三浦弘行 八段vs杉本昌隆 七段  NHK杯 2回戦
解説 鈴木大介 八段

今日は三浦と杉本か 実力者同士なんだけど、どこか地味な感のある2人だ

三浦は1992年四段、竜王戦1組、A級 1回戦はシード 17回目の本戦
杉本は1990年四段、竜王戦2組、B2 1回戦で菅井に勝ち 11回目の本戦

解説の鈴木大介「三浦は居飛車党で、終盤が非常に強い 一手違いにとにかく強い
 杉本は生粋の振り飛車党だったが、最近は居飛車も指すようになった 研究熱心
 2人は研究仲間で、仲がいい」

三浦「杉本七段には公私にわたってお世話になっています
 棋士である前に、人としてどうあるべきか意識させられる、最も尊敬する先輩の一人
 人間性では遠く杉本さんに及ばないので、将棋くらいは勝ちたいですね」

杉本「三浦八段は序盤の深い研究と終盤の鋭い踏み込みが印象的なトッププロ 手ごわい相手
 三浦八段とは、ここ数年研究会でよく指していて、やりやすくもあり、やりにくくもある
 本局は自分らしく、長手数で粘り強い将棋が指せれば、と思っている」

雑談で、大介「三浦と杉本、すべてが逆の2人だから、お互いに研究のパートナーに選んだのだろう
 三浦は攻め将棋で居飛車党、早指しで終盤型 杉本は受け将棋で振り飛車党、長考派で序盤型」

2人の対戦成績は、三浦1勝、杉本2勝とのこと 対戦がすごく少ないと思った

先手三浦で居飛車、後手杉本の角交換振り飛車、という将棋なった
大介「振り飛車側は、角頭を狙われることが多いので、角を交換して先にさばいちゃえという思想」

大介「三浦の囲いが独特、これが三浦流 銀冠もしくは、地下鉄飛車が狙える
 新しく、斬新ですね」

三浦が早々に仕掛けたのが機敏だったようだ いきなりの乱戦になったが、 
大介「三浦、作戦としては成功」
ここ、大差がつきそうな将棋、と私は自分の感想をメモっている 

三浦が一気の攻めに出たところでは、大介「お~、もう決めに出てるんだなあ」
短手数での決着もあるのか? ・・・でも、なんか、編集でカットして、早回ししてあるような、
先週もそうだったように、微妙に、編集してあることが、分ってしまうんだけど(^^;

猛烈な攻め合い、駒のぶつかりあいになり、
大介「すごい将棋になりましたね 壮絶な叩き合いでね
 三浦はホントに杉本を尊敬しているんですかね こんなにタタキつけて(笑)
 杉本のいいところを出させないようにしようという指し方」

長考派の杉本、持ち時間を使い切ってしまい、残りが▲7回vs△0回になってしまった
大介「考慮時間を使いきってでも、ここでちゃんとした手を指したいということですね
 尊敬しますね」

三浦の竜が後手陣を荒らしまくり、後手陣は崩壊した
大介も「先手優勢がはっきりした」と言っていたのだが、杉本の狙いは入玉!
そうか それがあったか 杉本の玉がするすると登ってきた 
大介「杉本、うまく受けてますよ 時間がないのをかいくぐってます 形勢は難しいと思います」

止められそうで止められない後手の入玉、長手数の気配が漂う、これが杉本クオリティ

ここのあたり、三浦がもっと慎重に時間を使って指していれば、すんなり先手勝ちで、
もっと早くの終局もあったかもしれない というのも、ここからすんごい長い将棋に~orz

杉本が入玉を決め(三浦が寄せをあきらめ)、将来の相入玉が視野に、なんでこんなことに・・・
杉本がはっきり優勢になったはずだったが、取れるはずの先手の竜に逃げられ、
自分の角が捕獲されるように指してしまう、という大誤算! これで杉本は10点、損した計算だ

大介「プロの将棋は、24点法 お互いに24点あれば引き分けが成立する
 アマチュアの大会では、27点法、27点ないと負けになる、というルールが採用されている場合も
 あるので、注意してほしい」
ここ、非常に参考になった 私は入玉のルール、いまいち分ってなかったから(笑)

三浦の的確な手が続き、三浦は駒得しながら入玉を確定 粘りに粘った杉本だが、ついに投げた
157手で三浦の勝ち

大介「面白い乱戦から始まって、三浦がうまく指して順調に攻めていたのだが、
 杉本がさすがの玉さばきで盛り返して、杉本がはっきり優勢になったときがあったと思ったが、
 △2一角が、この角が働かなかったのが勝負を決したと思う」

双方ともに、疑問手があり、2回は逆転していたようだが、レベルは高かった
何より、解説の鈴木大介の口八丁手八丁な解説がとても良く、私は最後まで見ることができた

鈴木大介の解説は本当にすばらしく、
「ここは持ち時間がまだあるので、落とし穴を作って、そこに相手を落とす方法を考えたい」とか、
対局者の思考が乱れてきたと思えたときに「足がもつれてる」とか、
表現力、語彙(ごい)が豊富で、聞いていてかなり楽しかった 
『鈴木大介トークショー』、と言えた一局と思った

さて、この将棋だけど・・・ 序盤から中盤まではとても楽しかった
でも、三浦がはっきりした決め方をせず、杉本の玉が入玉になり、そこからのぐちゃぐちゃな展開は、
やはり、なんとも、見ていて疲れた(^^;
例えば、羽生がこんな展開の将棋を指すかな、と思うのだ
その人が持っているカラー(色)というものが、その人が指す将棋には表れるものだ、と思う

ここの違いが、超一流の羽生と、そうではない2人の違いだろうなあ、と思えてしまったのは事実
手厳しいようだけど、やはり点数勝負の点取り合戦になってしまったのでは、
見世物としての将棋の醍醐味が薄れてしまうのは仕方ないだろう 

先週に引き続き、今週も長手数ということで、このブログをどう書くか、試されているようだった(^^;
来週はすっきりした短手数将棋をお願いしたい 中田宏樹さん、山崎さん、頼みます