森内俊之 名人vs藤井猛 九段 NHK杯 3回戦
解説 深浦康市 九段

ここのところダイエットして成功したので、しっかり食べてまた体重を戻したギズモです どーもです
現名人の森内と、人気棋士の藤井の登場だ
この対局に勝って、羽生への挑戦権を獲得するのはどちらか? とても大きな一戦、楽しみだ

森内は1987年四段、竜王戦1組 18世永世名人 2回戦で阿久津に勝ち 本戦は24回目の出場
藤井は1991年四段、竜王戦1組、順位戦B2 2回戦で阿部健治郎に勝ち 本戦は19回目の出場

解説の深浦「森内は一局を通して、すべてにバランスが優れている 
 一歩一歩着実に駒を進めてくるので、相手としては脅威に映るだろう 
 名人戦では、羽生が挑戦者だったが、森内の着実さに完敗だったイメージがある
 
 藤井は振り飛車党で攻めに特徴がある 突破力はかなりの迫力 
 相手の駒を一つ一つ剥がしていくガジガジ流の攻め
 それにともなって、構想力が大変すぐれている 序盤から色んな工夫が見られる 
 現代の升田幸三と言える天才」

事前のインタビュー
森内「藤井は序盤巧者で、数々の新戦法を編み出している 構想が優れている棋士
 最後までどちらが勝つかわからないような、面白い終盤戦をお見せできればと思っています」

藤井「森内は、いつも私が攻めるんですけど、受けがすごくしぶといなという印象
 名人相手に強敵ですけど、とにかくがんばりたいと思います」

深浦「最初に駒がぶつかったときの局面が大事 藤井は後手でも振り飛車で果敢に攻めていくだろう」 

先手森内で、初手から▲2六歩△3四歩▲2五歩!
深浦「後手の棋士が振り飛車党限定での作戦」
おいおい名人、相手によって作戦を露骨に変えてくるか 容赦ないな 
注目の後手藤井の作戦は、四間飛車で角交換~向かい飛車+棒銀での2筋逆襲だった

矢内「対局前の控え室での雰囲気が、かなりピリピリしていました(^^;」
そうかあ これに勝てば羽生戦だしね 通算対戦成績は、っと・・・
矢内「森内18勝、藤井5勝」 うわ~ そんなに開いてたのか 
しかもここ5戦は藤井、5連敗中か 厳しい! 藤井、これはぜひ勝ちたいのがよくわかる

深浦「△4二飛と振ってから後手から角交換する藤井流は、3~4年前は藤井しかやっていなかった
 藤井システムのときもそうだったが、最初は評価が低い しかし藤井は根気良く連採して
 勝率を上げてきた それを若手プロ、奨励会員が真似てきた 今では藤井は振り飛車党の本家」 

藤井、△4二飛~△2二飛だから手損、△3三角と上がってから自分から角交換したからさらに手損、
それでも早くも△2四歩と開戦! もうキター 後手はまだ駒組みがほとんど進んでない、大丈夫か!?
深浦「まだ駒組みかと思いましたが、驚きました 『最初のチャンスは見送る』という大山15世名人の
 言葉がありますが、藤井は最初からガンガン行きますね」

森内、早くも考慮時間を残り5回まで減らして▲3七桂~▲4五桂で勝負か!
深浦「しかし妥協しませんね お互いね~」 ササッと先手の攻めの成功例を解説してくれ、
深浦「こういう風になれば後手の離れ駒が悪形になってますね」 うむ、さすがに深浦も強い
藤井、ピンチかと一瞬思ったが、△2五歩と受けて、局面を落ち着かせる狙いか 
局面収まったか? 形勢どっちがいいんだ・・・

なんだか、森内はずいぶん考慮時間を早々に減らしてるが、それでいいのか
中盤真っ只中というところで、考慮時間の残りが▲0回vs△5回に! こりゃ、藤井いけるか?
森内の左桂が▲6五桂と跳ね出したところで、後手は5三をどう受けるか、か 
したらば、藤井は5三放置! おおお~ 深浦「受けない! 受けない!」

深浦「色々ありましたけど、なるほどという戦いですね」
先手は馬ができ成桂を急所に作っている だが2筋が突破されるのは確定、飛車が押さえ込まれそう 
後手は桂得、しかし金と銀が玉と反対側に来てしまっていて、かなりひどい形
個人的には先手を持って指してみたいが、先手はもう考慮時間が0回 実戦的には互角か?

