甲斐智美 女流四段vs野月浩貴 七段
解説 遠山雄亮

おっ、矢内、紺の色の、シスターみたいな服を着てる 胸元には十字架のペンダントだ
さあ、今日はいよいよ女流の登場、期待してしまう 
勝ってほしいとまでは言わない、いい勝負になれば・・・!
なぜか見ているこっちが緊張してしまう ドキドキする うー、楽しみだ

甲斐は1997年にプロ女流棋士デビュー、女流枠決定戦で上田初美に勝ち、NHK杯は2回目の本戦
野月は1996年四段、竜王戦2組、順位戦B2 予選で大平、吉田に勝ち NHK杯は9回目の本戦

解説、遠山さんか 遠山、背が高い! 年鑑で調べたら、183cmだ
へー、ヒゲをはやしたんだね 遠山、紹介されたとき、なぜかアゴがあがってた(^^;

遠山「最近、NHK杯で女流が勝てていない、しかし甲斐さんは女流の早指し戦でいい成績を
 あげているので、期待される」
そうだよね、いい将棋を見せてほしいと切に思う 
もう10年くらい前、中井さんが活躍したとき以来、女流はほとんど勝ってないのでは?
それも、どれも女流のボロ負けという印象が強い 甲斐さん、がんばれ~

遠山「甲斐は振り飛車党、受身で渋い棋風 粘り強く指し、混沌とした中で勝機を見出す
 振り飛車党らしい感じがする
 野月はそれとは全く対照的、居飛車で攻め将棋、切った張ったでバンバンいく
 若手のリーダー格で人望があり、慕われている」

事前のインタビュー
甲斐「野月は一手一手に緊張感があり、華やかな将棋
 (NHK杯の目標は)この対局でベストを尽くしたい」
聞いていた遠山「甲斐は大きいことを言わない、謙虚で人柄が表れている」

野月「甲斐は非常に序盤からしっかりしていて、いい将棋を指す
 今年の頭くらいに初めて甲斐と指したが、そのときは終盤まで形勢が悪くて、
 読みがしっかりしているな、という印象だった
 (NHK杯の目標は)一局でも多く指せるように、がんばります」
聞いていた遠山「講座のときの快活な感じと違って、緊張しているかな、という感じ」

遠山「甲斐はどの筋にでも振る、野月は居飛穴が得意なので、じっくりした戦型になるんじゃないか」
さて、いよいよ対局開始! 先手甲斐で、早石田模様  
そこから、お互いに乱戦はさけ、持久戦になった 長い序盤だ

NHK杯、いつものことだが、なかなか解説が始まらない、もっと早くに解説を始めてほしい
銀河戦なら、10手以内くらいから解説が始まるのにね
 
▲石田流本組み+ダイヤモンド美濃vs△居飛穴、という図式 
遠山「(遠山は振り党)私なんかだと、居飛穴に組まれて、ちょっとつまんないな、と感じるが、
 甲斐はじっくりした棋風なので、自分の棋風に沿った指し方」
矢内「先手の囲いも、固いですね~」
遠山「甲斐は矢内さんと同じく、奨励会に属していたことがあるので、そのときの経験、苦労が
 指し手に出ているところがある 簡単には崩れない」

そうなのか、甲斐さんは奨励会に所属していたことがあったのか 
今日は終局までは長そうだ、甲斐さん、粘ってよ~

遠山「甲斐はモバイルのほうで、コラムを担当していたことがあり、
 すごく大人びたような、詩のような独特の文章を書いていて、話題になった」 
そうなのか 私はこのブログを書き始めてからというもの、
あんまり他の人のHPやブログを見なくなってしまった 知らなかったな

さあさあ、どこから戦いが始まるか・・・
矢内「お互いに相手に動いてもらいたい、という感じでしょうか」
遠山「後手も受身ですからね」

しかし、まだ駒がぶつかっていないのに、ここに至るまで、甲斐は4甲斐も、
間違えた、4回も考慮時間を使ってるぞ 大丈夫かい?
遠山「ちょっと心配になるが、いつもの甲斐のペース」

