阿久津主税 七段vs森内俊之 名人 NHK杯 2回戦
解説 佐藤康光 王将

矢内、今週の服は普通でいいんだけど、やはり地味な感はいなめないなあ なんでだろうなあ(^^;
阿久津の髪型、これが寝癖でないことが、やっと私にもわかるようになった カッコイイ
解説には、康光が今期2回目の登場! やったあ(前回は阿部光瑠vs郷田のときの解説)

阿久津は1999年四段、竜王戦2組、順位戦B1 1回戦で平藤に勝ち NHK杯は8回目の本戦出場
森内は1987年四段、竜王戦1組、18世永世名人資格保持者 1回戦はシード 24回目の本戦出場 

解説の康光「阿久津は相手を意識しながら作戦を立ててくる 華々しい将棋で、早見え 
 楽しい将棋が見れるんじゃないか
 森内は自分が指したい戦型を指してくる 慎重な将棋だが、主導権を取るところでは積極的
 受けが強く、バランスの取れた棋風
 この2人では、戦型は予測不能、両者ともにどういう将棋も指しこなす」

事前のインタビュー
阿久津「森内名人は、TVを見ている方はご存知だと思いますが、言わずと知れた実力者で、
 私が今さらコメントするようなこともないかなあ、と 非常に強いイメージを持ってます
 思い切ってぶつかっていくだけ、自分らしい将棋が指せればいい」

森内「阿久津はとても鋭い、踏み込みがいい将棋 自分も負けないようにしっかり踏み込んでいきたい
 久しぶりのNHK杯なので、見ている方に喜んでいただけるような、面白い将棋を指したい」

先手阿久津で居飛車、後手森内の作戦は、なんと後手無理やり矢倉だった
へえ~ こんな作戦を名人が指すんだ B級戦法っぽいけど、うまくいくのか?

すると序盤、駒組みで阿久津がすばらしい構想を見せた 
右四間にするのかと思いきや、▲4八飛を指さずに保留したのだ
3手角で▲3七角型を作り出し、その角を▲4六角と活用する手順 
これで2筋にピッタリ照準が合ったではないか! う、うまい!
森内の無理やり矢倉の欠点を見事に突いたね まずは阿久津がポイント先取だ いいぞ~、阿久津~

(ちなみに、私は今回は阿久津の応援だ 
 後手の「無理やり矢倉」なんていう、弱気な戦法を打ちのめして欲しいからだ)

森内も9筋の端を攻め、阿久津はどうするか、だ
康光「阿久津は、少しポイントを奪って、いったん受けにまわるのではないか」
と言っていたが、阿久津は考慮の末、9筋を完全放置で、強襲に出た!
2筋に歩を合わせる阿久津の手、ビシッ!としなった おおー、行けるのか 
これで攻め潰せれば、話が早いんだけどね 

阿久津は2筋を破り、森内は9筋を破った 一直線の攻め合いだ
矢内「すごいですね 真っ向から潰しに行っている」
康光「お互いに殴り合っている感じでね こんなに単純に(先手の攻めが)来るっていうのは、
 森内も意表を突かれてると思う」

一本道の手順が続いて、阿久津は後手玉を手順に追っていっている 
形勢は・・・私にはさっぱり(^^; 阿久津が追いすぎにも見える、しかし捕まったら後手負けだしね
矢内「先手の攻めが快調に見えます」
康光「素直な感性で(笑) 私は先手を持って、自信がない」

阿久津の攻めvs森内の受け、まさに事前に言っていたとおりの展開だ
しかし、康光はどうも、後手持ちのようだ 
理由として、先手の攻めの手は限られているが、後手は受ける手が広い、これがあったと思う

康光「△7一銀と引くのは、(先手の攻めが)逆に速くなってしまう可能性が高い」
しかし、森内の手は△7一銀! この一局、康光の予想手が何度もはずれていたが、
決定的なところがここだった(笑) 矢内も笑っていた

さらに、森内の△4二歩、という、後手の角筋に先手の竜を呼んだ手が巧妙、阿久津、困ったか・・・
康光「攻めの手が見えない」
先手に寄せの決め手、ありや、なしや?
最後の勝負どころ、阿久津の手は、▲9二金! ああ~、そんな手があったか これは絶好手では!
私見では、この手があっては阿久津の勝ちでは?

ところが、康光いわく「▲9二金は詰めろでないし、次に飛車を取ってもまだ詰めろではない
 阿久津らしくない手、この金はどうだったですかね~」
・・・だめだ 私の読み、全然だめだ(笑) 
阿久津はこういうベッタリした手を嫌うことで有名だから、阿久津らしくない手なんだね 

阿久津の攻めが▲9二金でこう着した瞬間、森内の攻めの手が雪崩(なだれ)のように
先手玉に襲い掛かってきた ここからはまさに、なだれるような、いや、流れるような手順で、
先手玉は追いつめられていった 森内優駿流、康光の予想手とも完全に一致、きれいに寄せが決まった
106手で森内の勝ち

ああー、無理やり矢倉が勝ってしまったか(^^;
阿久津、作戦勝ちから一直線の攻めに出たが、森内の受けにかわされてしまった、という一局だった
やっぱ、森内は受けがうまいわ そして最後の寄せ方も見事、強いわ
阿久津にしてみれば、作戦勝ちを活かせなかった、悔いが残る一戦となってしまったと思う

康光「森内の懐(ふところ)の深さが印象に残った △7一銀と引いたあたりが、なかなか指せない手」

局後の感想戦で、直後には、阿久津は「これを逆転されるのは私くらいでしょう」
と言っていたが、検討が進むにつれ、阿久津「形勢、けっこう難しかったんですね」と、
阿久津の理解度が変わっていった 阿久津、形勢の捕らえ方に問題あり、だったね

しかし、阿久津は負けはしたが、森内の無理やり矢倉には作戦勝ちを収めていた これは好評価!
そして森内、やはり受けが強かった 角道を止めるこの作戦、森内のように受けが強いと、
結果的に勝てる・・・棋風に合っているね

そういえば、森内は鉄板流と呼ばれるのがイヤ、ということだったが、優駿流でいいんじゃないかな
(森内優駿流、という本が何冊か出ている)「優駿」とは意味を調べると「特に優れた競走馬」とのこと
本局の最後の寄せ方、速い馬がパーッとゴール前で疾走していくようだったよ
森内は将棋の血筋もサラブレッドということだしね 

康光の解説、今回は、予想手のはずれが多かったが、それも面白かった 発声もいいので聞きやすい
さて、来週は山崎vs羽生、絶好の好カード! 山崎、羽生に思い切りぶつかってほしい!