ところが! なんだか飛車を馬に当て、馬が逃げて飛車に当て返し、の連続が始まったではないか
ええ・・・ なんか・・・ ウソやろ・・・ ま、まさか・・・ これは・・・ 同一局面の連続・・・ 
もう2人とも打開する気が全然ないみたい・・・
67手で、なんと千日手成立~!! (番組開始から43分)
深浦「▲3一馬の局面が4回出ましたので、千日手成立 両者、形勢に自信がなかったのだろう」
矢内「(どちらも負けられないということで)非常に力が入ってますね」

非常に力が入ってたのは対局者だけではない、私も同じ~(^^; 現実は非情~
あっちゃーー とりあえずここで1回UPしておきます

指し直し局、先手藤井で考慮時間▲9回、森内△5回まで増えて対局開始
今度は相矢倉模様の序盤になった 藤井はもちろん、「藤井流早囲い」だ
深浦「生粋の振り飛車党だった藤井が、数年前にこの作戦を指し始めたときは、
 みんな『何が起きたんだ』とびっくりしましたが、今は藤井の得意戦法のひとつになった」
うむ、この藤井流早囲い、後手も「単純な手得は許さない」となって、何か動いてくるので、
力戦になりやすいんだよね だから普通の相矢倉と違った面白さがある

深浦「藤井流は玉は▲7八玉が定位置、▲4六角~棒銀で攻めるのが理想形、
 ▲6八金直(調べたら名称は片矢倉でした)で囲う」

森内が△4五歩と突き、それを逆襲する形で戦いが始まった ただ、森内は7筋の歩の交換を入れている
深浦「藤井としては申し分ない序盤になりました」
そうか、藤井いけそうか、いけっ 森内戦での連敗を止めろ藤井・・・!

4筋からガンガン攻める藤井 
深浦「すごいですね(^^; 藤井は形勢が良くなっても(守りに入らず)、
 それを拡大すべく攻めるタイプです」
しかし森内も△4七角と嫌味な角を打ち込んできている この角が働くかどうか、か

5筋の取り込みが入って藤井、有望か こりゃいけるか?
ん!? △8六歩、ここで来たか んんー △7五桂が発生するため▲同歩は指しにくいか ▲同銀か?
深浦「これまた微妙な手ですね そうか ▲同銀は△7二飛が王手になるのでやりづらい
 先手の囲いにはそういった欠点もあるんですね」 
順調に見えていた藤井だったが、ここからちょっとずつ流れが変わったように見えた

難解な中盤、藤井「んー いやー」 矢内「うなりますね(笑)」
飛車も△7二飛と回ってきたのに加え、深浦「後手の4五の銀の存在も脅威なんですね」
先手の片矢倉、上からも横からも攻められるかっこうに・・・ この辺が藤井の誤算ではなかったか? 

藤井、▲4九香に期待をかけ、とにかく後手の金、銀をはがしにいった
深浦「一番リスクのある手 どっちが読み勝ってますかね」
後手も薄くなったが、盤上見渡すと、先手にあんまり攻めの継続手がない 
それというのも後手の馬が絶好、絶大な力を発揮している 後手の馬、実に邪魔だな~
先手の馬は、逆に殺されそう 後手はいつのまにか持ち駒も溜め込んでいる

深浦「駒割りは後手の金得になりました」
あららら これは藤井、地味にピンチなのでは
深浦「もう先手には受けの形がないので攻めていくしかない」
だが、以前、後手の馬が攻防に強力!
矢内「△6九銀が入りまして」 ついに王手きたーー あああーーー 
藤井は金を自陣に投入して受けたが、これでは明らかに攻め駒が足りなくなった
深浦「ここで受けるのでは苦しくなりました」

あとはどう先手を料理するかだったが、森内、△5七金の張り付き、これは俗手の好手!
そして、最後の決め手、先手の飛車を攻める△3七金キターーー
これぞ激辛流の一手、友達をなくす一手! 今日の森内の性格そのもの!! 

この手で藤井の心が折れた 102手で藤井、無念の投了 森内の勝ち
投了直後、大きくため息をついた藤井「はぁ~」 ・・・藤井、負けた 完敗だったorz
深浦「指し直し局ということも含めて、時間がなかったところでの森内の戦術面の巧みさ、
 有利になってからの手厚さが勝因でした」
藤井、ヤラレタな~ 「片矢倉」の弱点をものの見事に突かれてしまった 

しかし、この一局、藤井は「将棋で負けた」というより、「勝負術で負けた」という感じだった
序盤で先手が4筋を攻める権利を得たときには、深浦は「先手、申し分ない序盤」と言っていた

だが後手は7筋の歩交換をして、さらに金銀4枚で自玉を固めていたのだ
森内は「藤井ならここから攻めてくる性格のはず それを△4七角と打って、持たれ指しして受ければ、
 短い持ち時間なら受けているほうが有利」という判断じゃなかったのだろうか? 
そして、そのとおりになってしまった本局
うううううーー、藤井としては、対局心理を見透かされたかっこう、これは残念orz

森内、先手だったのに千日手にし、指し直しにして考慮時間を回復させて、
指し直し局では藤井にわざと攻めさせたという戦術、こういう勝ち方、強いっちゃあ強い、
実に「周到」、「老獪」、「狡猾」だ 名人の指し方としては、ずるい(笑)
最後の一手の△3七金、あれが本局の森内の性格そのものを表していたと思う(^^;
 
・・・でも、私が後手を持っていて、投了図から先手が▲1八飛と逃げてたら、
△2八金打ちで飛車を殺したかもしれないし、△1一金で馬を殺して根絶やしに行ってたかも(笑)
私ならきっとそうやってた(笑) それが勝負の世界! 
藤井、今日は負けたが、いつの日かまた機会はある、そのときは森内にリベンジして欲しい!