佐藤天彦 七段vs稲葉陽 六段 NHK杯 3回戦
解説 中村太地 六段

今日は若手フレッシュ対決か 佐藤天彦、稲葉、中村太地 同い年、24才なんだね
聞き手も若い、まだまだ若い矢内おねーさんだ 

天彦は2006年四段、竜王戦1組、B2 佐藤和俊、佐藤康光に勝ち3回戦進出 4回目の本戦
稲葉は2008年四段、竜王戦3組、C1 大石、丸山に勝ち3回戦進出 NHK杯本戦は初出場

解説の中村太地「天彦は居飛車本格派、王道を行く将棋 
 棋理、合理的な指し手を選び、着実に一手一手進めていく
 稲葉も居飛車党、鋭い攻め将棋、終盤の粘りもある終盤型 才気あふれるという感じ」
矢内「勝率が7割超えの2人の対戦」
(両者の対戦成績は、天彦の1勝、稲葉の0勝)

事前のインタビュー
天彦「最近の調子は、良くもなく悪くもなく、まあまあ普通の感じできてます
 稲葉は激しい棋風で粘り強さも持っている
 激しい将棋になって、見てる方が楽しめるような内容にできればいいなと思っています」

稲葉「2回戦の丸山戦に勝ってから、少しずつ調子が上がってきたと思います 
 最新形の将棋になると思う 未知の局面になってから、
 お互い力を出してねじり合いになると思うんで、そこを楽しんでもらいたい」

先手天彦で、相矢倉模様にどんどん進む 両者、速い速い 編集もしてあるのだろうか?
▲3七銀戦法に、△6四角と受けた、という図式か 私はそれくらいしか相矢倉はわからない(^^;

太地「天彦は矢倉が得意で、小さい頃から指されてるみたいです 
 趣味がファッションとクラシック音楽 天彦は私の家で指すことが多いですが、
 マント、帽子とか、おしゃれな格好して来てくれるので、楽しみ(笑)」

駒組みが飽和したところで、後手の稲葉からいきなり仕掛けていった 9筋の端攻め
これも定跡なのか? 太地「前例がある」

天彦は▲9七同玉と強く取り、太地「ここからはねじり合いですね」
双方9筋に歩を垂らし、太地「どちらも手渡しの意味がある」 
うん、見ごたえがあるなあ 戦いが起こったと思ったら、手の渡し合いだ

▲4五銀△4四歩で銀が死んだ、そこでようやく天彦が1回目の考慮時間に入った 
(稲葉は全部残している) ここまで、ものすごい速かったな(^^;

相矢倉の中盤、いつもどうり難しい将棋になった 私は手が全然見えない、解説が頼みだ
太地「多くの将棋は、戦いが始まってからは候補手が狭まっていくのですが、
 矢倉のねじり合いっていうのは常に選択肢が多くて、すごく難しいんですよね
 ただそのぶん、候補手が多いだけに、個性が出やすいということで、(本局は)面白い将棋と思います」

太地「△9一飛とさせた形、そして先手の香得だから先手が指しやすそう」
うむ、しかし先手を持って、どう攻めるのか全く見当もつかないぞ
先手から突き捨てる歩だけでも、1筋、3筋、6筋と3つもある 
どう組み合わせるんだ 全くわからない(^^;
考慮時間もお互いに残り▲4回vs△4回、熱戦だ

本局の見所、それはズバリ、中村太地の解説だったと思う (以下、解説の一部を書き写し)
矢内「5五に銀が出た意味というのは」 
太地「次に▲3五歩と突きまして、これは△同歩ですね で▲1五香と走って△1四歩と受けますが、
 ▲3四歩△同銀に▲4四銀と攻めていこうということです
 先手としても、攻め駒がもう1枚くらい欲しいところでしたので、6六の守りの銀を使って
 攻めていこうということですね 今、銀が6六にいる状態ですと、固すぎるというか、
 この銀がいなくてもまだ先手玉安全ですから、この銀を攻めに使ってしまおうということです
 角を7七に上がることも視野に入れているでしょう」
矢内「そういう意味の▲5五銀だったんですね」

わかりやすい、太地の解説、わかりやすい! 
矢内の質問のタイミングも相変わらずいいが、太地の解説、すごくイイ~! 

矢内「先手が攻めきるか、後手が受けきるかですね」
太地「4四に行くと、かなりの駒損ですから ・・・っ! 行きましたね いや激しいですね
 これはすごい攻めです これはすごい攻めですね」
太地先生の「すごい」が2回出た~ この攻めは、成立しているのか~

太地「なんか、攻めがつながりそうな気がしてきました 稲葉は予測していなかったでしょう」
そして、天彦、じっと▲3五歩 ・・・こ、これは? 地味な手だけど、見るほどに厳しいか
王道を行く天彦将棋の決め手か~ 太地「落ち着いてます 厳しいですね かなり厳しいです」

太地「いくら稲葉といえども、粘れない局面になってしまった
 後手は飛車角が全く働いていない そのスキを逃さず猛攻した天彦はさすが」 

後手玉を金銀で羽交い絞めにした天彦、見事討ち取ったり~ 123手で先手天彦の勝ち
太地「稲葉の一瞬のスキを逃さなかった天彦の快勝譜、圧巻の攻めでしたね」

感想戦で稲葉「大駒が働かなくなったので、強引にいかれる筋ができてしまった」

なかなかに面白かった 天彦はやっぱり強い そして、何よりも中村太地の解説、絶品だった
理路整然としていたその解説、魅了されたわ~ 声は聞きやすいし、顔もいいし、棋力もあるし、
文句ない人材だなあ 太地、さすがに米長会長の隠し子、じゃなかった、秘蔵っ子!
天彦の4四突破の攻めも見れて、満足の一局だった

来週は木村と三浦か 普段ならフーンというカードだけど、三浦、電王戦を前に、負けられない一戦だ