第20期 銀河戦
本戦Eブロック 最終戦
郷田真隆棋王 vs 豊川孝弘七段
対局日: 2012年5月29日
解説:桐山清澄九段
聞き手:本田小百合女流二段
記録:渡辺弥生女流1級

平成23年度の成績は、郷田29勝18敗 豊川9勝17敗 2人の対戦成績は、郷田の3-2
郷田は予選シード、豊川は南、松尾に勝ち 勝ったほうが決勝トーナメント進出の一局

解説の桐山「郷田は居飛車一刀流、優勢な将棋は最短手数で勝つ、苦しいときはジリ貧負けはしない
 豊川は居飛車党、先手番のときは、たまに振ることがある 今日は後手番なので、居飛車だろう
 2人とも、安易な妥協はしない棋風」

先手郷田で、相掛かりになった 引き飛車▲3六銀vs△8五飛という戦型
桐山「△8五飛は、後手のほうから先攻しようという狙いがある指し方」

雑談で、本田「豊川さんは、大盤解説で、ダジャレがすごく好評で」
桐山「あ そうなんですか へー」
へーって、桐山さん、豊川さんのダジャレを知らなかったのか かなり有名だと思うけど(^^;

この将棋、面白いことになった 郷田の棒銀を、豊川が呼び込んで受ける、という展開だ
豊川、棒銀の銀を▲2五銀と出させておいて、郷田が▲2四歩と歩を合わせたそのとき、
豊川はそれを放置で△6二玉!!
桐山「へーーー! 手抜いて△6二玉! 右玉ですね」
これは初めてみた 面白い! どこまでが豊川の研究なのか

桐山「えー、これは、先手が攻めて行くと、すごい激しいことになりますね」
なんと、先手に、と金を作らせても後手が指せる、という豊川の作戦!
桐山「これ、本当に受け止められるんですかね?」

おいおい、豊川、大丈夫か 
大盤で桐山が検討するが、桐山「どの変化も、後手が好んでやる順ではないですね」
豊川は長考し、なんと、6回目の考慮時間に入ってしまった あれあれ・・・
郷田はまだ15分の持ち時間を使い切ってもいない

えーっと、これはすでに、豊川さん、お困りなのでは・・・ 棒銀がモロに炸裂した図、ではないのか? 
なんやねん、豊川の作戦、どういうこと? 

手が進み、先手は竜と馬ができ、後手陣は、1~4筋方面が崩壊している どう見ても郷田良し・・・ 
棒銀、モロに炸裂の図、これはプロではめずらしいなあ 

どう見ても郷田良し、なんだけど、ここからの郷田の構想、これは案外難しいか
桐山「ずいぶん郷田が優勢かと思ったが、考えてみると、まだ難しい」
う~ん、もし私が先手を持っていたら、弱気だけど、竜を自陣に引き上げて、ゆっくり指すなあ

郷田はどうするだろう? と思っていたら、ズバッ!と馬を切って、一気に寄せに行ったアア
「やっ やったッ!! さすが郷田! おれたちにできない事を平然とやってのけるッ
 そこにシビれる! あこがれるゥ!」

感想戦では、この馬切り以外では、まだ難しくなる、ということだった
完全に先手良しになり、郷田、すぐに後手玉に寄りはないと見るや、自陣にゆっくりと手をもどし、
あとは全部、豊川の手のめんどうを見て、きっちり勝ちきった 127手で郷田の勝ち

豊川、もっと早く投了しても良かったが、まあ、勝てば決勝トーナメント進出の一番だったしね
見ていて、郷田の馬切り、そしてその後の着実な攻め方は参考になったよ

感想戦で、豊川「△6二玉までは、▲郷田vs△渡辺で、実戦例があるんですよね
 でも、その後の変化は知らなかった」
ええー、本人の郷田を相手に、そんな準備不足では、勝てるはずもない・・・(^^;

でも、棒銀が炸裂し、その後も着実な攻めで勝ちきった、という、プロではめずらしい一局で、
参考にもなったし、面白かった 豊川、ナイスな斬られ役っぷりだ
郷田はさすがに棋王、タイトルホルダーの指しまわしだったよ

これでDブロックからは、郷田が最終勝ち抜き者、そして金井が3人抜きで、最多連勝者となった