渡辺明 竜王vs深浦康市 九段 NHK杯 2回戦
解説 屋敷伸之九段

矢内「みなさん こんにちは やうたんです」
とは言わなかったが、矢内の司会でいつものNHK杯が始まった
髪を下ろした矢内、いいよいいよー 服も、もっと派手でもいいよー

今週は渡辺と深浦か そして解説に屋敷、豪勢な顔ぶれだ
渡辺は2000年四段、竜王8連覇中、A級、王座も保持 前期NHK杯は準優勝 本戦は11回目の出場
深浦は1991年四段、竜王戦1組、A級 1回戦で門倉に勝ち 本戦は20回目の出場

解説の屋敷「渡辺は居飛車本格派で、矢倉を得意とする 序、中、終盤、スキのない棋風
 深浦も居飛車党で、最近は攻撃に重点をおいた積極的な指し方が多い」

事前のインタビュー
渡辺「深浦とは、過去の対戦では負け越しているので、非常にイヤな相手です(笑)
 昨年は準優勝だったので、それ以上を目指したいが、初戦から強敵と当たってしまったので、
 まずは今日の対局をがんばりたい」

深浦「渡辺は鋭い攻撃が特徴と思います 最近は色々と幅が広がって、倒しにくい相手
 NHK杯では、なかなか渡辺に勝てていないんですけど、集中力を高めてがんばりたい」

2人の対戦成績は、渡辺7勝、深浦12勝とのこと 
つい先日の8月10日にあった順位戦A級では深浦が勝っている

雑談で、矢内「渡辺は、ブログをまとめた本を出しまして」
屋敷「あ、そうなんですか」
・・・って、屋敷さん、知らなかったのか(^^; 
(ちなみに私は買いました、でもまだ読んでないけど)

先手渡辺で、横歩取りになった ▲中住まいvs△8四飛+△5二玉型の中原囲い

駒組みが終わり、屋敷「後手、できれば何も動かしたくない」と言っていたが、
深浦が9筋から積極的に動いた
屋敷「端攻めだけでやられちゃう可能性がある」 
どうやら、深浦の新工夫の攻めとのこと どうなるか楽しみだ

深浦、決断の△5四角という筋違い角を打ち、攻めを続けようというところ
うーん、これは味が良さそうな角だぞ 
矢内「横歩取りでは、△5四角はよく出てきますね」

渡辺、ここは長考か、と思われたが、なんと、わずか1回の考慮時間で決断の▲9六飛!
ええ~、それはモロに深浦の読み筋、大丈夫なのか!? 堂々と、やってきなさいと▲9六飛、すごいな
屋敷「急激に激しくなりましたね 渡辺が少し余しているんじゃないかと思いますが、
 深浦は攻めをつなげるのがうまいですからね」
どっちが読み勝っているのか?

深浦、飛車を犠牲に、金銀の2枚を取ったが、先手玉にすぐの寄せはないようだ
いったん馬を引いて、粘りに出たか なるほどー

渡辺、ずっと、深浦のいい分を聞いていた手をやってきたが、やっと手番が来た
何か攻めの手が指せるが、どうする・・・?
ここで渡辺、考慮時間を1回も使わず、なんと▲7二歩の垂らし!
▲7二歩~▲7一歩成~▲7二と、の3手を間に合わせようというのか、ここに来て、3手の手渡し!
矢内「はぁ~・・・」
屋敷「これはすごい手ですね 深浦が何もやってこなければ、と金作って勝ちますよ、という手
 すごいですね」

3手あるんだから、深浦としては、何かあるだろう 何か? あるだろう? 何・・・も・・・ない?
手を渡されてみると、何もなかった! 先手玉、1筋を伸ばしているので、端がすごく広い
後手は2筋に歩が立たないので、攻めに工夫が利かない

堂々と、▲7一歩成、とした渡辺
矢内「すごくシンプルな戦い方ですね 頭の中がスッキリしてそうな戦い方ですね」
渡辺の頭脳、コンピュータのごとく読み切っているのか デカイ頭部は、伊達じゃない!

屋敷「さすがの深浦も、逃れられないコースに入った感じ
 姿勢が形勢にも現れてますね」
前かがみで考え込んで、うなだれた深浦 のんびりお茶を飲んでる渡辺 これは勝負あった

渡辺は最後、詰ます必要もなかったが、即詰みに討ち取った 87手で渡辺の勝ち
危なげない、快勝だった 圧勝と言ってもいいだろう

屋敷「深浦がかなり工夫した仕掛けを見せたが、渡辺がうまく手に乗って、さばききった
 渡辺の終盤の速度の見切りは、さすがだった」

深浦としては、一直線の展開に自ら持っていって、変化の余地なくして負けたのだから、ショックと思う
感想戦で、深浦「(△2三歩と打っていたため)2筋に歩が利かないのをうっかりした」
そういうことだったのか

それにしても、渡辺の▲9六飛は1回の考慮時間を使っただけだし、▲7二歩は1回も使わず、
渡辺は、やはり強い 終盤で3手も手を渡す手を、30秒未満で指すなんて・・・

渡辺は、脳の前頭前野が、常人の1.5倍くらいありそうだ
一般に、前頭前野がおかしくなると、認知症になると言われている 
渡辺はそれとは逆で、その大きな前頭前野を使って、現状の正確な認知ができているのだろう 
まさに「渡辺の頭脳」恐るべし・・・ 
かの天才、アインシュタインの脳はどこかの博物館に保存されている、と聞く
渡辺も死んだら、脳をどこぞへ寄付してほしいものだ

渡辺が難敵の深浦を一蹴し、強さをまざまざと見せつけたという内容で、面白かった(^^)