第20期 銀河戦
決勝トーナメント 1回戦 第6局
藤井 猛九段 vs 佐々木 慎六段
対局日:2012年6月28日
解説:先崎 学八段
聞き手:中村桃子女流1級
記録:野田澤彩乃女流1級

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先週の土曜に放送された銀河戦 藤井の登場だ そして解説に先ちゃんだ
藤井はデビル中田、渡辺に勝ち 佐々木慎は平藤、青野に勝ち決勝トーナメント進出
平成23年度の成績は、藤井15勝20敗 佐々木慎15勝17敗

解説の先崎「藤井は私と同い年 もうベテランという感じ 
 竜王だった頃の、藤井システムの印象が強い 前期不調だったが、今期は復調して王位戦を戦っている
 佐々木慎は藤井より10才若い中堅どころ 研究熱心で、終盤よく手が見える
 両者振り飛車党」

先手藤井で、角交換型の▲振り飛車vs△居飛車になった 双方、美濃囲い
先崎「藤井はここのところ、角交換する振り飛車をよく指している 
 この戦型の成績はそんなに良くないんですけど、意地になって指している(笑)」

序盤、角交換する前にも、一手一手、駆け引きがあった 細かい手順だ
先崎「藤井らしい、凝った序盤」
先手の布陣が立石流のようになって一段落した、と思えたところが、下図、先手の藤井の手番 
先崎に「あれ、すごい手が出ましたね! これは気がつかなかった なるほどね~ ジャブです」
と言わせた一着とは? 

後手:佐々木慎
後手の持駒:角 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・v金v銀v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・v金 ・ ・v玉 ・|二
|v歩 ・v歩v銀v歩v歩 ・ ・ ・|三
| ・ ・ ・v歩 ・ ・v歩v歩v歩|四
| ・v歩 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ ・ 歩 歩 歩 歩 歩|七
| ・ ・ 金 飛 ・ ・ 銀 玉 ・|八
| 香 桂 銀 ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 歩 
先手:藤井

▲7四歩 △同 歩 ▲6五歩 △6二飛 ▲6四歩 △同 銀
▲同 飛 △同 飛 ▲5五角


藤井、上図から▲7四歩! いきなりの仕掛けだ ここに目が行くか~ さすがだな
ところが! この手がなんと、敗因になってしまったのだから、全く怖い
この後、互いに引くと作戦負けになってしまうため、一本道で進み、一気に終盤に突入した

そこから、藤井は竜を自陣に引きつける構想で、全駒を狙った・・・ おお、いけるか?
がしかし、佐々木にうまく食いつかれ、先崎「これは網が破れたんじゃないかな~」
佐々木の攻めがつながってしまった

藤井が特に悪い手をやったとは思えないのだけど、どうにもこうにも、
勝ち味がない展開になってしまった 先手は左の金銀が、戦いに全く参加していない
先崎「藤井は先行逃げ切り型だが、その持ち味が出にくい将棋になってしまった」

藤井の玉だけ終盤になり、上部から潰されて、負けた 完敗だった 116手で佐々木慎の勝ち
(総譜は上記HPで見れます)

先崎「藤井は、仕掛けてうまくいくと思っただろうが・・・」
上図からの▲7四歩が、機敏な手に見えて、敗因になってしまうとは、めずらしいこともあるものだ
先ちゃんは、いつもどおり解説がうまかった 候補手のバリエーションがよく見えていた

藤井の良さは、やはり序盤戦術の巧みさと思う じっくり駒の繰り替えをする将棋がうまいのだ
序盤が長い将棋が、藤井にとって力を発揮しやすいと思う
本局は、いきなり戦いにしてしまい、持ち味を発揮するヒマがなくなってしまった

藤井は、角道を止めて、長い序盤に持っていったほうが、力を発揮できるのではないだろうか?
だから、矢倉も合っていると思う
角交換振り飛車は、序盤があまり手数が伸びないため、どうなのだろうか、と思った 

藤井のこの前の一局、渡辺との一局では、局後の感想戦で、
渡辺は「戦いが始まってから、一本道で変化のしどころがなかった」
この一局では、藤井が一本道で変化のしようがなく負けた、という、逆の立場になってしまった(^^;

この一局、序盤の戦いが始まった直後くらいまでが、先崎の解説が聞き応えがあった
24でいうと、初手からの両者の駒運びが、中級者くらい同士でありそうな指し方だったのだ
しかし、先崎「難しい将棋ですねえ どっちがいいんですかね シンプルな局面なんですけどね」
こういう序盤も、プロでもありうるのか、いろんな序盤があるものだ、と思わされた一局だった