飯島栄治 七段vs髙見泰地 四段 NHK杯 1回戦
解説 勝又清和 六段

矢内、きれいだなあ ぞくっとしてしまった 4月から、女流棋士会の会長なんだってね
しかし、昨日の塚田の電王戦は疲れた 入玉で延々230手(^^; 

飯島は2000年四段、竜王戦1組、B2 成績優秀により予選免除 本戦は4回目の出場
高見は2011年四段、竜王戦6組、C2 予選で佐藤和俊、小倉、日浦に勝ち、本戦初出場

解説の勝又「飯島は居飛車党、引き角戦法という独自の戦法を編み出した 手厚い棋風
 高見は先手なら矢倉、後手なら力戦振り飛車を得意とする 終盤が鋭い 
 がんばりやさんで今は大学生」
ちなみに、勝又は石田和雄門下で高見の兄弟子(あにでし)ということだ

事前のインタビュー
飯島「高見は今売り出し中の旬の若手、早指しが得意なので、初戦から気の抜けない相手
 NHK杯はひさしぶりの出場なので、自分らしい手厚い将棋、
 そしてみなさんに楽しんでいただけるような将棋を指したい」

高見「小学生の頃から見ていたNHK杯に自分が出れると思うと、とてもうれしいです
 10代のうちに出れるのはとても光栄なことで、財産にもなるので、がんばりたいと思います
 初戦から強敵なんですけど、自分らしい将棋を指して、一つでも多く勝てたらいいと思います」

先手飯島で、居飛車 後手の高見はゴキゲン中飛車で対抗形になった
飯島が丸山ワクチンの角交換をして、駒組み合戦の持久戦
勝又「角交換の力戦での、ゆっくりした展開」
勝又は、その手に前例があったかなどを、よくしゃべってくれる
矢内「さすがですね 色々な過去のデータの話がガンガンと(笑)」

勝又「飯島は順位戦で10年近く7勝以上している 安定という言葉がピッタリ
 高見は三段リーグで最終日に1勝すれば昇段というときに、連敗で逃した
 しかし次期に1位で昇段した」

双方美濃囲いだ 高見が銀冠に移行しようとしたところで、飯島が動いた
▲5六角の筋違い角だ これは角交換型の対抗形で、よく見る手だね 
勝又「うまくいくかギリギリのところ 飯島は危険な手を1手は通す その後は手厚くいくのが飯島流」 

飯島が一歩を取ったはいいが、まだ双方、見動きが取れないかと思って見ていたら、
高見が思い切って局面を打開してきた 左桂を捨てて、強引に飯島の角を捕獲にきた!
勝又「(高見は)元気ですね! 元気だね!」
高見、駒損ながら、銀冠が固いんで、まだ互角という形勢判断か 
高見は戦いが本格的に起こってから、8筋と7筋の歩をじっと突く、なかなか出来ない手を指している
勝又「高見は終盤の発想がちょっと違う、そんなこと思いつくんだ、という感じの手を指す」

難しい中盤で、飯島が好手を見せた 飛車を5段目に浮いたのが見えにくい手で、指されてみると
横利きが抜群に味が良い これは飯島が魅せた! 
次いで盤面を制圧するベタ金も打ち、飯島、ハッキリ局面をリードした模様
勝又「こういう手厚い金打ちは、飯島の一番好きな手だから 
 高見君はこれに対してどういうヤンチャな手を用意しているのか」
高見、考慮時間を全て使い切り、秒読みに追い込まれた 
特に好手も見つけられずだったようで、もうダメか?

しかし飯島が勝つまではまだ長い、と思われた次の瞬間、
飯島、さっき打った金を捨てて寄せに行ったではないか うおお~、金捨てるのか! 
それでも飯島側が良しと、理屈ではわかっちゃいるけど、実戦では指せない手だぞ
飯島もすごい元気(笑)
飯島が金を捨てた瞬間、勝又はめっちゃびっくりして、声が完全に裏返っていた
勝又「あ~!あ~! そうだったのか」
矢内「今の勝又先生のリアクション、カメラで撮って欲しかった(笑)」

局面は飯島がリードしているが、高見側に桂馬が入ればまだわからないようだ
勝又が「高見は桂馬が欲しい 角と交換でもいいから欲しいくらい」
矢内「△4四香は?」
勝又「いいんじゃない? ホントにやるんじゃない?」
そして高見の指し手は、△4四香! おおおー、当てた矢内もさすが、高見も盤面が見えてる!
勝又「(矢内さん)さすが! これはキタか!? 高見君、元気が出た 形勢、細かくなった」
おおお~、両者の手が伸びているぞ 非常に面白い終盤だ

高見が飯島陣に食らい付き、寄せ合いだ これはどっちがいいんだ? まだ飯島が勝ってるのか?
そこで出た、高見の角捨ての鬼手!! 私には全く理解不能の手 な、なんだこりゃ~!
勝又「おお~ 何ていう手を思いつくんだ君は これ思いつかないね これはすごいわ
 のけぞっちゃうね」
矢内「1秒も(考えない手)」
す、すごい こんな手はめったに見れるもんじゃない 
それを初出場のNHK杯で出すとは、高見、タダ者ではない!

もう30秒将棋でギリギリの寄せ合いだ  
勝又「どっちがどうなってるのか」
矢内「さっきから大盤を動かしてません(笑)」
勝又「私はただの観戦者になってる(^^;」
いやあ、面白い、面白い! 手に汗握る、とはこのことだ

勝又はここに来てパニック状態(笑) しかし対局者の飯島は冷静だった 
ピッタリ13手詰めに詰め上げた これは、お見事~ 実にしっかりした読み、飯島強い!
勝又「さすがっすね これは飯島の得意のセリフ(笑)」

97手まで、飯島の勝ち あー、楽しかった! これぞ将棋っていう感じの終盤戦だった
1回戦屈指の好局だね 両者ともによくやってくれた パチパチパチパチ

勝又「飯島が意欲的な筋違い角を打って、良くなった 高見が得意の終盤力で追い上げて、
 ハラハラドキドキでした 最後はピッタリの詰みで、お見事でした」

7分間の感想戦で一通り並べてくれたが、飯島のほうには反省する手というのは見つからなかった
いや~、飯島、竜王戦1組なだけあるね 強かったわ 飛車の使い方がうまかったのが印象的だった
負けた高見も、力のほどを見せていた 角捨ての鬼手、才能があるねえ これからが楽しみな新人だね
双方に見せ場があり、金の取れるプロの将棋という感じだったよ

本局、事前には期待していなかったカードだった分、よけいに得した気分になった 実に好局だった
将棋ってやっぱり、寄せ合いになったら楽しいなあ 飯島も高見もグッジョブ、面白かった!