阿部光瑠 四段vs郷田真隆 棋王 NHK杯 2回戦
解説 佐藤康光 王将

わー、矢内、何だ、この髪型は? 前髪を編んで横にしてるんだけど、この髪型はどうなのか・・・ 
7:3分けで、まるでNHKの朝の連続ドラマの主人公ではないか 疑問手ではないのか?(^^;

今日は阿部光瑠(こうる)と郷田か 若手らしい元気のいい将棋を期待だ
そして解説に康光! タイトルホルダーが2人も出演、ゴージャスだ 

光瑠は2011年四段 竜王戦6組 順位戦C2 1回戦で牧野に勝ち NHK杯は初出場
郷田は1990年四段 竜王戦1組 順位戦A級 1回戦はシード NHK杯は21回目の出場

解説の康光「光瑠は10代の活きのいい若手 プロになってまだ2年経っていない
 オールラウンダーで、どんな戦型でも指しこなす ところどころに才能を感じさせる面白い将棋を指す
 郷田は居飛車の正統派で鋭い攻め将棋 タイトルを獲得しての登場で、気合いも入っていると思う」
 
事前のインタビュー
光瑠「郷田は正統派な居飛車党のイメージがあります
 今日は普段どうり、楽しくがんばりたいと思います」

郷田「若い人たちは手が見えて早指しも強い印象がある はりきってがんばりたいと思います」

先手阿部光瑠で、ノーマル角換わり、相腰掛け銀になった 郷田が工夫を見せて、先後同型ではない

雑談で、康光「郷田はノーマル角換わりの後手番を避けませんね 
 私には、ノーマル角換わりの後手番は大変だというイメージがある
 一手損角換わりを私はよく指しますが、郷田はあまり指さない」

康光「有名な言葉で、『郷田さんの30秒』というのがある 
 普通は1分将棋なのだが、郷田の場合は30秒で充分だ、という意味」
矢内「ふふふ(笑)」
長考派の人は秒読みに慣れている、というのはよくある話だよね
棋王のタイトルを持っている郷田だが、NHK杯では意外にも、準優勝が1回あるだけ、だそうだ

矢内「光瑠は、あともう少しで中学生プロになれそうだった」
へ~、そうだったのか 順位戦データベースで調べると、16才で四段になっていて、今17才だね

さて、先手番の光瑠が、どうやって攻めの糸口をつかむかだ 
双方、角の打ち込みを警戒して、手待ち合戦となった 郷田に飛車の横移動で、2手パスの技が出た
康光「これは高等戦術ですね」
対して光瑠、ここは腕の見せ所だったが、ためらいなく▲7七角と自陣角を打った
打つよねえ 私も打ちたい、その自陣角は2二の相手玉をにらんでるもんね
康光「決断がいいですね」

この辺り、康光の解説、抜群にうまい 
一手一手の手待ちの手の意味を、ちゃんと分かるように教えてくれる
しゃべりすぎることもなく、視聴者を退屈させることもない 康光、ブラボーだ  

光瑠、まだ戦端を開くことができない これはちょっと変だけど、まだこれからだろう
康光「先手は角を使ったわりに、攻めることができないので、面白くない展開」

光瑠は6筋に飛車を回ってそこから攻めていったのだが、これが郷田の待ち受けるところだったようだ
△6四歩、という銀の頭に叩きの歩が飛んできた な、なんだこれは・・・
康光「△6四歩は指されてみると、味わい深い手ですね これは先手はちょっと困りましたね」
この手に、先手がどう対応しても味が悪い さすが郷田、これは絶好の手・・・
光瑠は、この手が全く見えていなかったのではないだろうか 完全にペースを崩された

光瑠は角が馬になるのをうっかり、これ、単純なうっかりだろう
康光「郷田が戦わずして優勢になった 光瑠は苦しい」
そこから郷田の手は冴え渡った 焦点の歩で先手の竜を下がらせ、馬を急所の位置に引きつけ、
トドメとばかりに玉頭に銀のカチコミ! 強烈だった 
ボクシングでいうと、右のストレートがズバーーンときれいに入った感じだ

先手は桂損→銀損→角損と、どんどん損が拡大 だめだ、これは・・・
最後は、虎の子の竜が詰まされたところで、光瑠は投げた 94手で郷田の勝ち
ええーー? もう終わりー? まだ終盤戦やってないじゃん 今週はもうこれで終わりかorz
番組開始から、1時間6分という短時間だった
対局が終わった瞬間、TVの前で「よっしゃ、もう一局!」と言ってしまったのは私だけではないだろう

康光「光瑠、緊張していたんですかねー 若さが悪いほうへ出てしまった、力が全く出せなかった
 それだけ郷田の間合いの計り方が見事だった 相手に力を出させないというのも、プロの技」

これが駆け出しの若手と、一流のタイトルホルダー棋士の差かなあ 
大差で残念だったが、郷田の本気の強さを見れた △6四歩からの郷田の指しまわし、見事だった 
郷田がアマチュアの高段者と指したら、たいがいこんな感じの棋譜になるんだろうと思わせた一局だった
  
野球で言うと5回コールドみたいな内容だった本局 光瑠だけに、コー・・・いや、なんでもないです 
まあこういう内容のときもある、しかし、康光の解説が抜群にうまかっただけに、
康光を今回の対局で使ってしまったのはもったいなかったなあ
康光さん、今期のNHK杯、また解説者で出てくれませんかね もっと聞いていたかったです