戦いが始まらないので、ちょっと雑談になった
遠山「野月には非常にお世話になっていて、お礼のしようもないくらい」
矢内「ちょっと何か訊くと、ものすごい量が返ってきますからね」
野月に世話になっている、という後輩の棋士、すごく多いね 
他の棋士からもしょっちゅうその話を聞くよ 
仲間内で旅行に行くとき、幹事の役をしてくれたりするらしい

まあー、それにしても、すごい持久戦になったな 今日は放送時間がいっぱいまでいくか?
遠山「お互い、あまり見ないくらい固いですねえ 
 野月は指し手に形勢の良し悪しが出る、いいときは『もらった!』という感じで来る」

そう、そして、野月は早指しで有名なのだ 考慮時間をあまり使わず、どんどん指してくるタイプ
銀河戦でそういう野月を見ている 野月が時間を使いだしたら、形勢が思わしくない、ということだ
甲斐、はたして、野月に時間を使わせることができるか?

と、思ってたら、甲斐、3筋から仕掛けた! ようやく駒がぶつかったか
さてさて・・・ って、あらら、角をぶつけられちゃった! え、これは甲斐はどうなんだろう、
想定内か? お互いに馬を作りあい、もう終盤だ 中盤が5手くらいしかなかったな(^^;

遠山、色々な手を解説してくれている
遠山「やってはいけないというのは、▲7四歩ですね ▲7四歩は絶対やっ・・・ あっと」
甲斐の手、▲7四歩だった! だあ~、大丈夫か!?
遠山「狙われてる飛車をさばく意味ですね、指されるといい手というのはよくあることですね(^^;」
ドタッ そんな解説ありか(笑)
それはそれとして、甲斐、もう時間がない! 考慮時間、残り▲1回vs△9回まで差が開いてしまった
こ、これは厳しいのでは・・・

そこへ、野月の絶妙の歩の垂らしがキターーーー 遠山ですら、意味がわからなかった垂らし
甲斐の金が守備から遠ざかってしまった 馬での金取り、受からないではないか!
野月陣は、まだ全く手付かず! 正直、この時点で勝負はあった もうだめぽorz

遠山「甲斐の表情からは、困ったな、という感じが見受けられる 
 野月の手、参考になる手筋でしたね スッと、一瞬の出来事でリードしましたね さすがの手順」 

あとは、野月の寄せを見るばかりだけど、どうやるかな
おお、そっぽの金には目もくれず、一気に玉を攻めていったか き、厳しい
もう甲斐に粘らせないつもりだ さ、さすがに強い 甲斐のダイヤモンド美濃、あっという間に崩壊!

いったん手を戻し、香を補充した手が詰めろ、になってたのか わわわ、つ、強い、格が違うわ
甲斐、何もできず、86手までで、完敗 野月は考慮時間を9回残しての圧勝 
番組開始から、わずか58分 ・・・orz
考慮時間の残りが▲0回vs△9回、これがそのまま、野球のスコアの0対9みたいに見えた

今年も女流、恒例のボロ負け もうね、なんとも、言葉がないわ
さあ、まだ番組終了まで30分あるから、今からもう一局指せるんじゃないの?
もう一局いこう、今のは、なしで! 今のは練習! 次が本番!

遠山「いや~、野月さんの一瞬の切れ味にはびっくりしました、さすがの指しまわしでした
 甲斐さんは持ち味が出なかった」
冒頭の紹介での「甲斐は渋く、粘り強く指す」のはというはどこへやら ああー

感想戦、野月「初手▲5六歩なら、相振りにするつもりだった」
そうかあ、甲斐の▲7六歩が敗着かあ ・・・って、そうじゃないけど、そうも思えてしまうorz
検討は序盤をみっちりやってくれて、けっこう面白かった 30分、最後まで観た
でも、違う将棋の検討だよね これがホントの見当違い

はぁ~、今年も女流のボロ負けだったか まあね、出場決定者を決める将棋を観ていれば、
こうなることはわかっていたんだけどね やはりガックリとくる

もうどうだろう、女流枠はなくす方向でどうだろうか
これだけ力に差があるのだから、戦ってもしかたがない
もう女流枠はなくしてしまって、純粋に男だけのトーナメントにするのだ
そして、女流のNHK杯を始めるのだ 女流棋士16人くらいのトーナメントでいいだろう
どうだろうか、米長会長、どうにかなりませんかね? ぜひ検討してほしい 頼みます