒で19手詰めが解けるんだもんね 10分だけでも、凡人の何時間にも相当する量になるね

青野「屋敷は、早くにタイトルを3回取って、九段の資格があったのだが、
 八段になかなかならなかったために、その間、九段になれなかったという不思議な棋士(笑)」

さて、三間に対するセオリーと言えば居飛穴、屋敷が居飛穴に組もうとしたところを、
ハッシーがけん制、屋敷は米長玉にして、香と玉が逆の穴熊?が出来上がった
さらにそこから、ビッグ4に組み上げた ▲屋敷の米長玉ビッグ4vs△ハッシーの高美濃だ

青野「先手は固いが、攻めをどうするか 昔は、こんな風に4枚でガチガチに固めたら、
 師匠に怒られた こんなに固めて攻めがなくて負けたら、田舎に帰れ、と言われた(笑)」

対抗形で、▲さばきを狙う屋敷vs△押さえ込もうとするハッシー、というわかりやすい図式
私はハッシーの応援なので、押さえ込め~、と思って見ていた 
それに私はたいがい、玉が薄いほうを応援するからね

局面、ハッシーが押さえ込めそう、と解説の青野
青野「ほっとくと、本当に押さえ込まれてしまいますね 何もできないまま終わっちゃったら、
 どうしようもないですから」
じりじりと追いつめられる先手の飛車、屋敷は考慮時間も減らしていく
おお、いけるか~ ビッグ4の姿焼きか~

が、しかし! 完封まであとほんのちょっと、というところで、
屋敷がパズルみたいな手順で、完封負けを回避! 飛車を切って勝負形にもっていった
実に巧妙、う~ん、さ、さすがだ やっぱり屋敷は強い! 
青野「飛車と角だけで、手になるわけないだろう、と油断していると、大変なことになる
 ハッシーは『え?ホントですか?』と思ってるかもしれない」

青野「形勢、どっちがいいか、わからない」
ハッシー、がんばれ~ この将棋、まだまだわからんぞ
ところが、屋敷に、使えていなかった角を活用する、好手一発!
さらに、ハッシーのちょっとした疑問手?から、屋敷が押せ押せに、うわー、ハッシー大ピンチ

王手がかかる形になった高美濃、こうなると、玉の固さの差がモロに出る
もうハッシー、さすがにあきらめたかなあ、と思って見ていたら、ハッシー、あきらめない!
おお、まさか、詰むや詰まざるや、のギリギリか!

ところが、屋敷、18才で棋聖を取った実力を見せ付けた 
ハッシーに金の合駒を請求し、その金を取り、金を自陣に打ちつけ! ここで受けに回るのかあ 
攻防一体だ これは強いわ 
さらに、寄せ方も、青野、久津をうならせる好手順! うわー、こ、これはうまい
30秒将棋とは思えない さすが、19手詰めを30秒で解く屋敷 お、お見事

ハッシーも、青野が「受けがない」と言っていたところを、自陣飛車をひねり出し、
青野を感心させたが、手数が伸びただけに終わった 127手で、屋敷の勝ち

青野「ハッシーが押さえ込めたと思ったが、ちょっとした穴が開いた」
ハッシーも、そんなに悪い手を指したわけじゃないんだけどなあ 感想戦を見ると、
ほんのちょっと、本当にほんのちょっとの差、で押さえ込みが成功するかどうかのギリギリだったようだ

この一局、居飛車vs振り飛車の対抗形、私は一番手が見えるのがこの戦型だ
そして、中盤も終盤も、そんなにゴチャゴチャしていたわけではなく、手が広いわけでもなかった
それなのに、え?そんな手が?という手の連発だった
自分と屋敷、ハッシーとの間に、実力差がすごいあることをイヤほど感じさせられた
ちょっと落ち込むなあ~

それに比べて、解説の青野の、手が見えていたこと! これは特筆物だった
この日の青野さん、どうしたの、というくらい、手がビシビシ見えていた
長年A級に居たのは、まぐれじゃなかったんだね(^^; すっかり見直しました
勝った屋敷より、青野さんに拍手を送りたいくらいだった

ハッシー、自身のブログによれば、今4連敗だそうだ
A級で通用するかどうか、これからが正念場だね この一局、決して悪くなかった 
でも、相手もA級、ハンパな強さではないわ 
厳しいけど、ハッシーにはA級リーグを盛り上げてほしい!